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ベルギー・ブリュッセルでチョコ散歩③【完結編】

前回前々回に引き続いて、ベルギーチョコレート散歩第3弾です。
今回はベルギーチョコレートの中で、知る人ぞ知る的なチョコレートのお店+αを紹介していければと思います。
日本に実店舗がなく、バレンタインシーズンにもほとんど日本に来ない、ベルギーで買う価値ありなお店ばかりです。

今度こそ長くない記事にしたいけど……無理でしょう!(開き直り)


Passion Chocolat(パッション ショコラ)

まずは1998年創業の「パッション ショコラ」。
ベルギーを中心に7店舗くらい展開されているショコラトリーです。

日本では10年くらい前からバレンタインシーズンに、静岡の伊勢丹でだけ買うことができていたようなのですが、1年以上前から出店しなくなっているような……?
つまり現在日本ではほとんど売られていないブランドのようです。

ネットで色々調べていたら地元の方に愛されているのはもちろんのこと、日本にもファンがいるお店のようで、Googleの口コミでも評判だったので行ってみることにしました。

ブリュッセル中心部から少し離れたところにある
nHホテルに併設した感じでお店がありました

こちらのお店はグランプラス周辺から少し離れていますが、王立美術館近くなので、そこまで街はずれという感じでもありません。
近くにはヴィタメールの本店などもありました。

このプラリネが積み上がったショーケース!
この積み方、何度見てもときめきます
プラリネは自分で選ぶ以外にもボックスに入っているものや、ナッツチョコ、
ビスケットやフロランタンなどお菓子がいっぱい並んでいました
価格表が助かる!
下部に書かれたプラスチックの小袋に入れて買うのが最安値

私が買ったのは簡易的な紙のボックスの1番小さいもの(TINY)で、9粒で10.8€でした。

プラスチックバッグよりはちょっと高くなりますが、紙箱に入れるだけでチョコが割れにくくなるので助かります。
お店のカラーである赤を使った宝箱みたいな形の簡易ボックス(上写真右上のボックス)が可愛らしかったので、そういう意味でも後悔はありません。

私が選んだのはこちらの9粒!

まずは手前のカカオ型のと、奥の赤いアラザンがのったものを食べてみました。

パッションチョコレートの特徴はとろけるような口当たりと聞聞かじっていましたが、たしかになめらか!
そしてベルギーチョコらしいカカオのコクもしっかりあります。

カカオらしさは感じられるものの、ビターチョコレートでもそこまでカカオが前に出てきません。ガナッシュが主役になっているような、とろける食感のボンボンショコラがお好きな人も絶対好きなチョコレートだと思います。

今回のベルギーチョコレートのお店の中では、チョコの味がしっかりしているのが特徴の「コルネ」ととろける食感が美味しい「ローラン・ジェルボー」のちょうど間くらいに位置している印象。
滑らかさとチョコのカカオらしさ、そして甘みが程よいので、万人に愛されるチョコレートだろうなぁと思いました。
地元の方に愛されるのも納得です!

日本で(ほぼ)買えないベルギーチョコレートを買いたい方、なめらかさとカカオの風味、両方を味わいたい方にはオススメのチョコレート屋さんでした。


Planète Chocolat(プラネット ショコラ)

続いては、「プラネット ショコラ」です!
こちらは1991年創業の、人気のベルギーチョコレート屋さんの中では特にカカオを味わうことに重きをおいた印象のショコラトリーです。
日本での出店は調べる限りなさそうで、(ほぼ)日本未上陸チョコだと思われます。

ベルギーのショコラトリーは、チョコレートの作り方などを学べるワークショップをやっているお店がちらほらあります。
このプラネットショコラのワークショップも人気なようで、チョコレートの歴史やチョコレートの作り方の紹介、試食などもできるそう。(予約制、公式サイトから申し込みができます)

そちらも気になりつつ……私はチョコレートだけ買ってきました。(笑)

