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496.返済をするのをやめた、ある女性のお話【前編】

coucouさんのお仕事論⑰

1.自己破産を勧める「経営コンサルタント」


coucouさんの友人(63歳)に自己破産を勧める経営コンサルタントがいる。
彼はもともと大手税理士事務所で会計事務員として働き、定年後に行政書士の資格を取って独立した。

彼は長年、疑問を持ち続けていたことがあった。

それは、商売をしている社長さんの助けになるような内容、現場での問題点への具体的なアドバイスをしたかったそうだ。

567に大不況、円安に物価高、材料高騰、売り上げ不振、そして、返済に苦るしみ、会社経営をしている社長さんたちの苦悶の表情を見ながら考えたことがあった…。

それは、みんな同じだけれど、借入金返済で苦しむ中小企業さの社長さんたちの悩みだった…。
 
彼からの話を忠実にまとめてみたので読んでくださいね。

©NPО japan copyright association Hiroaki


 
会社を設立して一番最初に必要になることは「借入金」です。
仕事がうまくいかなくとも借入金は必要になりますが、仕事が順調に拡大されても必ず借入金が必要になることです。
私の知る限りで無借金経営をしている社長さんはほんのわずかにすぎませんでした。
我が日本国は借金大国と呼ばれるくらい、小さな会社であっても必ず借入金を必要とします。
借入金がなければ仕入れ資金や、設備資金、ボーナス資金やつなぎ資金をその都度準備するには難しいものです。特に生産効率を上げて利益率を高くするための設備投資などには必要不可欠なものです。

しかし、現実は借入金もままならず、会社が赤字となれば融資基準の審査に通らなくなります。そのために、市や都の融資斡旋を受けたり、複数の銀行や保険会社、国民政策銀行などから借り入れを続けます。

それでも足りない場合は民間の手形割引、カードローン会社から調達して資金繰りをしています。
また、融資を受ける場合は、必ず「連帯保証人」を要求されます。「無担保・無保証融資」といったうたい文句はあっても、実際は担保、保証人なしで借り入れできるところなどありません。
無担保、無保証であっても必ず第三者の保証人を差し出さねばなりません。「信用保証協会」というものもありますが、そこに保証をお願いすれば、その機関から連帯保証人を要求されてしまいます。

ですから、社長さんの悩み、苦しみには「倒産した場合の恐怖心」が強くなります。つまり、倒産した場合、自分だけの問題ではなく、第三者の連帯保証人に迷惑をかけてしまうという恐怖心が起ります。

また、第三者の友人や知人の連帯保証でなくとも、会社に対して「社長個人の連帯保証」を差し出しているからです。
(その恐怖心が借金から借金へと膨らませてしまいます。まるで利息を支払うための借金の繰り返しです)
 
海外にはない我が国特有の「連帯保証人制度」が社長さんたちを悩ませ、苦しませているもののひとつです。
また、海外では事業に失敗しても「敗者復活制度」というものがありますが、我が国にはそのような復活制度がありません。


そのため、社長さんたちは会社が倒産したときのための生命保険、相手先が倒産した場合の倒産防止保険などに加入をします。
しかし、自分の会社が倒産した場合の倒産保険などはなく、あくまでも生命保険であり、命を保証として支払う保険です。

©NPО japan copyright association Hiroaki


 
私は、何十年と行政書士と会計事務をしてきた関係で、その借入金に関してのアドバイスを専門として活動しています。
そのアドバイスは独自の考え方三つを中心としています。

「連帯保証人」に対する支援として「求償権」という制度の活用と、「自己破産のすすめ」、そして「敗者復活の方法」です。


「求償権」というものは、連帯保証人の持つ唯一の抗弁権で、連帯保証人を外すためのお願いをする権利です。
連帯保証人というのは家族や友人、取引先などの第三者が引受けする保証制度ですが、一度連帯保証人になった場合、無期限に近い保証期間となってしまいます。

本来は、連帯保証人を受ける側も、お願いする側も、互いに「保証期間年数」を定めておけば良いのですが、実際にはほとんどが日数を定めておりません。
そのため、社長さんが急逝した場合、長期に病気で入院した場合、会社が倒産した場合、突然貸主から請求を受けます。


請求を受けた連帯保証人は何の権限もなく強制的に支払わねばなりません。連帯保証人になる人たちは好意で受けたにも拘わらず、何の利益もなく、特典もなく、ただリスク(金銭被害)を受けるだけの弱い存在といえます。

また、法的には借入金をする場合の連帯保証人制度は「強制」ではないといいつつ、実際は「強制的」に近いもので、保証なくして融資は行われません。


そのため唯一、連帯保証人の権利が「求償権」なのです。
それは、融資内容、返済内容、会社の決算内容、銀行取引状況、その他の情報を知る権利で、融資先はそれに対して答える義務があります。また、連帯保証人の変更、期間等の制限などの要求もできます。
残念ながら、知っていても説明しない融資先、このことを知らない社長さん、多くの連帯保証人さんたちがいます。このようなことを知っているだけでも社長さんの悩みが軽減されるはずです。

©NPО japan copyright association Hiroaki

 二つ目は「自己破産」です。「自己破産」というと、何か〈恥ずべき行為〉〈逃げる行為(卑怯)〉〈終わり〉といった捉え方をしている人が多いですが、「自己破産」は形を変えた〈敗者復活制度〉なのです。

お金を借りるという行為は、なぜか貸す側が偉くて、借りる側が下のようなイメージがあります。
それは、借りる側が頭を下げてお願いするからかもしれません。
しかし、貸す側は金利という「利息」をビジネスとして頂いているわけですから、その支払う側は利息を支払っている以上、お客様になります。
ビジネス関係でいえばフィフティ=フィフティの関係です。

