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福島県への風評加害・情報災害問題

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情報災害としての福島県への風評被害問題および自主避難者問題について
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#自主避難者

水耕栽培の成功を喜んでいた鴨下祐也氏が原発事故の被害者に転向した理由と騒動の発端

水耕栽培の成功を喜んでいた鴨下祐也氏が原発事故の被害者に転向した理由と騒動の発端

『当事者が語り部化してアンタッチャブルな存在になる』で鴨下家の自宅がALPS処理汚染水差止訴訟原告団事務局として使用されていたことについて書いた。
これら鴨下家にまつわる事情を会員限定記事で論考し明らかにする。

鴨下祐也氏は2012年2月に、いわき市で行っていた水耕栽培を土壌汚染の心配がないものと評価し、野菜の甘さに顔をほころばせる学生を見て「あの時、続けると言ってくれたことに感謝したい」と言っ

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語られてこなかった自主避難/保養という名の不可解な旅行

語られてこなかった自主避難/保養という名の不可解な旅行

整理・タイトル写真
加藤文宏
協力/ハラオカヒサノ

第一回

第二回

不可解な保養が作り出した被害幻想 「保養」と聞けば、体を休ませて健康を養うことを思い浮かべるのが普通だ。だが避難や移住を意味する「保養」があった。厳密に言えば、今もある。この「保養」は2011年に発生した原発事故のあと登場し、きわめて特殊な活動であるため一部の人々には強烈な印象を残したが、特殊さゆえに実態が一般に知られないま

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語られてこなかった自主避難/母たちを動かした助言者と支援者の実態

語られてこなかった自主避難/母たちを動かした助言者と支援者の実態

整理・タイトル写真
加藤文宏

前回なぜ母親たちは自主避難を選択したのか250キロメートルも離れた場所から

 2011年3月11日に発生した福島第一原子力発電所事故に際して、首都圏で被曝を恐れる人々がいたのは奇妙なことではない。ところが真偽不確かな情報を真実であると確信する者が多数現れ、しかも科学的で合理的な説明を受け入れず、家族を割ってまで母子のみで関西や沖縄などへ避難する者が現れたのは反応が

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語られてこなかった自主避難/証言で綴る母と子の実態

語られてこなかった自主避難/証言で綴る母と子の実態

整理・タイトル写真
加藤文宏

 筆者と協力者による首都圏からの自主避難者への帰還支援は営利のための活動ではありません。協力者は福島県から神奈川県に避難した震災被災者の女性Hと、この女性の旧友Mでした。MがHに紹介した避難相談が筆者にもたらされて円満解決した実績をもとに、寄せられる事案が増えて第二、第三の相談例になりました。自主避難女性にとって、同性かつ避難者であるHの存在は心を開きやすかったもの

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災害時の不安と危機感から発生した攻撃衝動/首都圏からの自主避難者研究

災害時の不安と危機感から発生した攻撃衝動/首都圏からの自主避難者研究

東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故は、原発から250kmも離れ科学的見地からも安全が見込まれていた首都圏で自主避難者を生み出しました。記事『なぜ首都圏は恐れいつ忘れたのか 放射線デマと風評加害発生の構図』で、首都圏で悪しき風評が生まれ、拡大され、この風評が信じられた背景を整理しましたが、今回は不安と危機感から攻撃衝動が発生した原因と、風評加害との関係を考えます。

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『なぜ首

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不安や恐怖を共感しあう。いつまでも安心を得られない。だから怒りと悪意をぶつける。

不安や恐怖を共感しあう。いつまでも安心を得られない。だから怒りと悪意をぶつける。

不安を解消するのではなく、不安に依存する人たちがいます。あたりまえですが、いつまでも安心を得られません。これは明日の私たちの姿かもしれません。あるいは、私たちは解消されない不安から生じたストレスの吐口にされるかもしれません。

構成・タイトル写真
加藤文

特殊なようで普遍的 福島県への風評加害についての研究会に出席することになり、過去に私が関わった首都圏から自主避難した母子や女性にまつわるできご

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