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音楽話

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投稿のメインです。自分の好きな音楽を勝手気ままに取り上げ、紹介していきます。
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2020年12月の記事一覧

(音楽話)34: Shirley Horn “Here’s to Life” (1992)

(音楽話)34: Shirley Horn “Here’s to Life” (1992)

【乾杯】

Shirley Horn “Here’s to Life” (1992)

大野えりというベテランのジャズ・シンガーがいます。たまたまYouTubeで見つけた、彼女が「50年ぶりにピアノに挑戦して」弾き語りした”Here’s To Life”の味わい深さに酔いました。

大野えり ”Here’s to Life” (2020)

このオリジナルを探すと、Shirley Hornというジ

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(音楽話)33: Billy Joel “Got To Begin Again” (1971)

(音楽話)33: Billy Joel “Got To Begin Again” (1971)

【諦念】

Billy Joel “Got To Begin Again” (1971)

Billy Joel。説明不要。日本でも大変人気の高いSSWですし、来日公演も何度かありました。私も1991年、東京ドーム公演を観に行きました(後日TVでも放映されました)。ライヴでは確か”さくら、さくら”を”My Life”の前に演奏してましたっけ。彼はソロ・デビューまで苦労があって(バンドに参加→売れず

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(音楽話)32: Andrea Bocelli and David Foster with Natalie Cole “The Christmas Song” (2009)

(音楽話)32: Andrea Bocelli and David Foster with Natalie Cole “The Christmas Song” (2009)

【だってクリスマスなんだから・その3】

Andrea Bocelli and David Foster with Natalie Cole “The Christmas Song” (2009)

クリスマス。由来や意味合いはさておき、信者であろうがなかろうが、人が人として人に優しくなれる日だと思いたい。少なくともそういう気持ちを持てる時期であってほしい。

クリスマス特集の最後は、日本では案外

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(音楽話)31: Frank Sinatra “The Christmas Waltz” (1954)

(音楽話)31: Frank Sinatra “The Christmas Waltz” (1954)

【だってクリスマスなんだから・その2】

Frank Sinatra “The Christmas Waltz” (1954)

クリスマス。由来や意味合いはさておき、信者であろうがなかろうが、人が人として人に優しくなれる日だと思いたい。少なくともそういう気持ちを持てる時期であってほしい。

イヴな今夜はFrank Sinatraです。
クリスマス・ソングといえば超有名曲”White Christ

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(音楽話)30: Ella Fitzgerald “Frosty the Snowman” (1960)

(音楽話)30: Ella Fitzgerald “Frosty the Snowman” (1960)

【だってクリスマスなんだから・その1】

Ella Fitzgerald “Frosty the Snowman” (1960)

クリスマス。由来や意味合いはさておき、信者であろうがなかろうが、人が人として人に優しくなれる日だと思いたい。少なくともそういう気持ちを持てる時期であってほしい。

実に多くのクリスマス・ソングが存在します。ここから数日はそれらをちょっと取り上げようかと。最初はご存知E

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(音楽話)29: NL Orchestra ft. Simone Lamsma “Schindler’s List” (2017)

(音楽話)29: NL Orchestra ft. Simone Lamsma “Schindler’s List” (2017)

【想い】

NL Orchestra ft. Simone Lamsma “Schindler’s List” (2017)

映画音楽の小作品を、オーケストラで。名作「シンドラーのリスト」のテーマ曲です。

「ニューシネマ・パラダイス」の”Se”同様、この映画の音楽も私は問答無用で泣いてしまいます。希望の光と底無しの暗闇が交差するような感覚に陥り、毎回心が掻き乱されます。じゃあ聴くなって話ですが

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(音楽話)28: Diana Krall “The Look Of Love” (2002)

(音楽話)28: Diana Krall “The Look Of Love” (2002)

【愛の兆し】

Diana Krall “The Look Of Love” (2002)

現代ジャズ・ヴォーカルの最高峰のひとり、Diana Krall。Elvis Costelloと夫婦であることも有名ですが、1993年のメジャー・デビュー以降14枚のアルバム・リリースと5度のグラミー受賞という名声を得てきた、名実トップなシンガーです。

