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フランス・リヨンの食べ物語り(お菓子編①)

まだ先月行ったフランスの食べ物の話が終わっていなかった!
ということで、今回は先日リヨンで食べたもののうち、お菓子の方を書いていこうと思います。
しかも字数がものすごいことになってしまったので、前編と後編に分けます。
そして、チョコレートマニアがゆえチョコレートばかりですが……あしからず。

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 リヨンはご飯だけでなく、お菓子も美味しいものがいっぱいでした。
私がリヨンで狙っていたのは、リヨンならではのお菓子とチョコレート。
チョコレートは日本にいる頃から大好きで、毎年バレンタインシーズンには日本にお店を持っていない海外のショコラティエさんのチョコレートを狙い奮闘していました。

 リヨンにくると、そういう日本だとレアなブランドがサクッと買えたりもします。お値段が日本で買うより手頃というのも嬉しいですが、実店舗があるというのもマニア心をくすぐります。

 そしてそういうお店を訪れる以外にも感動したのが、コーヒーに添えられたチョコレート。ドイツでもお茶やコーヒーを頼むとチョコレートやビスケットが添えられているのはわりと普通なのですが、添えられているチョコレートが日本人から見るとちょっとリッチ…!

この一口サイズ、とてもよい。

 こちらは食事編の方で書いた「Restaurant M」の最後に飲んだコーヒーに添えられていたチョコレート。おまけにValrhona(ヴァローナ)がついてきた!!
ヴァローナは最近日本でもよくみかけるようになったブランドですが(輸入チョコを扱うお店や、お菓子材料として富澤商店などにあります)、美味しいけれど日本で買うとやっぱりちょっとリッチなもの。それがコーヒーのおともとしてしれっと添えられているところに、ちょっとしたカルチャーショックです。

 ビブグルマンのお店だけあってコーヒーのおまけにもこだわりがあるということなのでしょうが、ほかにもあります。

ベルナシオンでコーヒーを頼んだだけで、ベルナシオンのチョコも食べれる!

 こちらは、「BERNACHON(ベルナシオン)」というリヨンに本店を持つお菓子屋さん。このお店はリヨンにお菓子屋さんの他にカフェレストランを持っているのですが、そちらでコーヒーを頼むと、ベルナシオンのチョコレートがついてきたのです!!

 コーヒーはたしか1杯3ユーロ。ベルナシオンのボンボンショコラは量り売りですが、サイズ的にも買ったら1ユーロはすると思うのです。原価とかいろいろ考え始めたらきりがないので割愛しますが、お店の売りであるチョコレートをおまけで頂いていいんですか!?と感激でした。

 ほかで立ち寄ったカフェなどでもコーヒーや紅茶には、ビスケットやチョコレートなど何かしらついていることが多く、それがとても面白いし楽しみで。このさりげないおまけもフランスのカフェ文化のひとつなのだと知りました。

 以下はそんなカフェ文化のほかにリヨンで出会った、チョコレートとお菓子をまとめていきます。
今回も食事編に続きとても長いので、気になるところへ飛んでください…!


ポール・ボキューズ市場でお菓子物色


先日書いた食事編でも登場した「ポール・ボキューズ市場」。
こちらには、ご飯のほかにお菓子のお店もたくさん入っています。

近くにショッピングモールもあって、賑やかなエリアにあります
この方がポール・ボキューズさん
建物は1階建てで、縦に向かって伸びる
何本かの通路の両端に様々なお店がずらっと並んでいます
私が好きな「セバスチャン・ブイエ」のお店もここに!

