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ブログでしか言えない話

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新型コロナのワクチンを打ったのでご報告

新型コロナのワクチンを打ったのでご報告



一昨日、ついに二回目のワクチンを摂取した。Facebookで一回目の摂取の報告をした時、友人から「レポートしてほしい!」と言われたので、自分の備忘録も兼ねて、レポートします。

自分の経験だけじゃなくて、どうせならアメリカでの摂取の状況と、今の周りの社会についても合わせて書きます。あくまで一個人の経験なので、アメリカ全体の事として捉えないようにしてください(特にうちの州はワクチンが回るのも早く

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やわらかい



「どうして日本はダメだったんだろうね」

そう聞かれた言葉が、今もずっと、頭の片隅にある。

これは、アメリカに来てから1年か2年経ち、日本に一時帰国した際に、挨拶に行った元高校の学年主任の先生に聞かれた言葉だ。

この学年主任の先生は私のクラスの副担任でもあって、担任の先生と一緒に、半不登校状態だった時期にすごくお世話になった。留年しないための最低単位を計算してもらったり、他の教科担任の先生

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成長

成長

新しい手帳が必要になって物入れを漁っていたら、五年ほど前に使っていた手帳が出てきた。
日本にまだいた時から、アメリカに来てすぐの頃にも使っていた手帳だ。
未だ短い私の人生の中で、それでも一際苦悩に塗れていた時期の手帳だが、中身は大したことのないメモ帳だった。お世話になっていたカウンセラーの人には「日記をつけてみたら」と勧められていたのに、一文字も当時の心境は書かれていなかった。

その手帳には、英

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愛してるから、全ては言わない

愛してるから、全ては言わない

「愛してるから、全ては言わない」
そう言った彼女の声が、嫌に耳に残った。

アメリカの多様性の授業の時だった。
やることは全て終わり、授業終わりの雑談に移行した時だった。

彼女は彼女の父親の話をした。

彼女は多様性の講師なんかをやってるくらいだから、年功序列や男尊女卑、人種差別などの観念には否定立場を示すことが多い。
しかし、アメリカの田舎出身の彼女の父親は、そうではない。

彼は年を重ねて、

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ホモサピエンスにポリアモリーはまだ早い

ホモサピエンスにポリアモリーはまだ早い

最近、不倫の話題をよく見る。
私は芸能人にも世間を騒がすニュースにも疎いので、もっぱらTwitterで見た情報しか知らないのだけど、どうやら芸能人が不倫をしたらしい。
まぁ、よくある話だ。

不倫の話を聞くと、私も人並みにモヤモヤはする。だが「不倫は悪い事だ!」と正義や倫理を叫ぼうとは思わない。
それなりに理由のある不倫も存在するだろうし(「夫のチンポが入らない」などに出てくる行為が不倫として断罪

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アメリカに住む私が、今回のデモに思う事

アメリカに住む私が、今回のデモに思う事

最近のニュースやネット上の反応を見ていて、一年前に母校の授業で聞かれた質問を思い出した。‪

「やっぱり(アメリカに)差別ってあるんですか?」

私はこの質問をされた時に、戸惑った。
差別はある。

私が住んでいるワシントン州はリベラル寄りの州だ。
そもそも西海岸はアジアからの移民や留学生が多いし、大学では学期始まりに差別意識を問うアンケートが為される。社会学を取れば、一番最初の授業ではレイシズム

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今年の抱負

今年の抱負

新年なので、自分のことを振り返ってみる。
ちらりと「3年前から振り返るのがよい」と見たので、3年前から。

3年前といえばアメリカに来た頃だから、それからの3年間と、4年前からの急激な変異を比べればそれほど変わっていないような気がする。
変わったことといえば、大学に入ったことと、専攻を変えたこと、田舎に引き篭りたいと感じるようになったことくらいだろうか。

