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起きてるのに寝言言います。

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寝言は寝てから言え!なんて、そんなイジワル言わないで。
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#大人の読書感想文

やっぱり書く仕事がしたい

やっぱり書く仕事がしたい

佐藤友美・著「書く仕事がしたい」を拝読。

文章の書き方ではなく、書く仕事をするために必要な書く以外のことが書かれている、と著者が言う本。

どんな仕事でも、本質的に必要な素養やスキルのほかに、仕事として取り組むための周辺的なものというのがあるものだが、確かに本書は主にライターの仕事を通して”書く仕事”に必要な周辺的な要素について解説されている。

個人的な感想としては、古賀史健・緒「取材・執筆・

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「会って、話すこと。」が贅沢な今だからこそ、「会って、話すこと」を問い直す

「会って、話すこと。」が贅沢な今だからこそ、「会って、話すこと」を問い直す

「会って、話すこと。」(田中泰延・著)を読んだ。

なんなら2回読んだ。

前著「読みたいことを、書けばいい。」も何回でも読みたい本だが、本著はさらに何回でも読みたい本である。

会話術の本である。

いや、そう見せかけて、違う。

会話“術”という表面的なハウツーとは全く違う。

本著を通して、ユーモアとジョークを端折って伝わって来るのは、相手とどう向き合うかということだ。

会話である以前の、

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書くことの意味

書くことの意味

岸田奈美さんの「もうあかんわ日記」を読み終わった。

読みながら、そして読み終わって、内容そのもの以上に、“書くこと”の意味に思いが拡がっていった。

なぜ、ボクはnoteに文章を綴るのか。

岸田奈美さんは、自分の身に起こる悲劇を喜劇にするために書いた。

いわば、悲劇性を文章化して人目に触れさせることで、咀嚼して消化して、そこにある喜劇性を生み出し、一種のエンタメとして昇華するということだと解

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親の来し方を想う

親の来し方を想う

村上春樹『猫を棄てる』を読んだ。

戦争に翻弄された時間を胸にしまって生きる父。

その父の人生を記憶と記録を辿って綴る息子。

時空を超えた親子の結び付き。

強過ぎず、弱過ぎず、か細くも切れることのない、糸。

親の過去を受け継いで、今の自分がいる。
どういう形であれ、それは揺るがぬ事実。

それをどう受け止めて今を生きるか。
そしてそれをどう子に繋ぐか。

村上春樹さんがしたようにはできない

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目指せ、スリムなノーティスト

目指せ、スリムなノーティスト

note連続投稿で文章力を磨かんと意気込む上で、文章力を高めるためのインプットは欠かせない。

今回のこちらも、そのために手に取ったし、大変有意義だった。

意識しないと、というか、意識がズレる余計な言葉が増えるというとは、何となく実感しているのだけど、改めて解説を受けると納得が深まる。

そもそも、この本自体がとても読みやすいので、そこも説得力がある。

文例を用いた解説がわかりやすい。

時折

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フィクションに求めていたもの

フィクションに求めていたもの

岸田奈美さん主催で昨年開催された、 #キナリ読書フェス

5冊の課題図書全てを入手して臨むも、フェスに間に合ったのは、高校生から持っていた「銀河鉄道の夜」と、フェスきっかけで手に取った「世界は贈与でできている」だった。

残された3冊のうち、主催者・岸田奈美さんの「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」はフェス後すぐ読んだが、「くまの子ウーフ」と「さくら」は残ってしまった。

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ひたすら読む

ひたすら読む

岸田奈美さんは、本を読む際に気になる箇所にマーカーで線を引き、そのページに付箋を貼るのだとか。

「古本屋に売れない」とか「本が傷む」なんて言われてしまうようだけど、それは持ち主の自由だし、そうする意味もわかる。

でも、私はそれができないな、っていう話。

没頭できない私が没頭できる数少ない活動である読書。

没頭してしまうのと同時に、没頭したいという思いもある。

だから、家や職場ではあまり読

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