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娘はなぜ「娘」をやめられないか#3


毒母と娘の関係は、不健全であるにも関わらず、断ち切りたくてもなかなか断ち切れないという現状があります。

娘はなぜ「娘」をやめられないのか?
私の実体験エピソードから分析していきます。
今回は#3です。


 結婚=自分だけの人生ではない


大学4年になり、就職活動がスタートしました。
そんな折、両親は大卒の私に「家事手伝い」をすすめます。
まだ「女に仕事は必要ない」という考えだったのです。

同級生にそんな人はいません。
何よりそれでは、大学を出た意味が全く見いだせません。
学んだことを生かして好きな職業に就き、経済的に自立したい、そう思い、私は、意思をつらぬき就職活動を続行します。

ならばと、次に出た条件は「実家から通える会社」でした。
一気に選択肢が狭くなります。
「家事手伝い」からは大きな進歩です。

しかし価値観に大きな開きがあると、人はその間を取ろう、バランスを取ろうとしてしまいます。
私は少ない選択肢の中で、親との折り合いをつけ、就職先を決めて行きました。

こうして、卒業とともに、実家に戻ることになったわけですが、再びひとつ屋根の下で暮らすようになってからは、価値観の攻防を避けることが難しくなりました。

就職だけでなく、年齢的に恋愛や結婚というフェーズに入り、互いに譲れない状況がどんどん増えていったからです。

就職先にさんざん口出を出したにも関わらず、まずは、勤める会社の知名度が低いと言って、彼女は狂いはじめます。

つぎは恋愛です。
私は、大学時代から互いに結婚を意識して真剣に付き合っている人がいました。ところが、その人の学歴、就職先、出身地、容姿、何から何まですべてに難癖がつきました。

母は私が選んだもののすべてを受け入れることができず、その葛藤を毎日ぶつけてくるようになったのです。
それは、ツラくて寂しく、息苦しい毎日でした。

平日は好きな仕事をして紛らわし、週末は彼とのデートで、何とか気持ちの平衡を保っていましたが、一向に母の攻撃は収まりません。

私はこの時期のことを思い出すたびに【北風と太陽】のお話を思い出します。
ビュービュー冷たい風を吹き付ける北風の母、
コートの襟をかたくなに閉める旅人の私。

私はコートを脱がされないよう、さらに強く襟を閉めるようになります。
しだいに、彼との結婚を軸にすべてを思考するようになっていきました。
より仕事に打ち込み、早く結婚できるように倹約して結婚資金を貯めるようになりました。

日に日に強くなる北風にもガッチリ襟を閉め、着々と未来を見すえて進んでいくのが、さらに彼女をレベルアップさせてしまいます。

飛び交う暴言、宙を舞う掃除機、叩きつけて割れた玄関の木戸…

このままでは、みんな壊れてしまう…
この人から離れなければ…と
部屋を借りて、いったん家を出ようと試みますが、親の保証が必要でした。
しかし、頑としてハンコは押さず、強行するなら縁を切るとまで言われてしまいます。

約2年、それは続きました。

私はとうとう、ストレスで働けなくなり退職をするはめになります。
さらに、大切な人を完全否定する環境に長くいたために、感情の整理が全くつかなくなり、何を守っているのか、何が正しいのか、最後には好きかどうかも、もう何もわからなくなっていました。

追い詰められた私は、最良の選択ではないことを承知で
「2人だけで結婚したい」
と彼の真意を試しましたが、私を丸ごと引き受ける勇気は彼にはなかったようです。

みんなから祝福されたい
とかれは言いました。

結局彼は、自分が私を苦しめているからと身を引き、関係は自然消滅します。

こうして、私は仕事も恋愛も失い、空っぽになりました。

地獄のような2年でした。

結婚という行為は、自分だけの人生ではなくなる、ということなのです。
親との関係は、そのまま相手にも背負わせることになります。
義父母となる人にも、産まれてくる子どもにも、その関係は多かれ少なかれ影響を与えてしまうのです。

「親なんて関係ない」という価値観の人と出会えるかもしれませんが、先のことなど全くわからない段階で、あえて親を敵に回しても、自分に得はありません。

こうなったら、結婚で家を出るまで辛抱しよう、
今までなんだかんだ堪えてきたのだから、
あと少しくらい、と思ったのです。

ここにも、断ち切りたくても断ち切れないタイミングがありました。

おそらくこの時には、
私の中から母は、もういなくなっていました。
心の中で、勝手に縁を切っていたと思います。

私のためを思ってしたこと…ではないからです。
母は、私からすべてを奪ったひとと、位置づけられました。

私はさらに、輪をかけた策士にならざるを得なくなりました。

そしてその後、私は定職にもつかず、
自分をわざと痛めつけるように、
無意味な恋愛につぎつぎと身を任せるようになっていきます。

母に愛されななら、もっと母の嫌がる娘になってやると言わんばかりに…
「愛されない」ことで、自己破壊へと向かうパターンもあるのです。


#4へつづく


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