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【うたかたの日々のために。】No.21 「渡世」


 お祖父さま。お元気ですか。東京は寒いです。ひさしぶりにお便りいたします。『恥の多い生涯を送って来ました。 自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです。』とは、よく言ったもので、気づけばわたしも、そのような無頼きわまりない暮らしをつづけ、三十代も半ばにして、まるで渡世人のごときあり様でございます。いよいよ、退路は絶たれたと見えます。獣ゆく細道を、龍のように進むだけであります。世のため、人のため、故郷に錦を飾ることを夢みて、毎日のように都心での仕事に明け暮れ、人と会い、酒を飲み、飯を食い、稼いだ金を失くし、道化のように生きております。嗚呼、お祖父さま。わたしはこのままで宜しゅうございましょうか。この頃、自分独りの頭では、甚だ五里霧中、確信が持てないのです。あの世は居心地よいでしょうか。そちらが悪くないならば、死ぬ覚悟で渡世をひと頑張りしようと思う次第です。あなたの血が誇りであります。(狭井悠)


《今日のぼんやり》

 ほぼ毎日更新222日目。ほぼ毎日更新とはもう言えないくらいには、ずいぶんnoteを休んでいた。その間、何をしていたかといえば、現在、ジョーブログのジョー君率いる運営チームで進めている事務所の設営や、バー開業の打ち合わせである。

 フリーランスのルーチンワークで食っていく今までのスタイルから、組織にも参画しながら、多角的に自分の可能性を見極めるフェーズに足を踏み入れようとしているため、日々、五里霧中である。

 地元にいるときには、代わり映えのしない毎日の積み重ねの代わりに安定していたキャッシュフローも、変化の激しい都心生活の中で乱れており、フリーランスになってはじめて、個人事業主は決裁権があるからこそ大変だなと思う次第。

 目先の仕事だけではなく、未来の仕事にも自己投資する。さまざまな決断があり、因果関係があって、その繰り返しが、まだ見ぬ明日を作っていく。毎日が学びであり、刹那の積み重ねであることを身にしみて感じる日々。

 まさに「渡世人フリーランス」という感じの生き方になってきている。

 今は渦中ゆえに、毎日に翻弄されて言語化が遅れているものの、生きることであらたな芸の肥やしを溜めている感覚は、確かにある。

 今後とも、狭井悠をお見知り置きのほど、よろしゅうおたのもうします。

 最近は主に歌舞伎町界隈で仕事しているので、MSCばかり聴いている。


 今日もこうして、無事に文章を書くことができて良かったです。

 明日もまた、この場所でお会いしましょう。

 それでは。ぽんぽんぽん。


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