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素敵な言葉

どうも西尾です。

今日は6月12日は「恋人の日」、「アンネの日記の日」、「晩餐館焼肉のたれの日」だそうです。

今日の大阪は晴時々曇・最高気温30℃の予報(Yahoo!天気より)で、今日も暑い一日となりそうです。

熱中症にならないように無理せずに過ごしていきたいですね。


素敵な言葉

今、読み進めている本がある。

未だ半分ほどしか読めていないのだが、その本の文章の中に素敵な言葉があった。

「見えないものを見る努力」

植物学者の著者が若き日に外国へ留学した際に、恩師となる人物から言われた言葉だそうだ。

読んでいると、何だか自分に言われているかのような気がした。

著者はせっかく外国まで留学に来たのだから最新の論文を読んだり、著名な先生の講義を受けたいと思っているも、来る日も来る日も屋外で植物観察ばかりさせられる。

留学にやって来て1ヶ月ほどが経ち、著者は我慢が出来なくなり恩師となる人物に、せっかく来たのだから最新の論文を読んだり、〇〇大学の著名な先生の講義を受けて見識を広めてみたい、と伝える。

すると、恩師となる人物は、その論文は誰かが書いたものの模倣かもしれないし、著名な先生であっても喋っている内容は誰かの発言の聞き伝えかもしれない、お前は先に現場へ出て、自分の身体を計測機にしてもっと地球の声を感じ取ることが大事だ、と著者に言った。

著者はその恩師の言葉を肝に銘じて研究を続けてきた。

さらに本質を突いていることも書かれていたのでこちらは引用する。

現代の人間には、二つのタイプがある。見えるものしか見ようとしないタイプが半分。この人たちは計量化できる要因をコンピューターにインプットして、そのインプットした資料の中でいろんな判断をしていく。経済効果を一時的に求めたり、一面的な対応には非常に効率がよく、モダンに見えるかもしれない。しかし案外長持ちしないぞ。もう一つのタイプは、見えないものを見ようと努力するタイプだ。実は現代の科学技術で計量化でき、見通せるものはまだまだ少ない。むしろ我々はコンピューターにインプットできない見えないものを見る努力こそするべきだ。それが生物の、そして人類の残された英知ではないか。

宮脇 昭・板橋興宗『鎮守の森』

「見えないものを見る努力」

素敵な言葉だと思う。

最新の科学技術やAI(人工知能)技術が発達してきて、世の中はどうなるのだろうか。

AIが発達してくると、人の職業の多くがAIにとってかわるなど耳にする。

嘘か本当なのかは分からないが、あながち間違いでも無いかもしれない。

全部が全部でなくとも、少なからずは影響を受けるのだろう。

では、AIに「見えないものを見る努力」は可能なのか?

「見えないものを見る努力」が一体何を指しているのかにもよるかもしれないが。

私はAIのことをよく分からないから何とも言えない。

ただ、想像的(創造的)なことはやはり人では無いと出来ないのだろうと思う。

もちろん、想像の道具としてAIを使うことはあるかもしれない。

でも、最後は人の感覚なんだろうと思う。

AIに景色は見えるのだろうか。

AIに匂いや味は分かるのだろうか。

AIに感触や感情は分かるのだろうか。

これら感じ取ったことから何かを想像(創造)するということは出来るのだろうか。

AI(人工知能)や最新の科学技術が悪いとは言わないし、寧ろ、より我々の生活が便利になっていると思う。

しかし、逆に便利を追い求めすぎて肝心なことを見逃しているようにも思える。

私たちが暮らす地球の声をもっと聞く必要があるのではないかと感じた。

「見えないものを見る努力」

素敵な言葉の裏側には大切なことが隠されているのだと思った。




以上になります。

読書感想のようになってしまいました。

お読みいただきありがとうございました。

※文中引用文献:宮脇 昭・板橋興宗『鎮守の森』新潮社 2000年4月25日

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