店内は撮影禁止なので、外観だけ…!
場所はブリュッセル名物「小便小僧」の近くです

お店に入ると、チョコレートの濃い香りがお客を迎えます。
本当にびっくりするくらいで、お店とつながっているキッチンでチョコレートを作っているからこその香りだなぁと思いました。

ここまでチョコの香りがするお店は、今回ブリュッセルで回ったショコラトリーではなかったかもしれません。

お店に入ると店員さんが試食用チョコののったトレーを差し出してくださったので、その中からビターチョコレートらしきタブレットをひとかけいただきました。

お~~濃厚なカカオ!!
カカオ含有量の高いチョコレートならではのコクに、ブドウのような深みと花などに例えるような軽やかな風味があるチョコレートでした。
簡単に言うと、カカオ大好き人間には大好物の味です。
カカオを味わうためのタブレットという感じで、ハイカカオな板チョコが大好きな私に完全にぶっ刺さりました……

お店の思う壺だなぁと思いながら、そのタブレットとプラリネを何粒か買うことにしました。(笑)

ベルギーチョコ旅で初めて買ったタブレット!(板チョコ)
あと、プラリネをいくつか買いました

こちらの板チョコはカカオの含有量が約70%。
ハイカカオチョコレート独特のコクや、食べたときの満足感はあるのですが、エグみや酸味が少ないので食べやすいです。

バニラで多少風味づけもされていますがとにかくシンプルな感じ。
お仕事中のちょっとした休憩のときに、お茶やコーヒーとともに2かけらくらいさくっと食べたら幸せになれる気がします。

勝手に名付けるなら「暮らしに寄り添うシンプルチョコ」という感じでしょうか。
一般的なハイカカオチョコレートよりはお高いので、そういう意味では暮らしに寄り添うの…?とは思いますが、2かけらずつなら12日くらいもつから!!
平日だけ食べるなら半月はもつから!!(笑)

そんな言い訳をしてでも食べたい、静かにQOLをあげてくれるタブレットチョコレートでした。

プラネットショコラのプラリネはデザインが独特!

こちらはプラネットショコラのプラリネ。
はちみつのガナッシュとミント、あとどこかのお城…?が描かれたものを買ってみました。

ミントを食べましたが、やっぱりプラネットショコラはベースのチョコレートの香りが圧倒的なので、ガナッシュは本当に風味づけだけという感じがしました。
チョコが美味しいのでそれはそれでいいのですが!

カカオが主役のチョコと言う意味では、コルネよりもさらにカカオが主役です。
プラリネではありますが、フレーバー付きの板チョコが好きな人は好物な味なのでは?と思いました。
まぁ、つまり私なのですが。(笑)

甘いチョコやミルクチョコレートがお好きな方は、外側がホワイトチョコのプラリネや中にキャラメルやマジパンが入っているような甘めのプラリネを買うのがいいかもしれません!


あと、プラネットショコラのプラリネのデザインが、ベルギーチョコレートの中でも結構独特なんですよね。
(公式サイトでも、個性の光るデザインを見ることができます)

こちらのデザインはブリュッセルにアール・デコ様式で建てられた建築物も多いことから、ブリュッセルの伝統を表すためにこのデザインになっているのだとか。
ブリュッセルではアール・ヌーヴォー様式の建物をよく見ていたので、アール・デコ様式もあったんだな……となりました。(笑)
アール・ヌーヴォーも好きですがアール・デコのデザインも同じくらい好きなので、もっとちゃんと街を見ておけばよかったな。

ちなみにプラネットショコラのギフトボックスもアール・デコデザインの物が多くておしゃれなので、ご興味のある方はぜひ!!


