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【詩】『針』

頭から爪先まで
一本の針 になったよう

冷たくて、金属くさくて、
鋭いの

とんがっているから
誰にも相手にされないの

泣きたいな。泣きたいけど

でも

涙なんか流したら
体はさびちゃうだろうしさ
そもそも
この体じゃ
水滴なんて出ないかもしれないしさ

泣きたいけど 泣けないな。
泣けないけど

くるしい
くるしい
しんどいよ

頭から爪先まで
一本の針 になったよう

手あかのついた
どこにでもある
いや、むしろ
その辺の針よりも みすぼらしい
みじめな
情けない

針のよう

頭から爪先まで
一本の針 になったよう

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