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#3 PMSの症状があっても仕事続けられるかな?夏八木の話

生理前の不調と仕事の向き合い方について、夏八木・HANAの2パターンを連載します!仕事・治療面において、夏八木とHANAの辿っている道はそれぞれ違います。今回は、夏八木が実体験をざっくばらんに語ります!夏八木は、PMS/PMDDの症状がかなり改善し、現在営業職として週5フルタイム勤務中。大学卒業後、中小企業に入社し現在5年目。

1. 現在の仕事・働き方は?


残念ながら、男性中心だし、封建的な風潮も強いからテレワークは出来ないよ。PMS/PMDDの症状が強い時に、フルタイムで週5出勤は本当にキツかった。緊急事態宣言中は在宅勤務がOKとなり助かったけど、結局元通りになっちゃった!もっとフレキシブルな働き方ができるようになったらいいのになぁと、モヤモヤした気持ち。体調不良で休む度に、有給休暇が減っていくから不安になる。

今は大学病院で治療をしていて、ディナゲストという生理をコントロールする薬を服用しているんだ。生理がほとんど来ないような状態だから、PMS/PMDDの症状はほとんど無いよ。今は9〜17時で会社に出社できている状態。でも、この薬に出会う前は症状が酷くて、仕事にも日常生活にも支障が出ていたから、2〜3日くらい突発で休みを取ることも多かった。

2. 今後の働き方についてはどう考えている?

PMS/PMDDの症状は治まったけど、実は退職を検討していて、こっそり自分の人生をデザイン中!多様な働き方を導入している企業も増えているから、今後はそういった職場への転職も視野に入れているよ。PMS/PMDDだけじゃなく、心身の状態や個人の事情に合わせて、企業の制度を上手く活用できたら良いなと考えてる。

3. PMS/PMDDの症状が悪化した背景には何があったと思う?


業務過多で残業が多く、職場の古い文化が自分に合わなくて、精神的にも身体的にもストレスが積み重なっていた。仕事の負担がPMS/PMDDを発症・悪化させる(1)から、それが主な要因だと思う。
入社3年目頃から生理前の倦怠感や気分の落ち込みが強く現れ始めて、月に2日程度、出勤が困難になっていったの。元々外出が好きな性格なのに、土日は家でぐったり。月日が経つに連れ、生きているのがやっと…という感じで悪化していったな。週末に気分をリフレッシュできず、月曜の出社が超憂鬱。ついに治療の必要性を感じて、通院したらPMS/PMDDであることが分かった。毎月のことだから上司に伝えた方が理解を得られるかと思って、私は直属の上司に伝えたよ。

4. 職場の上司にPMS/PMDDのことをオープンにした時はどういう反応だった?あと、その時の夏八木の心境は?

前の上司は50代男性で、最初は月経関連のことを伝えるのは気が引けた。でも、勇気を出して話したところ「無理しないでね」と言われてホッとしたんだ。

ただ、その後ショックな出来事があって…
PMS/PMDDが悪化して、2日半連続で有給休暇を取得した時があったの。
そしたら、上司が私の同僚に、私が休みがちな件について厳しく言っていたことが耳に入ったんだよね。正直、辛かった。「私だって休みたい訳じゃないけど、どうしても行けなかったんです!」と言い返したかった…。真面目に働いているのに、誤解が生じて、正当に評価してもらえない事に悲しくなった。それをきっかけに、仕事を休むと周囲から文句を言われないか不安な気持ちで一杯になったし「私はメンタル・体力的にも他の社員よりも劣っている」と責めてしまうこともあった。

でも、新しい40代の優しい男性上司に代わってから、PMS/PMDDが重いことを伝えたら、彼は「体調が優れないときは無理して出勤しなくていいからね。他の部分で頑張ってくれればいいよ。」と言ってくれた。元々色んな事をアドバイスしてくれたり、仕事で困ってる事があったら気軽に相談にのってくれる人だから、彼にPMS/PMDDについて伝えるのはあまり抵抗がなかった。他にも、生理休暇制度が使いづらいと相談したら「全然気にせず活用すればいいのに〜」と温かい反応だったから、それ以降は取得しやすくなって、働きづらさが若干緩和された。以前は有給休暇や生理休暇を取得することに後ろめたさを感じていたけど、それらの休暇は社員に与えられた権利だから、文句を言われる筋合いは無い!と今では割り切れるようになったよ。

5. PMSと仕事の両立において工夫していることはある?

生理の約2週間前からは、業績確認作業など数字をまとめる業務はあまりやらないように仕事を調整しているよ。PMS/PMDDの診断を受ける前は、仕事での入力漏れや金額の単位を誤るなどの些細なミスが重なり、どんどん自信を無くして、「どうやって改善したらいいんだろう?私ってこの仕事向いてないかも…。転職しよっかな?」って悩んでいたくらい。ちなみに、ADHDの可能性も考えて受診してみたけど、ADHD当てはまらないと診断された。

でも、大学病院で初診を受けたら、PMS/PMDDと診断されたと同時に、
先生が「生理前は前頭葉の働きが鈍くなって、集中困難になったり、ケアレスミスが多くなる研究結果が出ているのよ」と教えてくれたの!脳の仕組み・働きによって起こるものなんだって思ったら少し気持ちが楽になった!

急な業務依頼などもあり、完全に仕事内容をコントロールすることは難しいけど、生理前は自然とミスが増えると知っているだけでも心の余裕が出来た。出来ない自分を責めてしまう悪循環から、抜け出しやすくなった気がする。

6. PMS/PMDDのこと、職場に伝えて良かった?


良かったと思う。治療中である点と今後も突発的に有休を取る可能性がある旨を伝えて以降、上司や同僚から配慮してもらえる機会が増えたと感じているよ。ただ、必ずしも公表する必要はないと思う。「個人の体調は究極のプライバシー」だと捉えているから。

ちなみに、家族や友人にも自分の症状について説明した。実際、生理前の体調不良で当日に約束をキャンセルしてしまうことや家族と口論になることも多いんだ。でも、家族やパートナー、仲の良い友人など、特に身近な人には症状を知ってもらった方が、人間関係が良好に保てると考えているよ。


次回の記事では、HANAが実体験を語ります!私たちと一緒に、「月経関連症状×働き方」を考えてみませんか?コメントやメッセージを頂けたら活動の励みになります💛
 
“仲間はここにいます。
同じ悩みを抱えている仲間として、一緒に語り合いましょう。”
by HANA&夏八木 #NoMoreTaboo
※私たちのNoteでの「女性」という言葉は身体的性を指しています。
 
<参考文献>
(1) 武田雄二(2022)『PMS 月経前症候群: 正しい知識をもつために』株式会社メジカルビュー p42




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