ELiSABETH(エリザベス)

続いてはエリザベスです。
こちらもベルギーでは有名なお店の一つで、1番の特徴はオーナーさんがベルギー中から選んだパティシエやショコラティエの商品を扱う、セレクトショップ的なお店であるということ。

そのためチョコレートのほかにも、パウンドケーキ(パン・デピス)や焼き菓子などいろいろなお菓子が売られていました。
少し前にパリにもお店ができたそうですよ!

ブリュッセルの中心部にも何店舗かあります。
お菓子屋さんにしては遅い時間までやっている店舗もあるので、お土産調達などにも重宝しそう
チョコレートのほかにも焼き菓子が。
左の奥には「メロケーキ」というマシュマロのお菓子も
こちらもショーウィンドーはイースター仕様!
イースターはパステルカラーの色味で装飾されていることが多いですね
私はブレずにチョコだけを買いました。(笑)
こういう細身のプラリネをベルギーチョコのお店ではあまり見かけなかったかも。
(手前にあるような正方形&丸い形がベルギーチョコには多め)

私が買ったのはこちらのプラリネたち。
エリザベスではFrederic Blondeel(フレデリック・ブロンディール)さんという方のチョコレートが扱われているようです。

こちらのショコラティエさんのチョコレートや焼き菓子は、日本でもバレンタインシーズンに販売が行われています。
フレデリック・ブロンディールさんもカカオにこだわりのあるショコラティエさんということもあり、日本で扱われているものはカカオの味を楽しむものや味も比較的ベーシックなものが多いようです。
でも、ブリュッセルではたくさんの種類が売られていました。

私が選んだのは、トンカ、ストロベリープラリネ、コニャック、カルダモン、タイム(かローズマリー)、バジル、ジャスミンあたりだったはず……。

ハーブとかスパイスとか、あまり見かけないフレーバーのガナッシュのボンボンショコラがたくさんあったので、そちらを中心に選んでみました。

一番食べて驚きだったのがバジルで、これが意外にも合うんですよ!!
多分バジルが油分のある食べ物と相性のいいハーブなのでしょうね。
ミントほどではないけれど、バジル独特のグリーンな感じで口の中をすっきりさせてくれる不思議な体験ができました。

カルダモンは自分でマサラチャイを作るときに「追いカルダモン」するくらい好きなスパイスなので、こちらも出会えて嬉しかったです。
カルダモンもカレーなどにも使われるしっかりとした香りのスパイスなので、濃い味や油分のあるチョコレートとの相性が良いです。
でも意外と出会ったことのない組み合わせだったので、食べることができて良かったです。
(もちろん個性的ではあるので、どちらも好みが出そうではありますが……)

お店のインスタに載せられているチョコがとにかく美味しそうで、今度買うときはカカオを味わえるチョコレートも買ってみたいと思いました。
またブリュッセルへ行く機会があったら、フレデリック・ブロンディールさんの個人のお店もブリュッセル郊外にあるので、そこに行ってみるものいいかも。
フレデリックさんこだわりのアイスクリームも売ってるらしいんですよね……チョコアイスが絶対美味しいと思うんですよ。行きたいなぁ……。

Maison Dandoy(メゾン・ダンドワ)

最後におまけで紹介するのはメゾン・ダンドワ。
こちらはチョコレート屋さんではないのですが、美味しかったので。
メゾン・ダンドワはブリュッセルで1829年に創業したベルギー最古の焼き菓子店です。

観光客の一番人気はお店で焼いたベルギーワッフル。
ブリュッセルにあるいくつかのお店で販売されています。
日本には以前、東京に1店舗だけお店があったようなのですが、残念ながら閉店しています。

リュックを背負っている人から左に長蛇の列ができている。
お目当てはもちろん、ベルギーワッフル!