私が科学を志すようになったのは、明確には

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ネパールで考える人権のこと

ネパールで考える人権のこと

一ヶ月に渡るネパール滞在の間、現地協力団体のスタッフが「娘の誕生日で家に帰るが、一緒に来るか」と訊ねてきた。確かその前の年も彼の家にお邪魔していた気がする。そう思い出しながら、私は二つ返事で頷いて、一緒に彼の家に滞在させてもらう事にした。ネパールの人達の距離の近さがとても好きだ。

誕生日パーティーまでの時間に街に買い物に行って、よく懐いてくれる彼の娘さんと遊んだり、生まれたばかりの赤ちゃんをツン

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巨乳キャラの献血ポスター起用に対する炎上について

巨乳キャラの献血ポスター起用に対する炎上について

最近の巨乳キャラ献血ポスター炎上について面白いBlogがあったので、ちょっと考えてみたいと思う。

男が女性を見るときは視覚野が主に活性化し、女性が男性を見るときは前頭葉も活性化するという研究データがあるように、男性が身体のパーツを、女性が男性の付帯情報を見るというのは、一般的な傾向として間違ってないと言える。

一方で、ちょっと深く考えてみたいのは、男性の繁殖に置けるコストの差が低いと言われてい

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香港のデモについて私が思うこと

香港のデモについて私が思うこと

最近ずっと香港のニュースが目につく。ブレイキングニュースで入ってくるニュースにも、夕食時テレビで流れるニュースにも、Twitterで流れてくるニュースにも、香港がずっといる。
香港には友人もいるし、香港から来た友人もいる。Twitterでもnoteでも語ろうと思えばいくらでも語れるこの事象に沈黙を貫いていたのは、世界で起こる事象を自分の物差しだけで断じてしまう事に抵抗感を覚えるという、人類学を嗜む

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久しぶり雑記

久しぶり雑記

今、日本に帰っていたときの写真やらビデオやらを整理しながら、色々なことを思い出している。
思えば随分長く文章を書くのをお休みしていたようで、地元にいたときも、東京にいたときも、その他各地を旅していたときも、散文のようなメモのような何某かを書き散らかしては、文章として完成させずに放置していた。

非日常にいると、知らないうちに省エネモードになっている。
それが三ヶ月も続くと尚更で、後半は惰性のように

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初夏の変容

もう初夏と言っても良いのだろうか。小論文執筆に忙殺され、時の流れを見過ごしていたら、いつの間にかシアトルにも熱気が漂うようになっていた。

ホストファミリーが友人の結婚式にアムステルダムまで出掛けているので、彼らの代わりに庭の植物(ハーブと成長途中の木、そして今はトマトを育てている)に水をやり、出不精の身には貴重な日光を浴びる。

早々に日焼けしそうである。そう言えば、ハワイに行った時は三月にも関

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「この世界の片隅に」 感想

「この世界の片隅に」 感想

今、なんでこのタイミングでと思うかもしれないけれど、たまたま「この世界の片隅に」の良いレビューを見つけてしまったので、今日は私もその映画の事について書こうと思う。

あの映画は、正直凄かった。
凄かったという言葉だけでは足りなくて、詳細に未熟な語句を並び立てながら言葉を紡ごうとしても、結局「凄かった」という一言に帰結せざるを得ないくらい、とんでもなかった。

最初は普通に昔の話として始まり、当時人

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Can we play a love song?

Can we play a love song?

アメリカの多様性のクラスが、ユダヤ系アメリカ人の章に入った。
勿論、世界大戦の前からアメリカに移住してきた彼らの話をやるのだけど、矢張り第二次世界大戦のホロコースト中の話は強調されてクラスで話され、授業2回分を掛けてアメリカとナチズムについて話した。教授の家族がホロコーストの生き残りであったことも大きいのだろう。

この詳しい内容はまた後日纏めるとして、このような話を聞くとき、いつも頭に浮かんで消

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