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関西では夏祭の料理に欠かせない魚「鱧(はも)」。関東では高級京料理店でしか食せないので高級魚となっていますが、関西では生活に密着した夏の魚です。

こんにちは、うだる暑さの中でも元気なDJムッチーです。
今日は各地で気温が35度を超えたようで、太陽はギラギラと照り付けて人間の精気を吸い取ろうとしているのではないかと思ってしまいますね。
ミュージシャンがオーディエンスのパワーを吸い取るためにライブを開催するのに似ているような気がします。
(僕は、音楽ライブに行くとヘロヘロになってしまいます。)

前回、前々回と、京都と大阪の歴史あるお祭りにをご紹介しましたが、その記事の中に出て来た「鱧(はも)」は、関東では高級京料理店でしか食せないとい高級魚になっているようですね。
関西以外の人々から、「鱧って、どんな魚なの?」って聞かれたので、今日は鱧についてお話ししたいと思います。

鱧はうなぎや穴子の仲間です

鱧という魚について

鱧は全長60㎝~1mほどですが、最大2.2mという大物が獲れることがあります。鱧はうなぎの仲間で、中日本より西の海で獲れます。産地は、大阪湾や淡路島が有名で、昔から京都の祇園祭で使われる鱧は、淡路島から運んだものが使われています。鱧道中と呼ばれて、現在でも桶に入れた生きた鱧を、淡路島から生きたまんま運ぶ行事があります。鱧は、桶に入れて長い距離を人力で運んでも生きている生命力が夏の料理に珍重される理由です。

うなぎと体つきは似ていますが、大きな口は目の後ろまで裂け、口の中には鋭い歯が2層に映えているので、捕獲した際に噛みつかれることに注意しないといけません。名前の鱧(はも)は、噛みつかれることからついたという説もあるほどで、多くの人が被害に遭っているようです。
因みに、鱧は中国語で「海鰻(ハイマン):海のうなぎ」と呼ばれていて、日本ではこれが訛って「はも」になったのではないかと、僕は推測しています。

結構怪獣っぽいですね

水深100mまでの沿岸で生息して、昼は砂や岩の隙間に潜って休み、夜に海底近くを泳ぎ回って獲物を探す夜行性の魚です。うなぎのように遠くで産卵するのではなく、近海で産卵することも分かっています。
血液には、うなぎ同様に血液に有毒なイクシオトキシンを含むので、生食は危険で、加熱処理して食べなければなりません。

「骨切りが」が欠かせません

鱧には、細長くて硬い小骨が無数にはえています。そのため、そのまま食べることができません。鱧を食べるには、腹側から開いたハモの身に、皮を切らないように細かい切りこみを入れて小骨を切る「骨切り」という作業が必要です。
この骨切りは素人にはなかなか難しい技術で、下手に素人がこれをやると身が細かく潰れてミンチ状になってしまいます。
京料理の熟練の板前は、はも切り包丁と呼ばれる専用の包丁で「一寸(約3cm)につき26筋」の刃を入れられると言います。京の板前の腕の見せ所で「骨切りの 手並みのほどを見届けん」という句があるほどの技術です。
骨切りの技術により鱧の消費が飛躍的に増えたのですが、関西圏以外では骨切りができる調理師は少なく、うなぎに比べ需要及び知名度が低いのはこのせいですね。

大阪の一般家庭では、骨切りはできないので魚屋で骨切りしたものを買ってきて、お家で料理します。
関西では一般家庭の夕餉に使えるほど鱧は生活に密着しています。
大阪の蒲鉾屋さんでは、鱧をつかった「鱧板」や「鱧竹輪」を作って残った、鱧の皮まで販売していることがあります。

