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週間日記

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ゆるい日記です。週に一回くらいの目安で更新します。
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出張とインク沼、ささやかなお祝い

出張とインク沼、ささやかなお祝い

ちょっと前、また出張で県外へ向かった。
会社勤めでなくなってから、どのような格好をして仕事に向かうのかと考えることが増えた。どうして服について悩むかというと、仕事先が自分なりのお洒落を知っていて、身に纏うもので自分の見せ方を心得ている人たちだということも大きい。
夏にも似たようなことで一度考え込んだけれど、しばらくは季節の変わり目ごとに頭を悩ませることが続くような気がしている。

会社という分かり

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うつろう季節とすみれ色の万年筆、告知

うつろう季節とすみれ色の万年筆、告知

陽が高いうちに外出したら、暑さが和らいでいた。まだ日中は夏の名残を感じもする地元だけれど、陽射しの柔らかさと影の静けさに驚く。もう秋なんだなと肌で感じると、少しだけ息がしやすくなるからいい。

季節のうつろいを感じるとともに、新しい万年筆がやってきた。
ずっといいなと思いつづけていた、ペリカンのスーベレーン M600 バイオレットホワイトのF(細字)。はじめてのペリカン、はじめての吸入式!

まろ

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無花果のホットサンド、薄くて軽やかなもの

無花果のホットサンド、薄くて軽やかなもの

無花果が並びだすと、夏の終わりを予感する。
もうそんな季節かと思いながらしばらくして、今年初の無花果を買った。

シンプルにそのまま食べるつもりで買ったのだけど、ふと思い立って、お昼ご飯にしてみた。無花果とクリームチーズのホットサンド。
まあ悪くはない組み合わせでしょうね、と一口囓ったら、予想していた以上においしくて、まあ……! としばし放心してしまった。まあ、としか言いようのない味だった。果肉の

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2020.8.25-30 付箋とプレイフルな色、なくしものとホテルステイ

2020.8.25-30 付箋とプレイフルな色、なくしものとホテルステイ

ここのところ、人生で一番というくらい付箋を消費している。
付箋は、使う前に糊がついていないほうを指の腹でぐっと押すようにして立ち上げて準備をする。ほんの少し浮き上がったところを弾くように撫でながら、ときどき一枚ずつ剥がして本の間に貼る。その感じが当たり前のようで新鮮に感じられるのは、たぶん、あまり付箋を使ってこなかったせい。

付箋はいつも、万年筆とインク瓶が描かれた小皿に入れている。墨っぽいイン

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2020.8.17-22 文章のひきだしと飽和する本棚、気晴らしとカッサータ

2020.8.17-22 文章のひきだしと飽和する本棚、気晴らしとカッサータ

世間ではいつまでのことを指すのかはっきりとわからないうちに、お盆期間が終わった。これはおそらく明けたんだろうな、と分かったのは、ホテルのライティング仕事が無事にフィックスしたから。

この仕事では、おいしい食事やホテルで過ごす素敵な時間についてけっこうな分量を書いたのだけどリライトもなく、少し心配になってしまうくらいにスムーズに終わった。こういう仕事では、ちょうどいいところにおさまりすぎず、すこし

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2020.8.10-16 オーバーナイトオーツとすずらんボウル、初秋の告知

2020.8.10-16 オーバーナイトオーツとすずらんボウル、初秋の告知

本当はリゾートホテル(ではたぶんない)での出張についてなど、週間日記の下書きもしていたのだけど、ぽっかりと間が空いてしまった。ぜんぶ夏がわるい。

出張は、iPad mini+Bluetoothキーボードという組み合わせが妙に受けたのが面白かったな。代わる代わる覗き込まれるので、自分のための取材メモを見られてしまうのはちょっと恥ずかしかったけれど。
そういう仕事であったので、出張中はひたすらもぐも

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2020.7.13-7.18 あたらしい私の色とクランブルケーキ、「よるのこえ」

2020.7.13-7.18 あたらしい私の色とクランブルケーキ、「よるのこえ」

暑さがいや増してきた先週は、すっかりリモートのつもりでいた仕事が生身でのことになったので、慌てて準備をしていた。

思いのほか大変だったのは、会社勤めではない「私」にちょうどいい服装を探すことだった。ゆるふわ無職になったときに、えーい、とそれまで仕事のときに来ていた服をばっさり断捨離したことや、会社勤めをしないでいた間に価値観が変化していったことも影響して、あたらしい「私」に塗る色をなかなか決めき

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2020.7.6-11 雨音のまどろみ、通りすがりの珈琲、チョコレート色に染めた髪

2020.7.6-11 雨音のまどろみ、通りすがりの珈琲、チョコレート色に染めた髪

雨の降る夜に小窓を開けていると、家の外壁を伝い落ちる雨粒が大きくなったな、と感じられるときがある。そのすべるような跳ねるような音が好きで、雨の日は小窓を開けている。

週の初めも、そんな夜だった。さらさらにほんの少しざらっとした感触の混じるシーツの上で肌を泳がせるようにしながらうたた寝するうちに、雨粒の滴りはどんどんくっついて連なって。まどろみがちに雨音を楽しんでいると、次第に窓の外はざわつくよう

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2020.6.29-7.3 気づけば育つ本の山、再読の夏

2020.6.29-7.3 気づけば育つ本の山、再読の夏

ベッドの積ん読本の山がすこやかに育っている。厳密には、近々読みたい再読本も積ん読にさし込まれている。
いまの家に越してからは、寝る前に読む本を置くくらいで積んではいなかったはずだった。なのに、ふと気づけば山ができていた。中高生のときはベッドの半分を本の山で埋めていて、それなりに眠れてしまうのでしばらくそのままだった。しかし長じるにつれて私にも分別がついたので、もう一列増やすのはかたく禁じている。上

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