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ブログでしか言えない話

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2019年2月の記事一覧

バスに乗っていた。

バスに乗っていた。

昨日の夜、やっと読み終わった小説に煽られて、論文を夜通し読んでいた。
元々、夜型の生活をしているので、夜に寝て朝起きる日は苦手なのだけど、それでも、いつもは数時間、しっかりとベッドで目を瞑っている。

それでも昨日は、ベッドでジッとしていることすら、出来ない気がした。

バスに乗り、外の景色を見ていると、胸の中のモヤモヤとしたものが、また一段と固くなったような心地がする。

一ヶ月前を

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頭でっかち

頭でっかち

幼少期、傷つけられてきた人のエッセイを読んでいると、胸の中から思い出されるものがあって、暫く眠れなくなる。

暗い感情の発露が、文章を書き出す邪魔をして、ベッドに寝転がり、何もせずに抱き枕を抱きしめている時間が増える。

日課のnoteを書くこともままならず、しかしそれでもパソコンに向かっていると、いつも飲んでいるお茶の減りが早くなり、お茶を淹れになんども席を立つ。

何かを咀嚼しよう

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しあわせの加速度

「幸せになりたい」
「優しくなりたい」
と悩んでいる人を見かけると、浮かんでくる言葉がある。

幸せとは、満足へ向かう加速度のことだ

これは森博嗣の言葉だが、だからこそ、優しさというのも、理想の優しさへと向かう加速度のようなものだと思う。

人生を生きて、理不尽を垣間見ていると、やさしい人は、皆須らく、やさしくなろうとした人だ、ということを確認する。

優しさというのは、その人の性質ではなくて、

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誰のものでもない言葉

誰のものでもない言葉

自分が気に入らないと思って公開したものが、時折思ったよりも反応を集めることがある、というのを、私はネットを通して初めて知った。

昨日のnoteは、教授と話してから帰る道で、ぽっとタイトルが浮かんで、翌日目が覚めてから、四苦八苦して書き始めたnoteだった。

書いている途中も、書き上げてからも、どこか納得がいかなくて、ギリギリまで公開を躊躇し、就寝前に思い切って公開した。

そのno

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見える人と見えない人

人に説明をするのが苦手だ。
もっと言うと紙に計算のプロセスを書き出すのが苦手だ。

物理の教授と話をしていた時、ずっと心の中でつぶやいていた。

私が書き出した計算をふたりで並んで眺めながら、彼女がわからなくなったところを私が横から説明していく。
日本にいた頃、友人に妹にクラスメイトによくこうして数学を教えていた。
あの時は、彼らが書き出した計算を見ながら教えていたのだけど。

計算を書き出してい

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共感性が悪さをしている

共感性が悪さをしている

共感性が生まれたのは、いつ頃だろうか。

共感性は人間以外の生物にも見られるし、チンパンジーが仲間の死を悼んだり、ゴリラは目を合わせてコミュニケーションをとったりする。

だけど、ここまで高い共感性は人間特有のものだと思う。
そして、人間の高い共感性のキーは、共同保育だ。
体の発達が遅い人間の子供を共同で育てるようになったことが、人間の家族・社会構成の肝だと言われている。

高い共感性によってより

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眼鏡がない

眼鏡がない

眼鏡がない。それだけで世界がぼやけて見える。
これだけぼやけた視界で過ごすのは、いつぶりだろうか。小学校2年生の頃には眼鏡を持っていた気がするので、ざっと10年ぶりくらいだろう。

最近は、シャワーの中でも、寝ている時でさえも、眼鏡をかけていた。

今日も、朝からイタリアの文明の発展と戦争について考えていたら、ついつい力加減を誤ってしまって、手元でレンズを拭いていた眼鏡を壊してしまった。

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バレンタインの話

バレンタインの話

バレンタインだった。
今日だけは、いつもは気怠げな朝の空気も、少し浮き足立って、みんながソワソワしているように見える。

昨年のバレンタインは、あちらこちらに花を持った人や、家の小さなプリンセスのためのバルーンを持った人を見かけた。
今年も、きっと同じようなものが見れるのだろう。
私は、バスの中でイヤホンを嵌めながら、まだ人気のない街中を眺めていた。

つい先日まで、珍しい積雪のおかげで、

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しもやけ

しもやけ

雪がこんなに降り積もったのを見たのは、いつ振りだろうか。雪に足を埋めながら、そう考えた。

私が今住んでいるシアトルでも、雪は降る。だけど、そこまで積もるほど雪が降ることもなく、精々ちょっと雪合戦ができるくらいだ。

私の地元では、冬の内に何度か、かまくらが作れるほどに雪が降る。
中学生の頃、部活のために朝早くに道を行く、その際に、まだ踏み入られていない真っ白な雪を踏みしめて行くのが楽しみだっ

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すきなもの

すきなもの

雪が好きだ。

シアトルに来たばかりの最初の冬、私は雪ではしゃぐ友人たちを見ながら、どこか安心したような心持ちでいた。「ああ、ここにも雪が降るんだ」と。

南アメリカから来た、雪を初めて見る彼らとは違って、私の地元は毎年たくさんの雪が降る。
彼らの興奮に煽られながら、私が最初に雪を見た時はどんなだったのだろうと思い出そうとする。だけど、きっともう、記憶がない頃から見慣れたものだったので、興奮はなか

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ゆめのはなし

ゆめのはなし

久しぶりに、気分が落ち込む系の夢を見た。

昔、まだ日本にいた頃は頻繁に、途中で強制的に夢から起床する術を身につけるくらい、もっと過激な夢を見ていたけれど、それも最近ではあまりない。

起きようとしなくても、自然と起きるし、昔よりもそういう時の眠りが浅くなっているのかもしれない。

気分が落ち込む系の夢といっても、悪夢と分類できるのかは微妙なところだ。(もしかしたら、人によっては問答無

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やさしい革命ラボに起こった問題の分析

やさしい革命ラボに起こった問題の分析

今回、コミュニティと集団を話すに当たって、いくつか言葉の定義をしないと齟齬を生みそうなものがあるので、先にこのnote内での言葉の定義を記しておきます。

国:現状存在する大規模な集団(日本、アメリカなど)、広義に200人程度を超えた集団(オンラインサロンも含む)。国家とコミュニティの機能を有する、国家に近いコミュニティ。

国家:多様性を獲得し、コミュニティの要素を全てそぎ落とした集団

コミュ

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ネパールで出会ったフランス人

前に書いたこのnote

の続き的なものです。

***

ある日のワークが終わった後、フランス人のボランティアの子が「町を見て歩きたい」と言い出したので、一緒に町を見て回った。
前年の滞在では、大学の関係で短期間しか滞在できなかったため、ゆっくりと町を見回ることはなかったから、何を見ることができるのか、少し楽しみだった。

いつもお世話になっているお茶屋さんと、その隣にある雑貨店(ホストファミリ

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