 リヨンを代表するお菓子屋さんが数多く並ぶ中には、リヨン名物である赤いプラリネ(アーモンドに赤く染めたお砂糖を絡めたもの)を使ったお菓子もずらっと並んでいます。

赤いし大きいし甘そうなタルトたち

 -セーヴのショコラ「PALETS CHUAO 76% CACAO」

セーヴはリヨンを代表するショコラティエの一つ。
私は日本で食べたことがなかったのですが、こちらにお店があるので立ち寄ってみました。さすが有名パティスリーというだけあって、ケーキ、マカロン、ボンボンショコラやタブレットショコラなど、取り扱うお菓子の豊富さはさすが。

この絶妙に雑な扱いのマカロンも、フランスっぽくて好き

色々目移りしていたのですが、まずはセーヴのチョコレートの味を知りたいということで買ったのが、この「PALETS CHUAO 76% CACAO」。
ボンボンショコラなどよりは少し値がはるのですが、こういうタブレット寄りのチョコは賞味期限が長いので、毎日少しずつしか食べない私には助かります。

この写真を撮った時、チョコレートを撮るときは同系色の背景がいいと知りました

私はビターなチョコレートが好きなので、カカオ76%のこちらを選んだのですが、さすが人気店だけあってチョコレートそのものが美味しい。
上にカカオニブがのっているので、カカオの風味が豊か。それでいて食べにくいほどの苦味や酸味を感じることもなく、まさに絶妙。1枚で満足できる逸品でした。コーヒーのおともに最高です!


ベルナシオン「ガトー・デュ・プレジタン(Gâteau du Président)」

こちらはパティスリーの店頭

 冒頭でも触れた「BERNACHON(ベルナシオン)」もリヨンを代表する老舗のパティスリーで、日本でもチョコレートが人気です。
ベルナシオンのタブレット(板チョコ)は日本でも時々売っていいる印象で、私も食べたことがあるのですが、はっきりとした甘みと口の中でとろっとなめらかにとろけるのが特徴的です。このなめらかさの虜になっている人は多そう。

パティスリーではボンボンショコラやタブレットのほかにもケーキなどなどがラインナップ。少し前にパリにも支店ができたそうですが、ケーキの取り扱いはリヨンの本店だけなんだとか。
そんな情報を掴んでいた私としては、絶対に食べねばならない!!と来る前から意気込んでいたので(笑)、迷わず隣のティーサロンでいただくことにしました。

 お目当てのケーキはこちらの「ガトー・デュ・プレジタン(Gâteau du Président)」。ウィキペディアにページができているほど有名な、ベルナシオンを代表するケーキです。
「プレジタン」は大統領という意味らしいのですが、先ほど紹介した市場の名前にもなっていたポール・ボキューズさんがフランスで有名な勲章をもらった際に開催されたパーティーで出すため、ベルナシオンさんが考案したものなのだそう。(ケーキの名をプレジタンとしたのは、当時の大統領に敬意を示したためだそう)

カフェには1人前サイズが置かれてました!
ナイフ・フォーク・スプーンで食べるチョコレートケーキ
色味を調整すると、ケーキの雰囲気が伝わるでしょうか…?

 このドレープのようなチョコレートの中には風味の違うチョコ、ガナッシュ、チョコレート味のスポンジケーキなどが入っていて、まさにチョコづくし。

 でもそれぞれプラリネが入っていたり、チェリー風味になっていたりと、甘みや風味、口当たりが細かく調整されていて、ただのチョコレートケーキでは終わらないようになっています。さすが大統領の名を冠するケーキです。
ベルナシオンのチョコレートをベースにしているので、私にはやや甘みが強めではありましたが、食感や風味のおかげで美味しく頂けました。


プラリュ「プラリュリーヌ(Praluline)」

 リヨンの名物「赤いプラリネ」を使ったお菓子で有名なのが、こちらの「Pralus(プラリュ)」。
こちらの赤いプラリネをつかったブリオッシュ「プラリュリーヌ」が人気と聞いて行ってきました。

リヨンに4店舗くらいある、人気のお店です
袋がカラフル!
そして紙袋の形が変わるほどの重みのブリオッシュ

今回は初めてお店に行ったということで、定番のプラリネブリオッシュと、もうひとつ別のを買ってみました。
サイズは大小の2種類あって、私は小さい方を買いましたが、それでも日本の大きめの菓子パン「スイートブール」や「チョコチップメロンパン」などより1~2回りくらい大きいです。そして何よりずっしりしてます。
店員さんから袋を受け取った時、想定外の重さに「これ……食べ切れる?」と少しビビリました。(笑)

ブリオッシュを包み紙で直包みし、紐で縛るのがプラリュスタイル。
ヨーロッパでは食品を紙で直包みするの、結構普通です


 -「プラリュリーヌ(Praluline)」の中身は…

中身はこんな感じ。
見た目はチョコチップが赤くなったメロンパンみたいな風貌で、中にも砕いた赤いプラリネがぎっしり…!!

