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2020年5月の記事一覧
商標法 判例 真正品の並行輸入(フレッドペリー) 平成14(受)1100
真正商品の並行輸入に関する最高裁判例として有名?な「フレッドペリー事件」です。真正品の並行輸入が違法性を欠く(違法ではない)ための3個の基準(要件)が示されています。
第1の要件は並行輸入される商品が新製品であること、
第2の要件は国内外の権利者が実質的に同一であること、
第3の要件は品質が実質的に同一であること、
です。
フレッドペリー事件では、商標権者から使用権を獲得したシンガポー
弁理士試験 短答合格基準(39点以上)
既に試験には合格しているのですが、今年の試験がどうなっているのかが気になったので確認してみました。
最近の短答式の合格基準は、(i)満点に対して65%の得点(39点)が基準であること、及び、(ii)論文式試験等を行うことができる人数であること、は以前と同じですが、(iii)科目別の合格基準を下回る科目がないこと、という基準が増えていました。
これは、私のような「論文式試験、口述試験に出ない
特許法34条 特許を受ける権利の承継
特許を受ける権利は移転することができる(33条1項)。特許を受ける権利の出願前の承継は、出願が第三者対抗要件である(34条1項)
特許を受ける権利の二重譲渡が有った場合、後に特許出願した者は無権利者であるため冒認出願(49条7号)となり、拒絶される。ただし、会社と従業員が、職務発明(35条)を予約承継させる契約を結んでいた場合、特許を受ける権利は、発明の完成時点から会社に帰属します(35条3
特許法32条 特許を受けることができない発明
特許法32条は、実務上は殆ど接することのない拒絶理由と思います。
公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生(公序良俗等)を害する発明に特許を与えると、公序良俗等を効果的に害することになります。特許法32条は、このような発明は特許しないことにして、日本の公序良俗が損なわれるのを防止することとしています。
したがって、公序良俗等を害するおそれがある発明は、公益の観点から、特許を受けることができません
特許法30条 発明の新規性の喪失の例外
この新規性喪失例外の規定は、実務上、都市伝説と考えてください。このため、新規性喪失例外の規定を使わず、特許出願等を行うことを推奨します。繰り返しますが、実務では「可能な限り使用しない」ようにしてください。
条文解説を以下に記載しますが、基本的に試験対策と考えてください。
1.趣旨
新規性がない発明(29条1項)は、原則として、特許を受けることができなません。
しかし、自らの発明の公開後
不正競争防止法2条1項21号 営業誹謗行為
コロナの影響でお客さんが少なくなった飲食店(加害者)が、他の飲食店(被害者)の営業を妨害するために、虚偽の情報を流した例があったそうです(事実関係未確認)。
このケースでは、加害者と被害者は、わりと近くで営業していたようです。このため、被害者のお客さんが少なくなれば、加害者のお客さんが増えると思ったのかもしれません。このようなケースが、不正競争防止法2条1項21号で規定される営業誹謗行為(信用
特許法29条の2 拡大先願
1.概要
日本では、同一の発明について複数の出願がなされた場合、最先の出願だけが特許を受けることができる先願主義を採用しています(39条)。この39条の規定は特許請求の範囲のみを対象としています。このため、最先の出願の明細書等に記載された発明(特許請求の範囲には記載がない)に関しては、39条の規定は及びません。
また、新規性(29条)の規定について考えると、最先の出願の出願公開等の後には、
特許法37条 発明の単一性
●定義、趣旨
発明の単一性(37条)とは、二以上の発明について一の願書で出願することができる範囲をいう。
相互に技術的に関連した発明を一の願書で出願できれば、
(i)出願人にとっての出願手続の簡素化及び合理化、
(ii)第三者にとっての特許情報の利用や権利の取引の容易化、
(iii)特許庁にとっての審査の効率化を図ることができる。
こうした観点から、従来は一出願に複数発明を包含すること
特許法29条2項 進歩性
1.条文解説 新規性(29条1項)は特許法で必須の概念ですが、進歩性(29条2項)は政策上決められるものです。日本では、当業者が容易に発明できたものに特許権を付与すると技術進歩に役立たないだけでなく、かえって技術進歩の妨げになるため、進歩性(29条2項)を特許要件として規定しています。
進歩性(29条2項)は、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(当業者) が、先行技術に基づい
特許法36条の2 外国語書面出願
●趣旨
従来の特許出願は、日本語で作成した願書、及び、明細書等を提出することが必要でした。
ここで、従来の特許法においては、(i)パリ優先権が主張できる一年の期間が切れる直前に特許出願をせざるを得ない場合には、短期間に翻訳文を作成する必要が生じることに加え、(ii)願書に最初に添付した明細書又は図面(つまり、外国語を日本語に翻訳した出願当初の明細書又は図面)に記載されていない事項を出願後に補正
特許法29条1項 新規性
1.条文解説
特許法29条1項には、新規性がない発明は、特許を受けることができないことが規定されています。具体的には、特許出願前に、公然知られた発明、公然実施された発明、刊行物に記載された発明、については特許を受けることができません。特許法は、新規発明公開の代償に特許権を付与しますので、新規性は特許法には必須の概念です。
・公然知られ(29条1項1号)
公然とは、秘密を脱した状態をいい、秘
特許法29条1項柱書 特許を受ける権利、産業上利用性
一般的には、特許要件とは、29条、29条の2、32条、39条です。37条の単一性、38条の共同出願の規定は、単に出願可能か否かを規定しています。
●定義
特許を受ける権利とは、国家に対し特許権の付与を請求し得る譲渡性のある財産権をいう。
(1)特許を受ける権利は、原始的に発明者に帰属する(29条1項柱書)
(2)移転可能(33条1項)であり、質権の目的にはできないが(33条2項)、譲渡担
特許法14条 複数当事者の相互代表
共同出願した「後」の手続きは、基本的には、共同出願人の1人で可能です。
特許法14条では、1人では出来ない手続き、つまり、全員でしなければならない手続きを規定しています。全員でしなければならない手続きを「不利益行為」と言ったりします。この不利益行為に関しては、代表者を定めた場合でも全員で行うことが必要です。
いわゆる不利益行為とは以下の6項目です。
(1)特許出願の変更、放棄及び取下げ