マガジンのカバー画像

批評&書評&音楽批評&散文

39
どこまでも善良な文章を集めました。読んで心地よい気持ちになってもらえたら嬉しく思います。
運営しているクリエイター

2019年11月の記事一覧

デニーロとアルパチーノがやってくれた

デニーロとアルパチーノがやってくれた

Netflixだけでなくハリウッド映画には腰のある映画が少なくなってきたと思う。それは観る側にも起因する。CGの発達によって、「あり得ないビビュアル」を私たちは大量に消費した。観ている映像はなんだか嘘臭さを増した。Netflixはそれを加速させたように思う。潤沢な製作費があれば才能がなくても大作映画が誰でも作れる。で、アイリッシュマンの話。
アイリッシュマンを観終えると、退屈な映画だったと云うかも

もっとみる
奇妙なダンス~尾崎豊~

奇妙なダンス~尾崎豊~

奇妙だったあの人の踊りの印象を映画『ジョーカー』を観て思い出した。

推しのアーティストについての記事を書くならスライダーズかエレカシかルースターズかあるいはフリッパーズギター、大滝詠一さんについて、なんて考えていたけれど、尾崎豊について書くことにした。
尾崎豊から三つ歳下の私は「若者の教祖」と彼が呼ばれていた時代のど真ん中で過ごしている。高校時代には尾崎豊ファンが周囲にたくさんいたけれど、でも

もっとみる
いいね前提の情報は嫌いだ

いいね前提の情報は嫌いだ

地続きに感じれる情報を私は好む。
放り投げされたようなニュースは、
はっきり言ってどうでもいい。
それは悲惨な事件や事故であっても。
それは感情的であっても。
道理に適ってない物言いであっても。
別にかまわない。
どちらかといえば、
「ロジックとして綻びなき、
ごもっともで御座います」
こういうのを、
放り投げされた情報と指している。
「ほら、正論でしょ?ほら、
共感する人多いでしょ?
だって合理

もっとみる
欠落の記憶をうめたいから

欠落の記憶をうめたいから

母親と会話した記憶があまりにも少なく、私が人とのコミュニケーションに難があるのは母親との少なかった会話によるものではないかと、考えることがたまにある。
人として身につけておかなくてはいけない基本的なことが多々欠落している。倫理観やら貞操感覚、そういったことが特に拗れたままだと思う。
人と接することは、幼稚園への入園から始まった。何をどうすればよいのかイメージが全く持てなかった私は周囲の園児たちを前

もっとみる
中田満帆さんの新刊本を読む前後に考えたこと

中田満帆さんの新刊本を読む前後に考えたこと

まだ観ていないけれど「宮本から君へ」が映画化されたようだ。新井英樹さんのこの漫画が連載されていた二十代の頃に毎週楽しみに読んでいた。主人公の宮本について最初は不快なだけだった。何かというと、表層的な善意を持ち出しているだけのようにしかみえず、恋愛についてもそうだ。ふられた宮本はヤケになって海に突っ込む。アオイやつだ。言い方を代えれば純粋・ピュアというやつ。屈折率の高い私にはあざといやつとしか映らな

もっとみる
たまたま運が良かっただけ

たまたま運が良かっただけ

#人生 関連の記事をチェックすると顕著なのが、起業成功系のハウツータネ明かし記事である。これを指差しするのはいかにも馬鹿で自分の人生不満だらけで他人への僻みが充満した下品な人間に思われるかもしれないが、、
まあ、他人の視線なんてどうでもいい。

で、この起業成功系記事へうんざりされているのは私だけなのだろうか?そもそもnoteとは成功者と成功者予備軍がマジョリティなのか?たしかに誰だって成功し

もっとみる