娘が「娘をやめる」とき #6
シリーズ「#7」にわたり投稿してきた
【娘は、なぜ「娘」をやめられないのか?】
その続編シリーズ【娘が「娘をやめる」とき】です。
不健全な母娘関係に終止符を打つにいたった経験エピソード、そのとき何を感じ、どう分析し行動したかつづります。
今回は、#6です。
母という人生
母は、父のために生きたのだと、LINEを読んで、改めて認識しました。
私も親の端くれですが、子どもは二の次、三の次で、ここまで父を1番にできるのは逆にすごい信念だと感じます。
親のために幼少を生きた母は、結婚後は父のために生きました。
誰かのために生き続けた人生だから、誰かが自分のために生きてくれると思っている…、そんな共依存の生き方しか知らないのかもしれません。
誰かの足りないピースを補い続けてきたから、自分自身も未完のまま。
それをまた他の誰かに補ってもらおうとする。
そんな彼女のピースを補う役割は3人の子、とくに娘の私が担ってきました。
仕事をもったことがないという点もまた、母という人格を作った大きな要因だろうと思います。
社会に出て、不特定多数を相手に何かしらの役割を果たせば、多種多様な人間と接し、数え切れない価値観があることに気付かされます。
未完でも、社会に育てられ補完されていくわけです。
社会とのつながりが一切ないまま何十年も生きてきた母は、補完の機会にも恵まれず、その意味では被害者といえるかもしれません。
今なら子を愛せる?愛せない?
母は父のために生きてきて、ならば、父が逝けば、その使命は終わります。
そうなれば、
母は変わるのか?
何も変わらないのか…
私は、母の変化に注力していました。
なぜなら、子の言動に対する良し悪しのジャッジは、常に父の反応が判断基準で、母の言動のすべては、そこに集約していたからです。
父が「母の人格」を作ってきたと言っても過言ではなく、父の判断を教祖のお告げのように受け止め、仰せの通りと同調し、母は子へ統制をはかってきました。
家庭だけが彼女の世界がゆえの必然かと。
しかし母は、
父がいなくなった後も、母のままでした。
父によって形成された人格は、完成形となり、教祖なき今も、思想はしっかり彼女の中に継承され続けています。
親が子を愛するとは限らない
今まで、母はよく私にいいました。
「あなたが心配」
「あなたを想ってのこと」と。
このセリフ、
正しい判断を鈍らせますよね(笑)
しかし、母が私に与える愛は
【自己愛の裏返し】、
「自分が安心したい」「自分が満足したい」という自己愛です。
【自分を愛してくれる娘】に愛を注ぐわけです。
それは、見返りを求めない無償の愛とは真逆の愛。
本来、親が子に与えべきは
【無償の愛】でなければいけません。
私は「親は子を無償で愛するもの」として子育てをしてきたので、母がなぜ子を愛せないのか、長らく理解できませんでした。
しかし今は、
「未完の人間には、無償の愛を子に施せる精神力がないから」
とハッキリわかります。
力のない人間に、その力を求めても無意味ですね…
親子から【無償の愛】を取り除いたら、それはただの人間関係。
その関係を保つかどうかは、互いの人間性のみに委ねられます。
価値観を尊重し合えないなら…
母の見ている世界は、本当に狭いと感じます。
小さな世界で、小さなことにこだわって生きている。
しかし、知らない世界の充実感や喜び、その世界の掟を、いくら周りが謳ったとしても、彼女にとっては解読不可能な言語なわけです。
私から見て「小さな世界」と感じる彼女の世界は、彼女にとっては宇宙ほど広いかもしれません。
(これは一般的に【価値観の違い】とカンタンに表現されます)
自分の価値観は自分が誇りを持って大切にすれば良くて、そこに、他との比較は必要ありません。
自分にはない良き価値観を取り入れたいなら、自分を磨き努力すればいいだけの話。
しかし、自己肯定感が低い人間は、自分の価値観に自身がなく、すぐに他と比較してしまい、自分は劣っていると感じます。
さらにタチが悪いと、他をおとしめ自分を高く見せる行為に出ます。
そんなタチの悪い、低レベルの人間からは、得られるものがないどころか、時間もパワーも吸い取られるだけ。
関わる意味はありません。
しかし残念ながら、親がこういうタイプの人間である可能性は十分にありうるわけです。
たとえ親でも、人間関係を続けるのがむずかしいと判断すれば、それなりに関係性を変えて行くほかありません。
私は私の人生を生きる
このようなことが、「父の死」をキッカケに、輪郭をもって浮き彫りになりました。
と同時に、母の人生を客観的に俯瞰で観ることで、彼女の人間性を改めて知る機会となりました。
そして、出した結論は…
【母は母の人生を生きればいい 私は私の人生を生きる】
母は、娘との関係を維持するために努力はしないでしょう。
私も、母の価値観に合わせた生き方をするつもりはありません。
もう両者には、つなぎ留めておくものも、交わる部分もないのです。
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