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#小説家
【400字小説】あなたとキツネの隙間から
覗いてたのは意味なんてなかったからで
剛毛のあなたには抱き締められないさ。
影響受けやすい感受性。
甘いもので虫歯になる可能性。
水溶液は水曜に溶けやすいって知ってた。
あと18分しかないから死んだも同然だ。
間に合わなかった、行っちゃったね、イキかけたね。
センター前タイムリー忘れないのは大谷翔平の方だ。
NBA観に渡米。
徴兵は勘弁してくださいな。
もう50歳かと思ったらまだ48歳でした、ね。
【400字小説】五輪
長野五輪、他人事で済ませていた
ヨシイは、長野県民なのに。
1998年、開催年だけは言える。
でも、誰が活躍したのかは
リアルタイムでは知らなかった。
あまのじゃくでテレビも持っていなかった、
当時、一人暮らし。
NHKの受信料を徴収されるのを拒んでいた。
実際、テレビ見てなかったんだもの。
それで徴収に来るおじさんと
喧嘩になることがあって、
仕方なく彼女のキヨミヤが間に入って、
白黒テレビ
【400字小説】夕方
大学のジャズ研究部に入ってからというもの、
スピリチュアル・ジャズにハマってしまった。
そんなヤナギダはサックスを50万円で買った、
2年生の夏に、バイトでコツコツとお金を貯めて。
なかなかのイケメンだったが、
恋人ができなかったのは当然だろう。
暇さえあれば音楽のサブスクリプションを
聴いていたからだ。
ところが気まぐれで友人と
夏に海に行った際、逆ナンされて、
まんまと恋に落ちて、夜の営み
【400字小説】撮影
カズキはポーズが多彩。
素人の友だちはもちろん、
モデル仲間からも一目置かれている。
所謂《ジョジョ立ち》をして
カメラに収まっても全く違和感がない、
それでいてオリジナリティ。
まるで東京スカパラダイスオーケストラの
個々のパフォーマンスみたいな感じ。
出る時は出る、引く時は引いて、
前面に出たメンバーをひき立てる、そんな。
しかし、実力は運を味方にするのもそれで、
カズキは売れないモデル。
【400字小説】合理主義
チナツは無駄な時間を作りたくないって、
毎朝、その日のスケジュールを分刻みで立てて、
その通り過ごすのがお気に入り。
四つ打ちのテクノにハマっている。
リズムが安定しているから好き。
学生だった時代に週末となればクラブで踊り明かしていた、
あの頃はなんて無駄に時間を費やしていたんだと、
当時の快楽さも忘れて。
ドラッグに手を出したこともあった。
それで捕まったこともあった、軽犯罪者。
だなんて