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リノベーションの仕事を通じて

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リノベーションを始め、デザインに関する思想を倩と。
運営しているクリエイター

2021年9月の記事一覧

生活感をノイズと捉えてみる。

生活感をノイズと捉えてみる。

2020の終盤に完成した
神奈川のマンションのリノベーション。

築38年。

1階がピロティの2階のお部屋だったため
今回は特別にスラブにリノリウムでも許可が出ました。

一応床の下地はモルタルで均してはあります。

どうしてスラブにリノリウムがよかったかというと
58平米の延床面積なので
省スペースが今回の課題でした。

玄関スペースも玄関先の廊下も
スペースとして消費するのを避けた

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するべきとしたいの距離とは。

するべきとしたいの距離とは。

リノベーションの打ち合わせを進めていくと
どの夫婦もある種の矛盾と気遣いがあるのが分かってきます。

木が好きで木に囲まれたいと言う言葉と
実際に選ぶのは石のタイルだったり
金属や皮の素材は落ち着かないから嫌だと言いつつステンレスのキッチンやレザーのソファを選んだり。

本当は選びたいと思ってるものがあるのにパートナーの反応を見ながらお互いを尊重しあったり。

「するべき」と「したい」

要は家族

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コミュニケーションでは何も解決しない。

コミュニケーションでは何も解決しない。

『1人の時間が欲しい』

施主も自宅でのワークが増えて
集中のスタートと継続が捗る家づくりの要求が多いです。

やる気スイッチが欲しいわけですね。

仕事においての「集中」を考えた時
リモートではチャット
オフィスでは上司や同僚から話しかけられたり
集中の分断が11分に1回の頻度で起きてるようで
1日あたりの集中してる時間は2時間に満たないそうです。

スマホと仲間に集中を奪われてるわけで

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休日について聞く必要性とは。

休日について聞く必要性とは。

施主の属性として以下の4パターンでふわっと分類しています。

・効率大好きシステム派
・好きなものに囲まれたいアイデンティティ派
・手間暇掛けたいスローライフ派
・宅飲み大好きホームパーティー派

明確な境目があるわけではなく
それぞれの成分が夫婦単位でどの程度のパーセンテージか?を見ています。

夫婦単位で「ゆるい理想」を掲げて
上記4パターンの方向に向かっていくわけです。

この「ゆる

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集中力の種類を知るべきである。

集中力の種類を知るべきである。

家の中にもワークスペースが増設されるケースが増えてきました。

元々の家の中にはなかったリモートワークのワークスペースはそれまであった書斎と考え方が少し違っていると感じています。

これまでの書斎はご主人の『1人になれる空間』でした。

ワークスペースともなるとそれは「職場の」なわけです。

要は家の中にあるオフィシャルな場と言うわけで。

とても不自然です。

ただその拡張はスーツを

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デザインに耐久力は必要か。

デザインに耐久力は必要か。

どう足掻いても家は生活感が出てしまうもので
その日常的な使われ方でも良い感じに映るようにデザインできるかを考えながら作っています。

脱ぎっぱなしの洗濯物
隅っこに溜まったホコリ
開きっぱなしの扉
置きっぱなしの食器
常に美しく使い続けるのなんて到底できないです。

華奢すぎるテーブルの脚
薄すぎる棚や天板
ほぼないように見えるドアの枠
柔らかな曲線
ディテールにこだわることももちろんできます

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『夫婦と愛情と地獄』

『夫婦と愛情と地獄』

『人生は暇つぶし』
というよく耳にするアレを最近仲の良い住職さんから言われて改めてよくよく考えているところです。

『喫茶店でスマホや雑誌もなくひたすらボーッとしてるみたいなのは退屈で窮屈』
みたいな極論をぶつけられて
「たしかに」
となってしまってます。

どうやら僕には死ぬまでタスクが必要みたいです。

リノベーションの計画を進めていく上で必然的に起こる夫婦間での価値観の共有はぶつかった

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リノベーションする施主の4タイプ。

リノベーションする施主の4タイプ。

最近纏まってきた施主の4タイプ別分析があります。

リノベーションデザインをする上で家具と家電との関わりを割と考えます。

スマホを始め家電にSiriが搭載され始めたころから、家電は「同居人」と言う無意識の認知が生まれてるのですが、そうなった瞬間から「どこまでを家電にお願いするのか?」がポイントになります。

わかりやすいところで行くと、土鍋か炊飯器か?みたいなアレです。

最近では家具に

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