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日々思い出す、亡くなった人たちのこと

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不意に訪れる、亡くなった人たちとの記憶について書いたnote
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数十年振りに「心的外傷と回復」を開く

数十年振りに「心的外傷と回復」を開く

「グリーフケア・サポートだけでは足りないのかもしれない」数日前にNPOで一緒に活動している人とそんな話をした。それはトラウマについて。

トラウマについて最初に手に取った本をひっぱりだしてきた。10数年前、Twitterで知り合いになった自死遺族の方に、トラウマ問題のバイブル的存在であると教えてもらって購入したジュディス・L・ハーマン「心的外傷と回復」。メールを遡ってみたら2011年に購入していた

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もし、あのときすぐにアクセスしていたらログインできていたかもしれないけれど、しなくて良かったと思う

もし、あのときすぐにアクセスしていたらログインできていたかもしれないけれど、しなくて良かったと思う

部屋を片付けていたら、フィルムを現像してきたときのCD-ROMが出てきた。読み込んでみたら、2017年8月4日に作成された画像で、撮影日が多分2010年〜2017年ぐらいの写真だった。

現像されたファイルの最初の写真。全くどこだかわからない。

赤坂サカスで時計じかけのオレンジの舞台が行われていたのは2011年のようで、この舞台を見に行った記憶はないからただ撮影しただけっぽい。

ってかなんでお

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見るだけで涙が出ていたスカイツリーがなんかもう大丈夫だと思う

見るだけで涙が出ていたスカイツリーがなんかもう大丈夫だと思う

先日、母とスカイツリーへ行った。

人混みを嫌がる母を半ば強引に誘い、目的はアンナミラーズのポップアップショップでチェリーパイを買うこと。

最初は渋々だった母もお店を色々回っていたら楽しくなったようで、欲しいバッグを見つけてきて楽しんでくれていた。

帰ってきて数日後に、そういえばスカイツリーを見ても兄のことを全く思い出さなかったことに気がついた。兄が住んでいたところからスカイツリーがよく見えて

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液晶が壊れたMacBook Proを修理しないとなると使い道はどうする

液晶が壊れたMacBook Proを修理しないとなると使い道はどうする

修理に出した結果、液晶ディスプレイの故障だった。見積もり額が高額だったから修理はしないことにした。修理に出す前に外付けモニターに繋いだけれど全く反応しなかったのになぁ。

戻ってきたらさてどうしよう。メインに使っている以外に、先日2020年のMacBook Airもらってしまったから使い道がない。でも、Appleに回収も捨てたくもない。このMacは兄が亡くなった年、兄が亡くなって入ってきたお金で買

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それとこれとは関係ない

それとこれとは関係ない

ふと、兄のAmazonアカウントにログインをした。兄が亡くなってから、履歴を残しておくために定期的に行っている。

購入履歴を見る。最後の日付をカレンダーで確認をする。私が兄と母に切れ散らかした前日。涙が出る。やっぱり兄が亡くなった原因は自分なのかと。その次の日、兄は水道局とガスと東京電力に立て続けに電話をしている。何故。わからない。でもわかってる。兄は自分が亡くなったあとに私が困らないようできる

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音楽が聴きたい

音楽が聴きたい

昨晩遅くに突然思った。

目を閉じ、耳を澄まし、真っ暗闇で音楽を聴く時間が時々必要になる。

以前から気になっていたハイレゾ音源を購入してみるもなんかしっくりこない。良い音だし良い曲なのだけれど今求めているものと何か違ったのだけれど、Lemonが流れ始めたとき、体が音に溶けこみ目を閉じた。

夜に突然音楽を聴きたくなるのは、濁流に飲み込まれつつある情動をフラットにしたい衝動の現れなような気がする。

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父の死から30年、父と同い年になった

父の死から30年、父と同い年になった

46歳になった。

ここ数年、自分が何歳になったのかあやふやなときが何度もあって1,2歳間違えていた。今年は改めてちゃんと計算したら46歳。そのときふと、そういえば父が亡くなったのは46歳だったようなと思い出す。計算したら46歳で、もう30年経つのねと母の言葉で月日を認識した。

