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日記

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日々の感想です。
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2024/10/18

2024/10/18

 ごく当たり前のことだけど、何もかも変わってゆく。そのことを何度も忘れては、実感するということを繰り返している。
 金木犀の匂いが街を歩くとどこでもしている。前はその香りを感じるのが心地良かったが、今年はその濃密な香りがたびたび鼻腔へ流れ込んでくることにうんざりしている。
 秋になった、と思う。たぶん、そう言っていいと思う。風もひんやりしてきたし、夜は冷える。長袖を着て外に出るようになったし、空の

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日記 2024/06/13

日記 2024/06/13

2024/06/13



 夜、家に帰るとそれから死にたいとばかり考えていた。夜中ずっと死ぬことを考え、もはや死ぬほかないと思った。でもいざ実行の具体的な手順を想像するとおそろしくてたまらなかった。それは前回のときとは違うことだった。恐怖感と希死念慮の間で苦しくて、ソファの柔らかさが鬱陶しく思えたので、床の上で毛布を頭まで被って部屋でひとり唸っていた。しばらくすると落ち着いた。時計を見ると午前

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日記 2024/06/12

日記 2024/06/12



 外に出ると夏だった。そう直感した。肌を包む熱気、空のさわかな青色、窓ガラスや車体に反射した陽光が風景に満ちている。アパートや一軒家の立ち並ぶその奥に巨大な雲がスローモーションで航行していた。生垣の草が伸び放題になって、通り過ぎてゆく女性が顔を隠すように手でひさしをつくっていた。あらゆる生が漲るような感じ。何かが盛り上がってゆくような雰囲気があると思った。夏。まだ6月だけれど、まるで梅雨の前

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日記 2024/06/11

日記 2024/06/11

2024/06/11



 朝、早くに目を覚ます。ぼんやりとした頭のなかで「先行きが見えない」という言葉が浮かび上がる。でも先行きとはなんなのだろう。見えなくてなんだというのだろう。目的地のない散歩。展開の読めないドラマ。スポーツの試合の決着。先行きが見えなくても楽しいことは沢山ある。



 昔馴染みの友人と会った。昔馴染みの友人と会うと、いつも同じ過去のことを話してしまう気がする。お互い

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日記 2024/06/10

日記 2024/06/10

2024/06/10



 良いこととそれほど良くないことがあった。1日総体で考えると、少しマイナスだったかもしれない。でもふたつのできごとの順番が逆であれば、少しプラスだと思ったかもしれない。人生の妙。



 歩道橋を歩いていていま身体の輪郭がぶれているような気がすると思った。立ちくらみしたときのように頭がふわっとした。少し歩くとおさまった。歩道橋が揺れていたらしかった。真ん中のあたりで

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日記 2024/06/09

日記 2024/06/09

2024/06/09

 スマートフォンの保存ファイルを開いたら、2、3年ほど前、現代詩手帖に投稿をしていたときの詩がいくつかみつかった。
 当時はコロナ禍で、外出自粛によるいわゆるおうち時間というものが増えたなかで、暇を持て余した僕はなにか新しいことをしたいと思っていた。そんななかで見つけたのが現代詩だった。
 投稿は比較的順調だったと思う。3回目くらいの投稿で佳作になり、それからコツを掴んで入

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日記 2024/06/08

日記 2024/06/08

2024/06/08

 土曜日。前日はあまり寝ていなかったので、夜は12時ごろにはもう眠っていた。熟睡したと思って目を覚ますと、2時だった。でも少しも眠くない。そこから本を読んだりしながら、6時ごろまで起きていたけれど、そこで少し眠くなって十分ほど寝ようとソファで目を瞑った。目を覚ますと17時だった。身体は元気でもやっぱり睡眠不足だったのかもしれない。

 連絡があってKさんという人に夕食に誘わ

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日記 2024/06/07

日記 2024/06/07

2024/06/07

 僕はヒップホップが好きで普段からラップミュージックを聴くのだけれど、今日、YouTubeでdodoというラッパーのMVを見ていて、少しあれこれと考えたりしていた。dodoというラッパーは少し、いやかなり特殊なラッパーだと思う。日本語ラップのシーンでdodoみたいなラップをするラッパーというのはほとんどいないと思う。詳細は面倒なので省くが、とにかく彼のようなラッパーはほとん

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日記 2024/06/06

日記 2024/06/06

 今日は平凡な1日だった。特に何も起こらず、平坦で変わり映えない1日だった。頭に何も思い浮かばず、ぼうっとしているとなんだか自分が透明になってゆくような気がした。
 夕方、なんとなく小説の冒頭を書いていた。事前に構想していたものを書いたわけではなく、ただ文章を書くということ目的にした即興的なものだった。でも全くの無から言葉を出すと、その偶然性に誘われて思いもよらない不思議な世界へと文章が引っ張られ

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日記 2024/06/05

日記 2024/06/05

 暮れ方に街へ出た。最近はイヤホンをつけていても何も音楽を流さずに、ノイズキャンセリングだけを起動させて外を歩くということが多い。どこかへ行くのに音楽がないと退屈かもしれないという不安が以前はあったが、いまではどちらかと言うと、道路を走る車や街の喧騒といった音を緩和させるためにイヤホンを着けるというふうになっている。そうすると自ずと自分の考えごとへと意識が向かう。いまは音楽を聴くよりもそれが楽しい

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日記 2024/06/04

日記 2024/06/04

2024/06/04

 前夜は遅くまで起きていた。色々とアイデアが浮かんで興奮して眠れなかった。構想している「マイルールブックの作り方」について、思いついた数行をメモしてみた。ルールは生活を象る。ルールを作るためには自分が真に望むことを知らなければならない。いま自分が何となく不満な日々を送っているのは、自分が真に望んでいることを理解していないからではないか、などと思っていた。
 眠る前にBASE

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日記 2024/06/03

日記 2024/06/03

2024/06/03

記事は全文無料です。

 朝、目を覚ましてふと部屋を見渡すと清潔に保たれていることに気がついた。未遂後からずっと部屋を綺麗にした状態で維持することができていなかったのだった。部屋がある程度以上まで荒れてこれはまずいとなると掃除するということの繰り返しだった。それより以前はどちらかと言うと綺麗好きな方で、部屋をいつも清潔に保てていたのだけど、気持ちが落ち込むとそれどころじゃな

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日記 2024/06/02

日記 2024/06/02

 昼に外へ出ると、陽が強く差していた。でも空は重たげに曇っていて、その隙間を無理に突き抜けて出てこようとするような強い陽射しだった。夜のうちに雨が降っていたのだろう。湿気のせいで近くの川から、じめっとした空気とともに土や草木の匂いが漂ってきていた。それはなんとなく僕を落ち込ませた。自然の吐き出した息を顔に吹きかけられるような気がしたからなのかもしれなかった。もっと湿気がひどくなると、数キロ先の海か

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日記 2024/06/01

日記 2024/06/01

※記事は全文無料です。

2024/06/01

 図書室へ。中沢けい「海を感じるとき」を立ち読みした。冷静でありながら清新な文章がさわやかでとても良かった。自分の心や外景を丁寧に、しかしこだわらずに文章にしているところが好きだと思った。繊細で、でも軽過ぎず、そのバランス感覚が絶妙で、これは古典の文章をたくさん読んできた人の文章だと思った。
 それから中沢けい氏に俄然興味が湧いて、彼女の他の小説を

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