このぎっしりと詰まった赤いプラリネを見よ!

 食感はブリオッシュを食べているというよりもプラリネを食べている感覚の方が強いです。なので、パンというよりケーキとか別のお菓子を食べているような感覚。
 プラリネの砂糖のカリ・シャリとした感じと、プラリネの中に入っているアーモンドのカリカリを存分に味わえるお菓子です。

 まあ見た目の通り甘いお菓子ではあるのですが、プラリネの分量が多いからかブリオッシュならではのバター感があまり強く残らないので、甘さは強いものの口当たりは意外にスッキリとしています。
 旅行中には到底食べきれず、ドイツに持って帰って食べ続けていましたが、それでも問題ないくらいわりと日持ちするお菓子でした。実際の賞味期限はわかりませんが…まあでも、おそらく皆で切り分けて1,2日中に食べるのが美味しいとは思います。(笑)

 -「プラリュリーヌ」とともに売られていた「ショコラブリオッシュ」

チョコレートがほろ苦くて美味しかった!!

 「プラリュリーヌ」と一緒に売られていて、同じく人気だったのがこちらの赤いプラリネがチョコチップに入れ替わった「ショコラブリオッシュ」。地元の方っぽい方々は、プラリュリーヌとこれを1つずつ買っている人が結構多かった気がします。

 後々調べて知ったのですが、この「プラリュ」はチョコレートでも有名なお店のようで、カカオ農園を持っているくらいのこだわりようなんだとか!!

 「わーこれも美味しそー」と興味だけで買ったショコラブリオッシュでしたが、買っておいてよかった……そしてチョコレートにこだわりがあるお店だけあって、入っているチョコチップがとても美味しかった!!
というか、菓子パンやお菓子などに入っているチョコレートでこんなにカカオの風味を感じたことはあっただろうか……と思うくらいのしっかりとした味わいのあるチョコレートが使われています。

 チョコチップは「プラリュリーヌ」のプラリネほどぎゅっとは詰まっていないので、味が濃すぎることもなくどこか小さい頃によく食べていた、チョコチップの入ったスティックパンのような素朴な雰囲気もあり、食べやすいです。
 見た目と食感が特徴的な「プラリュリーヌ」に対して、こちらは見た目はそこまで派手じゃないけど美味しい、いぶし銀的な存在感を感じました。
 チョコレートが好きな方は、こちらもぜひ買ってみてほしい。またリヨンに行く機会があったら、私は絶対また買います。

 -プラリュのショコラタブレット「ピラミッド」

こちらもプラリュの人気商品「ピラミッド」。

様々な産地のチョコを積み重ねたように売っているから「ピラミッド」らしい

 後から知ったものなのですが、このチョコレートもプラリュの看板商品なのだそう。こちらはミニサイズで、大きい500gセットものが定番商品。
 10カ国のカカオのタブレットをセットにして売る「ピラミッド」は、カカオ豆からチョコレート完成までを一貫して行う「ビーントゥーバー」の先駆者の1人ともされている「プラリュ」の2代目、フランソワ・プラリュさんのこだわりの逸品だそうで。

 「へえいろんな国のチョコが食べられるんだ~」と何気なく買ったものだったのですが、そんな有名商品だったとは……と後から驚きました。(笑)
ちなみにピラミッドは、コーヒー風味やオーガニックバージョンのものなどもあります。
数年前にビーントゥーバーを知ったことをきっかけに、板チョコ好きになってしまった私としては、思わぬ出会いに後から感激しました。

 また行く機会があったら、チョコレートももっとチェックしようと心に決めました。


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前編はここまで!
後編も同じくらいのボリュームがありますが、気になる方はぜひ読んでいただけたら嬉しいです^^


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