64年カナダのブリティッシュ・コロンビア州生まれ。4

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(音楽話)27: Janis Joplin “Raise Your Hand” (1970)

(音楽話)27: Janis Joplin “Raise Your Hand” (1970)

【削命】

Janis Joplin “Raise Your Hand” (1970)

あまりに有名なシンガー、Janis Joplin。近いところでは5年ほど前、Natalie Portmanが出演したDiorのCMに”Piece of My Heart”が使われました。この曲がCMのストーリーをより印象的なものにしたと思うのですが…ご記憶ありませんか?(ちなみに私Natalieの大ファンです

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(音楽話)26: Dr. John “Locked Down” (2012)

(音楽話)26: Dr. John “Locked Down” (2012)

【クセ者】

Dr. John “Locked Down” (2012)

Dr. Johnは1941年、米国ルイジアナ州ニューオリンズ生まれ。元々はギタリストでしたが、61年にイザコザに巻き込まれ、友人を庇って左手を銃で撃たれ薬指が不自由になりその道を断念。キーボディストの道を歩み始めます。
ニューオリンズに伝わる伝統音楽に光を当てた「Dr. John’s Gumbo」(1972)、ダミ声な彼な

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(音楽話)25: Sarah Vaughan “Misty” (1964)

(音楽話)25: Sarah Vaughan “Misty” (1964)

【深声】

Sarah Vaughan “Misty” (1964)

ジャズ・ヴォーカルのある種の最高到達点だと私は思ってるSarah Vaughan。Billie Holiday、Ella Fitzgeraldと並んで「女性ジャズ・ヴォーカリストの御三家」といわれてます…がどうやらこの呼び名、日本だけみたい。少なくとも本国・米国でそのような括り方はしてないようです。数字で括るのって日本らしいで

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(音楽話)24: John Lennon “#9 Dream” (1974)

(音楽話)24: John Lennon “#9 Dream” (1974)

【夢の夢】

John Lennon “#9 Dream” (1974)

以前も書いたことがありますが、John Lennonは聖人君主でもなんでもありません。どちらかと言うとクズ野郎です。

反戦を歌い、メディアのインタビューで吠え、活動を強力に支援し、「Love and Peace」という言葉が代名詞になったJohn。しかしこのイメージは基本的に彼の死後に形成されたもの。実際の彼は粗暴で口汚

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(音楽話)23: 岩崎宏美 “思秋期” (2000)

(音楽話)23: 岩崎宏美 “思秋期” (2000)

【苦味】

岩崎宏美 “思秋期” (2000)

皆様ご存知、岩崎宏美。1974年に「スター誕生!」で8社からプラカードが上がり、翌75年に17歳でデビュー。キャッチ・フレーズは「天まで響け 岩崎宏美」。ちなみに同期は太田裕美、岡田奈々、片平なぎさ…豪華。
“ロマンス””センチメンタル””シンデレラ・ハネムーン””万華鏡””女優””聖母たちのララバイ”など、数々のヒット曲。ミュージカル出演も多数で

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(音楽話)22: Laila Biali “Take Me to the Alley” (2020)

(音楽話)22: Laila Biali “Take Me to the Alley” (2020)

【慈愛】

Laila Biali “Take Me to the Alley” (2020)

まず、この曲は私の好きなジャズ・シンガーGregory Porterの曲だということをお伝えしておきます。アルバム「Take Me to the Alley」(2016)収録の同名曲で、彼の温かい声が静かに聴く者を包み込んでくれる、とても美しい曲です。

Gregory Porter “Take Me

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(音楽話)21: Sade “Cherish the Day” (1992)

(音楽話)21: Sade “Cherish the Day” (1992)

【耽美】

Sade “Cherish the Day” (1992)

イギリス出身のSade(Sadeは4人組のバンドです)、デビューは1984年。最初から売れまくり、早々にグラミー最優秀新人賞受賞、アルバムを出せば全世界、100万枚単位で売れ、ヴォーカルのSade Aduのスタイルとルックスはファッション誌の表紙になるほどの人気ぶりでした。
人気絶頂の中、彼女の結婚・妊娠を機に94年頃から活

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