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大木野なずな
2021年8月29日 09:30
焦る時汗も つばも 空気も すっぱくなる朝、目を開けて時計、見て遅刻、悟って口の中に 味 広がるすっぱい!
2021年8月29日 09:29
苦しい時こそ よく思う――死んでしまいたいと人はよく言うけれど――生きてしまいたいとはよく言わない苦しい時こそ よく思う
2021年8月25日 08:29
いつからか人間の皆さんは 僕らを仲介役にして神様と会話するようになりましたなぜなんでしょうか神様と喧嘩でもしてるんでしょうか
2021年8月23日 08:49
空想が わたしを必要としているのではなくてわたしが 空想を必要としているのだ
2021年8月22日 09:17
心臓が 黒くなる自分から黒くした部分もあるし周囲の人に物に環境に黒くされた部分もあるだからといって人のせいには しませんよ心臓が 黒くなるどくどく どくんどく どくん脈打って血液どんどん巡ってく真っ黒な血が巡ってくここでようやく気がついた心臓が 黒い のではなくて血液が 黒く 濁ってしまったそれだけなんだ と
2021年8月18日 09:52
わたしの生き方は 月桂樹の葉に似ている変わらないし 変われないのだわたしの生き方は 本当に 月桂樹の葉に似ていた……だけど父は花を愛していた椿の花 を 愛していた――思い出す――椿の花を見ていると幼い頃の日々を思い出す――目を閉じるだけで あの日々を思い出す……病で苦しんで細くなった体を折り畳みながら父は細い声で わたしに語った淡くなっていく体温が わたしの手を優しく
2021年8月8日 19:17
あなたを殴るその為の拳を奪い取られてしまった
2021年8月6日 14:21
わたしにはお母さんがふたりいるわたしを産んだお母さんとわたしを育てるお母さんそれぞれにそれぞれの言い分があるらしい***わたしを産んだお母さんは遠くで語る「あんたを産みたかったからあれを食べなきゃならなかったんだよ」「魔法使いの、あの畑の、あれを食べなければお前を産む 産んでやる力なんて出なかったんだよ」わたしを産んだお母さんは妊婦さんの頃隣に住む魔法
2021年8月6日 09:48
午前零時になったら魔法がとけるとけるけれどもとけてしまってもいいそう思った その理由は「ただお洒落がしたかった」それだけだったんです白粉、口紅、髪飾りリボンにドレスに、下ろし立ての靴姉さんたちの真似をしてお洒落がしたかった「ただお洒落がしたかった」それだけだったんです姉さんたちにあんなことをさせるそんなつもりは爪の先から かかとの端まで
2021年8月6日 09:42
むしろわたくしのことは「林檎姫」とお呼びくださいませ林檎に魅せられ林檎を咀嚼し危うく林檎に殺されかけたそんな わたくしわたくしをむしろ「林檎姫」とお呼びくださいませ
2021年8月4日 20:30
故郷に一生帰れなくなるんだったら海を出なきゃよかったそれに尾びれを捨てなきゃいけないのなら海を出なきゃよかった歌が歌えなくなるぐらいなら海を出なきゃよかった重たいナイフを握らなきゃだめなら海を出なきゃよかった出なきゃよかったそうすれば寝ているあなたの枕元でこんなに泣かずに済んだのだしわたしじゃない誰かを見つめる見つめてしまうそんなあなたを そういうあな
2021年8月4日 20:24
瓶につめる。
2021年8月4日 20:19
頭から爪先まで一本の針 になったよう冷たくて、金属くさくて、鋭いのとんがっているから誰にも相手にされないの泣きたいな。泣きたいけどでも涙なんか流したら体はさびちゃうだろうしさそもそもこの体じゃ水滴なんて出ないかもしれないしさ泣きたいけど 泣けないな。泣けないけどくるしいくるしいしんどいよ頭から爪先まで一本の針 になったよう手あかのついたど
2021年8月3日 18:30
狂気に染まるには正気が過ぎる