焼き立てのベルギーワッフルが食べられるダンドワは、どこもとにかく並んでいたので、今回はワッフルの取り扱いがないダンドワでクッキーを買ってきました。

私が行ったのは、グランプラスすぐそばのメゾン・ダンドワ。
クッキーのみを買うなら空いているし、穴場!
お店だと色々組み合わせて量り売りしてくれます。
(ダンドワの取り扱いはブリュッセル空港の免税店にもありましたが、
ほとんど単一クッキーの袋売りorセットだけだった気がします)

クッキーも10種類以上あって、それを指さしながら2,3枚ずつ選んで買ってみました。ザクザク系だったりホロホロ系だったりいろいろな食感のクッキーがあって、どれも美味しい!!
老舗で間違いない味なのですが、どことなく手作り感があってホッとします。これをおともに飲むコーヒーや紅茶が最高でした。

個人的に1番好きだったのは、写真左上の「手作りアルフォート」みたいなクッキー。(笑)
これは裏面がシナモンのきいたスペキュロスで、表面にチョコレートがくっついているのです。
しかもこのチョコレート、チョコ散歩①で紹介した「Laurent Gerbaud(ローラン・ジェルボー)」のチョコレート!!

美味しいチョコレート屋さんのチョコと、美味しい焼き菓子屋さんのスペキュロスを合体させたら、美味しいに決まってるじゃん!!!って思いません? 実際、美味しかったです。

あと2,3枚買っておけばよかったと後悔しました……
マクビティビスケットとかアルフォートなど、チョコがけのクッキーがお好きな方はぜひチェックしてみてください!!
スペキュロス独特のスパイスの風味が苦手じゃなければ、絶対楽しめると思う!

最後に

結局3本の記事の中で(チョコがメインじゃないお店も含め)13店舗紹介することになりました。

今回ブリュッセルで買ってきたショコラ一覧

買ったチョコと自分の回ったお店を見返しながら「良くやるなぁこの人…」と思いました。(笑)

買ったチョコレートはプラリネとタブレットを合わせ、さらにその場で食べたゴディバのストロベリーディップなどを含めると、除夜の鐘くらいの数になりました……。

誰へのお土産でもなく、夫とわけっこしながら食べる予定しかないので、完全に個人用なのですが……「仕入れか!」と我がことながらツッコミを入れずにはいられませんでした。

ホテルでこの紙袋を見たとき「あ、やばい入らないかも……」と思った

ヨーロッパの飛行機に持ち込めるコンパクトなサイズのスーツケースで行ったんですが、(空港で買ったものを除き)余裕で詰めて帰ってこれました。
スーパーでベルギーワッフルの詰め合わせみたいなのも買ったので、流石にまずいか…?と思いながらパッキングしていたのですが、なんとかなりました。
お土産用のような立派なボックス入りのチョコレートをほとんど買わなかったのも功を奏したのかもしれません。

あと、こうなることを想定して、着替えなどをできるだけ少なくしスーツケースを半分空にして挑んでいたのです!
とはいえ買い過ぎなのは認めますが、完全に作戦通りです!!

現地ではほとんどチョコ以外のものを食べていました。
ブリュッセルはシーフードとビールが美味しい

あらためて、ベルギーチョコを巡る旅、楽しかったなぁ……。

以前フランス・リヨンでも似たようなことをやったのですが、こういう食べ物ツアーをするのが大好きなのかも……と今さらながら気づきました。(遅い)

「小さい頃、どんなにあやしても泣き止まないのにおにぎりを食べさせると泣き止んだ」という話を母から伝えられているくらい、魂レベルで食いしん坊なのは自覚しているのですが、もしかしたらこれ、個性としてなにかに活かせるかもしれない……。(笑)

そんな予感を覚えつつ、当面は奔放な食いしん坊として生きていきます。
この記事を書いていて、ケルンやウィーンで行ったチョコレート屋さんを記事にしてなかったなと思い出したのですよね……。ははは。

また思い立ったらこんな感じでまとめるかもしれません。

とにもかくにも、ベルギー・ブリュッセルチョコレート散歩はこれで完結です!
全部読んでくださった方、1、2本だけ読んでくださった方、ここまでお読みいただきありがとうございました!



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