けっして長いとは思わない。 彼女はもちろんいつも横にいる。 彼女はわたしにとっても、 それ以外のものにとっても憧れなのだろう。 「まつげ、めっちゃ長くない?」 「…
好きな映画はあれよ。 タイトルは何かしら。 今日はあの子たちは池袋へ映画を観に。 帰りは遅くなると言っていた。 今は何月かしら。10月。 いいえ、もう12月よ。 仕方な…
6:44a.m. 物音に目が覚めて、気付くと自分だけ何の準備も出来ていない。まだ、ギリギリの時間。一人ならば余裕の。 6:50a.m. コーヒーを淹れないと。私の任務。というか、…
あのペンギンたち。 ガラス越しに見える、あのペンギンたち。 こちらを見つめている。 きっとこんな光景を、 何度も目にしているのだろう。 少なくとも、数週間は。 それ…
明るいブラウンにした。 きっと好きだから。 少しして、黒になった。 思うより長い時間で。 そこだけが甘い。 黒はとても苦くて、短い。 プリンより、 チョコレートケーキ…
彼が帰ってきた。 とても長い旅であった。 どこへ行っていたのかは知らない。 何処であろうと気にすることではない。 彼がアパートを借りた。 もう旅には出ないのだろう。…
蜜を集めている蜂は、針を持たないのだと、 そう得意げに彼は教えてくれた。 私にとって、そんな事は何も意味を持たず、 まして蜂に針が有ろうと無かろうと近づくことはな…
もうそこには居ないと思うと涙が止まらなかった。 昨日までそこで、モクモクと、私は餃子が好きで、 仕事では今これをしていると話すあなたがいた。 急に連絡をして、時間…
珈琲に甘みが要ることはないのに。 予定もなく、ここ数日の天気予報に続く服装で外に出てしまった。すれ違う人たちは、もちろん今日にあった服装をしている。 今日はアイ…
タイトルは自分が子供の頃に聴いていた、大江千里の"夏の決心"から。ポンキッキーズが大好きだった。 "夏の決心"の歌詞の中にある好きなフレーズ。 あの頃は分からなかっ…
はじめまして。モテキシュンと申します。 どこか表現する場をさがしていました。 言葉を組みあわせるのが好きだったのかもしれない。それが今になって、表に出したいとい…
モテキシュン
2021年5月24日 22:19
けっして長いとは思わない。彼女はもちろんいつも横にいる。彼女はわたしにとっても、それ以外のものにとっても憧れなのだろう。「まつげ、めっちゃ長くない?」「瞳(め)もめっちゃきれいだよね!」「私もあの子みたいになりたいわぁ」女子たちが彼女の周りを囲んでそう言う。たしかに彼女の瞳は美しい。身長も高くて、細身でスラっとしている。海外のモデルさんみたいに。おまけに名前もマリアという。
2023年12月12日 16:52
好きな映画はあれよ。タイトルは何かしら。今日はあの子たちは池袋へ映画を観に。帰りは遅くなると言っていた。今は何月かしら。10月。いいえ、もう12月よ。仕方ないわ、10月のように暖かいもの。あの子たちは。今日は遅くなるのよ。池袋へ映画を観に。バッハの平均律が流れている。珈琲は私には甘く、あなたには苦い。タイトルはもう思い出せないわ。貴方と一緒にどこかで観たのよ。
2023年11月27日 08:10
6:44a.m.物音に目が覚めて、気付くと自分だけ何の準備も出来ていない。まだ、ギリギリの時間。一人ならば余裕の。6:50a.m.コーヒーを淹れないと。私の任務。というか、使命。どこかの人気のパン屋のパン。バターのそれがふたつ。パンを頬張り、そのまま洗面台で、ある程度の状態にする。7:15a.m.いつの間にか遅くて、冷たくて温かい朝。少し早足で。この時間が好きで。だから少しの早起きも
2022年8月22日 02:18
あのペンギンたち。ガラス越しに見える、あのペンギンたち。こちらを見つめている。きっとこんな光景を、何度も目にしているのだろう。少なくとも、数週間は。それはペンギンで、私は一羽の頭を軽く撫でた。この空気は特別で。そこに写る自分がまるで本物かのように思わせる。そこでの時間は短い。果てた時間は私を絶望させる。帰れば、この纏った幸福を、落とさなくてはいけない。すぐに。
2022年8月17日 14:37
明るいブラウンにした。きっと好きだから。少しして、黒になった。思うより長い時間で。そこだけが甘い。黒はとても苦くて、短い。プリンより、チョコレートケーキがすきだ。
2022年8月11日 22:43
彼が帰ってきた。とても長い旅であった。どこへ行っていたのかは知らない。何処であろうと気にすることではない。彼がアパートを借りた。もう旅には出ないのだろう。私は、引越しを手伝った。彼の宝ものたちを飾った。どこかの喫茶店のコースター。町のチラシ。押し花。どこで撮ったのかも分からない写真。それを大きく引き伸ばし、額に入れて。「鋲でなくて大丈夫かしら」少し、不思議がって
2022年8月4日 00:45
蜜を集めている蜂は、針を持たないのだと、そう得意げに彼は教えてくれた。私にとって、そんな事は何も意味を持たず、まして蜂に針が有ろうと無かろうと近づくことはない。私はその蜂が必死に集めた蜂蜜が好きではない。あの、ヌッと甘い、いかにもという感じが好きではないのだ。「まるであなたの様ね」絶望した。私はそうなのであろうか。母の言葉は、優しかった。私は母に彼のことを話した。蜂の話
2022年8月3日 00:50
もうそこには居ないと思うと涙が止まらなかった。昨日までそこで、モクモクと、私は餃子が好きで、仕事では今これをしていると話すあなたがいた。急に連絡をして、時間が合えば会う。そんなラフで適当な関係であった。もう何年になるだろう。時を重ねる毎に、不思議と。何か、嬉しいこと、悲しいこと、辛いこと。深くまでは分からないけれど。それに反応して。「なんでわかったの」それを分かっている
2022年6月24日 01:10
珈琲に甘みが要ることはないのに。予定もなく、ここ数日の天気予報に続く服装で外に出てしまった。すれ違う人たちは、もちろん今日にあった服装をしている。今日はアイスティー。それに、ガムシロップを2つも入れる。冷たい、混ぜても。今年は梅雨入りが例年より早いとか。でも関係なく、外は暑く渇いていた。それは、ここ数日の話。甘い。飲む。今日は何も無い1日だと思う。メイクもせずに。まだ
2022年6月23日 23:32
タイトルは自分が子供の頃に聴いていた、大江千里の"夏の決心"から。ポンキッキーズが大好きだった。"夏の決心"の歌詞の中にある好きなフレーズ。あの頃は分からなかった。ほんとに夏休みは短い。夏休みというか、人生はほんとに短いんだろうなと。だから、今自分が何を撮りたくて、撮るべきか。そんなことを考える写真旅に出ようと思った。世の中には、未踏の場所が無数にあって、日々変化してゆく。自分が
2021年5月23日 17:02
はじめまして。モテキシュンと申します。どこか表現する場をさがしていました。言葉を組みあわせるのが好きだったのかもしれない。それが今になって、表に出したいという気持ちに変わったのかな。とりあえず書いてみようと思います。ゆるい時間と一緒に、誰かの、何かに寄り添えるような文章を書いていたいと思います。 #日常 の、自分のなかのテーマを、ゆるゆると #短編小説 や #エッセイ に。これ