マガジンのカバー画像

日日是好日であるように

28
写真日記のような
運営しているクリエイター

記事一覧

ピアノ

ピアノ

毎日ピアノを弾く。

ピアノといっても、電子ピアノで、
古いクラビノーバだ。

夫はこれをピアノと呼ばない。
エレクトーン、と呼んでいる。

グランドピアノがある家で育った夫にとって、
電子ピアノは、ピアノではないのだろう。

音は出さない。
ずっとヘッドフォンで聞いている。

音は怖くて出せない。

弾き始めた頃に音を出してみたら、夫が、
そんな曲、姉が子どもの頃に弾いてた、とか、
ちょっとでも

もっとみる
電車の中で

電車の中で

昨日は東京国際フォーラムへ。
久しぶりに電車で都内へ行った。

電車の中って、
みんなスマホ見てるけど、

乗り物に酔うので、
極力見ないようにする。

とりあえず昨日は、人間を見ていた。

行きの京浜東北線は、桜木町で座れた。

長崎で壊れた足を酷使してきたので、
ラッキー、と思って座っていたら、

川崎で、川崎大師帰りらしい老夫婦が、
目の前に立った。

あー、譲らないとだな。
きっと期待して

もっとみる
評価されること

評価されること

一見、遅すぎるような、50代や60代になってからでも、なんらかのカタチを残せる人は、それまでの人生で何かを積み上げてきた人だ。

カタチになるまで時間がかかったとしても、カタチになればきっと報われる。

私はただ、日々を消化してきただけだった。日々は積み重なっていなかった。
積み重ね方がわからなかったんだ。勉強の仕方がわからなかったのと同じこと。

分厚いノートに書き記さなきゃいけなかったのに、丸

もっとみる
ラディッシュ

ラディッシュ

テラスに置いたプランターで、ラティッシュを育てていた。
ガーデニングイベントでもらったタネをまいた。

赤い小さなカブのような野菜ができるはずだった。

双葉から本葉が出て、その葉はほとんど虫に食べられた。
モンシロチョウが、繰り返し卵を産みに来た。

実の部分は、丸くならなかった。
小指の先よりも細いくらいのふくらみができたくらいで。

このまま見ているのも憂鬱なので、
すべて抜いて、ゴミに出し

もっとみる
生活のたのしみ展へ行った

生活のたのしみ展へ行った

ほぼ日のイベント、生活のたのしみ展へ行ってきた。開催期間中のまんなかあたり、雨の日だった。

大型連休中だし、人気イベントだし、混雑するのは間違いない。長く続くコロナ禍で、人混みが怖くなってる。行こうかやめようか、迷いに迷った。オープン間際よりも夕方が空いているとの情報があったので、午後からでかけた。

今回の会場は、都庁のすぐそば。新宿駅からは、地下通路を使って雨に濡れずにたどりつけた。途中、生

もっとみる
あの三月

あの三月

桜を探して歩いた日の翌日は、
真冬の寒さで、冷たい雨が降った。

そんな日が春には必ずあって、
あの三月を思い出す。

高校三年生の三月、

受験に失敗して、リベンジが許されず、
人生、すべて終わった気持ちで、

とりあえず春からの居場所を作るために、
ダイレクトメールが来ていた専門学校に、
願書を出したあの三月。

社会福祉学科を受験してたのに、
なりゆきで情報処理科を選んだあの三月。

全部、

もっとみる
鴨

山下橋の
川と海が交わるあたり

浮かぶ
ペットボトル
ビニール袋
空き缶

ほかにも
だれかの生きた跡

何か動くものがあって
よく見ると

2羽の鴨だった

だれかの生きた跡と
漂う鴨

ソーシャルディスタンス

ソーシャルディスタンス

地面に並んだ足型の
その均等の
うえに立つのか
あいだに立つのか
うえに立ちたいけれど
あいだに立つ人がいれば
前にならえであいだに立つしかなく
どうするのか決めるのは
前の人
その前の人