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魂の交感から鎮魂へ。幽玄なる世界へと誘われる。 漫画「死者の書」★4

8世紀奈良、非業の死を遂げた滋賀津彦(大津皇子)の魂が目覚め、そして、藤原南家の郎女いらつめは、そこに尊いおもかげを見る。二人は交感し合い、郎女の純真な想いは滋賀津彦の魂を鎮めていく。

2015年 上下巻
近藤ようこ 原作折口信夫

分かりにくい原作も、こちらを読むとよく分かる。よく分からないトコや、うまく想像出来なかったトコなど、こちらだとスッキリ明解。解説本に留まらず、漫画作品としても良質で魅力的。

ただ、小説作品を他の絵として見るのには、良くも悪くもあるような気はするが。原作を読んでるときの想像を大事にしたいし、この幽玄なる世界観はやはり原作に及ぶことはできない。あたりまえか。

とは言え、この漫画は漫画で十分満足。なんとも郎女が可愛らしく、愛おしく、尊い。おもかげの姿も、イメージと違い、面白い。最後、郎女は涙を流していたが、どうなったのか…。

なも 阿弥陀あみだほとけ
あなとうと 阿弥陀ほとけ

(そもそも、この漫画はチベットの死者の書のものだと思って買っていたものだが笑、どうやら折口信夫さんの方だと気づき、原作を読むに至った。)




「死者の書」文庫
中公文庫岩波文庫角川ソフィア文庫、があるのかな。

人形アニメ版も!観たい!

★\(^^)/☆

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