身構えていた節目が2つあった。1つ目は、亡くなってから16年経ったとき。父と一緒に過ごした月日よりもいない月日が長くな

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母の憂鬱

今日何度目かのリビングへ訪れた際に、母が突然憂鬱だと言った。いつからか聞いたら随分前からだそうだ。今日も昨日も普通に喋っていたはずなのに一体どうしたのだろうかと思ったけど、憂鬱ってなんの前触れもなく来るもんだ。兄の命日が近いからではないかと思ったけれど、もしそうだとしたらさらに落ち込むような気がして何も言わなかった。

それに引き換え、私には命日反応と言われるものがいつの頃からか全くなくなった。あ

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拭えない自責からの復活

自責の思いがときどき重くのしかかる。いつもそれは突然やってくるから、すべてストップし、かれこれ2時間ほど経過しようやく復帰。

30年近くの間、自責、後悔、辛さ、悲しさ、寂しさ、孤独、孤立、虚無感、不眠、そんなようなものにどれぐらいの時間を費やしていたのだろうかと考えただけでもぞっとする。でも、ぞっとするなんて他人事のように言えるぐらいの復活感。数時間前まであんなに辛かったのにいまでは同じことを思

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お墓参りで飲んだマウンテンデュー、新たな1年の始まり

お墓参りで飲んだマウンテンデュー、新たな1年の始まり

自動販売機で久しぶりにマウンテンデューを見かけた。缶ジュースは何かと面倒になるから外ではあまり買わないのだけれど、ここ最近ずっと聴いている三浦透子の「私は貴方」で唐突にマウンテンデューが出てくるもんだからずっと飲みたかったんだ。

小さい頃大好きで飲んでいた飲み物で、大人になってほとんど見かけなくなったからもうなくなっていたと思っていたから、20代の女性がよく昔の飲み物を知っているなぁとビックリし

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記憶の衰えと永続性、忘れることは生きることとCoccoは言ったけど忘れたくもない

記憶の衰えと永続性、忘れることは生きることとCoccoは言ったけど忘れたくもない

仕事から帰ってきたらなんだか目が痛いし物凄く眠たい。モニターを直視していたわけでもないのになぜだろうかと思ったら、花粉が飛び始めているというニュースを見てそれかとついさっきまで思ってた。

そういえば昨日、兄のデータを移したiPhoneで動画を見た後になんとなくメールとかLINEとかアドレス帳を見ていたらいろいろ思い出して大泣きしたのを思い出した。もしかしてそれで今日は目が痛いのかもしれないけれど

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Lemon

声とメロディが心地が良く、ところどころの歌詞が脳裏に刻まれるこの歌をを最近何度も聞いてたあるとき、いつもと異なる歌詞のところが鮮明に聞こえてきた瞬間に涙が出た。なんだろうこの感覚。身近な人の死を歌っていると知っていたし、数々の言葉にも共感もしていた。何が変わったのだろうか。

使い道のない兄のiPhone、これからもAppleを使っていく理由

使い道のない兄のiPhone、これからもAppleを使っていく理由

兄のiPhone 6sから母のApple Watchの紐付けを解除し、以前使っていた私のiPhone Xを兄6sのデータを復元し、母Watchを紐付けした。

当初は、私の12 Proに母Watchをファミリーメンバーとして登録し直したいと考えてAppleサポートへ相談をしたら異なるApple IDへのデータ移行は不可とのこと。データ消去の上、新しいWatchとしてペアリングが必要だそうだ。ファミ

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兄のiPhoneの使い道がなくなってしまったけど思わぬところでまた発見

兄のiPhoneの使い道がなくなってしまったけど思わぬところでまた発見

とうとうこの日が来てしまった。最新バージョンのiOSに兄のiPhone 6sが対応していなく、必然的に母のApple Watchのアップデートができない。母のApple Watchをアップデートするには私のiPhoneに同期するしか方法がない。

いつか来るとは思っていたけれどいざ来てしまうと残念で仕方がない。ただ、数日前の兄の遺品を開いてみたときと同様に大発見。

随分前に兄のAmazonアカウ

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