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「ノストラダムスの大予言」昭和オカルトブーム

「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ182枚目

<「ノストラダムスの大予言」 © 2023 画/もりおゆう 水彩/ガッシュ 禁無断転載> 
<右のモノクロ線画2点は16世紀の印刷物の模写>


<「怪人ノストラダムスの肖像」* © 2023  画/もりおゆう 水彩/ガッシュ 禁無断転載>


ノストラダムスの大予言


1999年7の月に空から降ってくる恐怖の大王によって、世界は滅亡する!
これは、昭和48年(1973年)に出版された「ノストラダムスの大予言*」の一説。この祥伝社から刊行された一冊の解説本によってノストラダムスは昭和の大ブームとなった。覚えていらっしゃる方も多いのでは?
おりしも70年代は大オカルトブーム、恐怖の大魔王が日本中を席巻!

ノストラダムスは16世紀の怪人
ノストラダムス(1503/生〜1566年/没)は医術、占星術に通じ、預言者であり、また同時に詩人或いは料理研究家でもあった。
些か怪しげな人物でもあるが、王室や貴族の間で大いにもてはやされたと言う。言わば社交界の寵児となっていたようだ。ちなみに同時代の最も有名な歴史上の人物は、かの真正なる大天才レオナルド・ダ・ビンチ。

モノクロ画/上の小さな2点
これは当時の医師たちの服装を描いた銅版画を模写したもの。
ペスト治療時の医師達の姿が明瞭に描かれており貴重な資料かと思う。
ノストラダムスは南仏でペストの治療にも関わっていた記録があり、彼もこんな服装をしていた可能性があると言う*。 面白い(笑)

<当時の医師たちの服装を描いた銅版画 模写/もりおゆう>

モノクロ画/下
現存する最古の予言集の表紙(銅版画)
この予言集には3797年までの予言が収められており、恐怖の大魔王もここに描かれている。

<現存する最古の予言集の表紙(銅版画) Wikipediaより転載>


1970年代
この大予言の解説書「ノストラダムスの大予言(祥伝社刊)」は、昭和の世相を大いに騒がせた。当時は熱狂的なオカルトファンも多く、テレビ番組などでも熱い議論に花が咲いていたものだ。

「地球が無くなってしまったら〇〇公園に集合しよう!」
などと恐れた子供達も実際にいた。

無論、地球が無くなってしまえば公園もあるはずはないのだが、、、
子供達なりに大予言を楽しんでいたのかも知れない(笑)


大オカルトブームだった70年代。
エクソシストなどの恐怖映画がヒットした時代でもあった。


結論

幸いなことに1999年7月に恐怖の大魔王は地球にやってこなかった(笑)
オカルトファンは大いに面目を失ったとか・・・??
(だが、実際にはこの予言書には大魔王がやってこなかった場合の抜け道?も用意されている。そこがまた用意周到と言うべきか(笑))


*「ノストラダムスの大予言」 祥伝社刊 著者/五島勉  1973年刊
これは五島によるノストラダムスの大予言解釈本とされているが、かなり誇張されている部分もあることから、小説に近いものという論評もある.
*上のノストラダムスの肖像画(水彩)は現存する16世紀の絵画や版画を参考資料として私が制作した。しかし、いずれの資料も其々顔が違い、ノストラダムスがどんな顔をしていたかは実際の所判らない。あくまで私の想像上の怪人ノストラダムスだ。
*Wikipedia参照.

<©2023もりおゆう この絵と文は著作権によって守られています>
(©2023 Yu Morio This picture and text are protected by copyright.)


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