つまり、お金を貸すことで「儲け」があるわけですから、本来はそのお金を支払う人の方が上のはずなのですが、現実は下の位置にいるようです。

また、お金を貸す以上、商取引としてリスクは当然計算した上で融資を行う訳ですから、銀行借り入れであっても、商売の仕入れと何ら変わりのないものです。つまり、「借りる側」にも責任はありますが、「貸す側」にも責任があるわけです。
「借りる側」は何らかの事情によって倒産した場合、「貸した側」にも責任があるということです。
そのリスクは「金利」「儲け」で補っているわけです。

 私は、社長が病気、死亡、事故、取引先の倒産、売り上げ減少、天災等、何が起こるかわからない不透明な時代に無理を重ね、無理を続け、倒産し、家族や多くの人たちに多大なる迷惑をかけてしまう恐れがある場合、または実際に倒産した場合、この「自己破産」をすすめます。
体力、気力を温存して早く社会復帰するための、我が国の「敗者復活制度」なのですから。

©NPО japan copyright association 

coucouさんです~
みなさん、ごきげんよう~

 
少し長い話になりましたが、いかが?

今回はね、この大不況に喘いでいる事業者さんの現状を踏まえたもので、ほとんどの人が返済で苦しんでいる。会社員だっておんなじ。会社を辞めざるえなかった人たち。会社や事業をやめても返済が残り苦しみ続けている人たちがいる。
そのほとんどが経済苦、ローンの返済に追われている人たち。
せめて、この彼の言葉がお役に立てばと思い、了承を得て全文を掲載したんだ。



2.返済をするのをやめた、ある女性のお話【前編】


coucouさんは思う~
どうして、全国のこども食堂には子どもたちが溢れているの?
食べ物が足りない~

ねえ、おかしくない?

coucouさんもね、子ども食堂さんたちに支援している、だけどその程度では追いつかないんだ。さらに子どもたちが増え続けている。
不況って、この世界にまで波及しているんだね。

数日前に、この子ども食堂を利用しているおかあさんたちと会を開いて意見交換会をした。coucouさんはね、いつもの進行役でブレーンストーミングを行った。

参加者のおかあさん、おとうさんたちのお話は、ほとんどが苦しい、明日がわからない、どうしたらいいのか…
死んでしまいたい…
中には泣き出す人もいた。

うわ~暗い~

そして、理由をそれぞれ話してもらったら、ほとんどの人が返済を抱えている苦しみだった。住宅ローンはもちろん、収入減、倒産、解雇、縮小によって生活費を切り詰めている。
そのしわ寄せが子どもたちの食費やおやつまでに及んでいた。
そして、子ども食堂の人たちに感謝し続けていた。

でもね、coucouさんはね、不思議に感じたんだ~

それはね、ちゃんと「返済をしていること」なんだ。
もちろん、返済ができなくて催促に追われている人もいる。
そして、その返済のために借り入れを繰り返し続けていること。

まさに、ローン地獄…。

でも、そんなことは当たり前なんだよね。
知らないって人たちは、そのことの現実を理解していないだけなんだから。

これでは、会社経営も自営業者も、個人もみんなおんなじだよね。現実は借金のない人のほうが少ないかもね。

そこで、coucouさんは質問した。

「どうして、借金を返すのですか?どうして返さなければいけないのですか?」
みんなが顔を上げた…。
「……」

もちろん、答えられる人なんていないよね。
「coucouさんが言いたいことはね、その返済の一部のお金があれば、子どもたちにちゃんと食事やお菓子を与えることができるよね。じゃあね、もし、今借金がなかったらどうなの?」

「……、もちろん借金がなければ楽だけれど、なくなるなんて不可能だわ…」

そうだね。これも当たり前の話だよね。

「では、子どもさんたちの命と返済とどちらが大切なの?」

これも、ごく当たり前の話。
命の方が大切に決まっているはずだよね。

「ならば、どうして子どもたちの命を優先することができないの?」

「…借金があるから、返済は待ってくれないのですもの…」

そう、堂々巡りのまま数時間過ぎた…。

すると、まだ30歳代の女性が次の発言をした…。

「coucouさん、こんな話をしていても無駄だと思うの。それは何にも解決できないことだし、私は中学生の子供がいて、旦那は別れていない。私はアルバイトやパートの掛け持ちでやっと生きているのよ…。解決方法なんてないわ。でもね、もし、返済がなければとても生活が楽になることは間違いないわ、でも無理よね…」

〈返済がなければとても生活が楽になることは間違いないわ〉

そう、これが答えだよね。
「もし、返済がなくなる方法があればどう?」
「もちろん、そんな方法があるのならありがたいわ~」

そこで、「1.自己破産を勧める経営コンサルタント」のcoucouさん友人の行政書士さんのお話をしたんだ。

でもね、もちろん、すべて否定された…。

その理由はね、
「恥…」
「恥ずかしい…」
「みつともない…」
「犯罪者みもたい…」
「街を歩けない…」
「人さまに顔を向けることができなくなる…」
「家族や親戚に何をいわれるかわからない…」
「選挙権がなくなる、海外に行けない…」
「仕事に差し支える…」
「何よりも負い目となる…」
「子どもたちがかわいそう…」
「烙印を押される…」
「人として…」
「生きていけない…」
「引っ越しを考えなければ…」
「嫌われる…」
「世間から嫌な目を向けられる…」
……その他、等~

一斉に声が出た…。

あれ~

これって、ブレーンストーミングなんだけど…

いつの間にか、coucouさんが全否定されてしまったんだ~

ああ、どうしょう?

coucouさん苦境~

次回、「返済をするのをやめた、ある女性のお話【後編】につづく~

  ©NPО japan copyright association 

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Character design©NPО japan copyright association Hikaru







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