専用の骨切り包丁で「一寸(約3cm)につき26筋」に刃は入れられたら一人前

鱧料理をご紹介

鱧おとし

「鱧落し」は、「鱧の湯引」とも呼ばれる料理で、鱧料理の定番です。
骨切りした鱧(はも)を さっと湯に通して(10秒ほど)、冷水に落とすから「落とし」と呼ばれます。「湯引き」は湯にさっと通すことに注目した名前ですね。先に皮だけを茹でるのがポイントです(30秒)。このことで、花が開いたような落しを作ることができます。
梅肉か酢味噌でいただくと、冷酒が進みます・・・
(大阪で夏に飲まれる柳影には、合いませんからご注意下さい・・)
京都で料理屋に入って、鱧を注文すると
「鱧はどないしはります?」と聞かれるので、「おとしで・・」と応えると、その後の料理のお勧めと客扱いが良くなりますよ(笑)

鱧おとし

鱧しゃぶ

鱧のしゃぶしゃぶですが、大阪の料理屋さんの作り方をご紹介します。
鍋に水を張り、出汁用の昆布と鱧の骨を入れます。
ここで、火をつけて出汁をとりますが、グラグラ煮立たせないのがコツです。40℃~60℃のぬるい湯が良い出汁の出る温度です。
鍋のアクをとったら、まず野菜を少しずつ入れて、鱧の皮側を下にして野菜の上に置きますと・・活きた鱧が縮まって自然に野菜を包んでくれます。
お好みの火加減でお召し上がりください。
(鱧の骨がなければ、昆布だけでも美味しいですよ)
(ポン酢でいただくのも、美味しいですよ)

鱧しゃぶの後は雑炊も美味しいですよ

鱧すき

鱧すきを紹介するのは、鱧のすき焼きと思ってほしくないからです。
鱧すきとか、うどんすき、のすきは、農具の鋤(すき)のような浅い鍋で作る鍋料理のことで、いわゆるすき焼きのような濃厚なものではありません。
そもそも、すき焼きは焼くもので煮るものではないですからね。。大方の皆さんが煮て食べてるすき焼きは、牛鍋のネーミング間違いです。
僕の友人はすき焼きの最後にうどんを入れるのをうどんすきだと思ってました・・・ありがちな間違いですね

白身で淡白な旨味の鱧ですから、昆布だしの鍋にしてください。
鰹出汁に濃い口しょうゆでの味付けだけは、鱧の味を引き立てないのでお控え下さい。そしてすき鍋はグツグツ煮ないこと、それさえ守れば、普通の寄せ鍋の様にいただけます。
関東の方の監修した鱧すきのレシピには、しょうゆの色の鍋を見かけますが、それだけはおやめくださいね・・(笑)
暑い時期なので、ビールが進む味付けがいちばんではないでしょうか?

浅いお鍋で、グツグツ煮ないのがコツです。

鱧の照り焼き

鱧の照り焼きは、大阪では付け焼きとも呼ばれる庶民の味です。
照りを付けるタレは、焼き網にのせて中火でこんがりと焼いた鱧の骨を使います。骨がない時は、省略してもOK。スーパーではなくて魚屋さんで鱧を買うと骨ももらえます!(買い物はお近くの魚屋さんで!)
鍋に照りタレの調味料をあわせ、魚の中骨を加えて火にかけ、煮立ったら弱火にする。あくを取りながら全体の1~2割の量を煮詰め、最後に漉すとできあがりです。照りタレの調味料は、みりん、濃い口しょうゆ、酒、みりん、たまり、砂糖(ザラメ)を美味しく混ぜてください。しょうゆ・さけ・みりんは1:1:1でOKです。
照りタレができたら、鱧を網で照りタレをつけながら焼いてください。
けしてフライパンで焼かないでください・・味が魚に入りすぎます。

フライパンで焼いたりしないでね

鱧の料理はその他、棒寿司とか天ぷらとか、さまざまな楽しみ方があります。是非、夏の京都、大阪で鱧料理をお楽しみください。
京都は、鴨川の床でお料理を頂くと、涼しくて京情緒も味わえます。
USJもいいけれど、大人の旅も楽しみましょう!

それでは、今日はこの辺で失礼します。
話のネタに困ったら使ってくださいね。

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第三回トークイベントは、土曜のお昼に開催しようかと
考えています・・・詳しい日程が決まりましたら発表しますね

じゃあまたこの次
DJムッチーでした。

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