マガジンのカバー画像

福島県への風評加害・情報災害問題

56
情報災害としての福島県への風評被害問題および自主避難者問題について
運営しているクリエイター

#デマ

生成AIがデマを連れてくる──福島県への蔑視画像問題から

生成AIがデマを連れてくる──福島県への蔑視画像問題から

加藤文宏

はじめに 前回、ストックフォトに福島県を蔑視する画像が数多く含まれ、これらが販売されていた問題を制限なしの無料記事で取り上げた。

 前掲の記事では、需要があるため画像がつくられ販売されていることと、蔑視画像が公序良俗に反していないとされ販売事業の審査を通過していることを指摘した。
 またストックフォトで販売されている、福島第一原発の事故を実際より深刻に見せかけるショッキングな画像に、

もっとみる
風評と怒りの伝道者 山本太郎研究

風評と怒りの伝道者 山本太郎研究

── 第3回 ──
コラム編

加藤文宏

 原稿を書き終えようとしていたとき、岸田総理大臣が和歌山市の漁港で爆発物を投げつけられる事件が発生した。この事件を重ね合わせながら当記事を読んでいただければ幸いだ。これはテロへの衝動と賛美にも通じる問題である。

宮下公園再開発をめぐるツイートから 今回は、山本太郎と高学歴で上位階級への帰属意識が強い左派層(いわゆるバラモン左翼)が、衆愚政治・扇動政治・

もっとみる
風評と怒りの伝道者 山本太郎研究

風評と怒りの伝道者 山本太郎研究

── 第2回 ──

独自解析や集計ほか先行研究の紹介をまじえ論考しています。第1回より長文なので、結論をお急ぎのかたは「目次」から「まとめ」に飛んでお読みください。またグラフや図はクリック/タップすることで拡大できます。

加藤文宏

第2回のはじめに 本論は第1回から、山本太郎とは何者か、彼の政治とは何かを、印象で語るのではなく実際のできごとと数値や数量を突き合わせて解明している。

 「 風

もっとみる
風評と怒りの伝道者 山本太郎研究

風評と怒りの伝道者 山本太郎研究

── 第1回 ──

加藤文宏

山本太郎は何をしたのか 原発事故を契機に首都圏から避難したいと願った人と、中部・北陸以西の地域に自主避難した人に聞き取りを行うと必ず山本太郎の名前があがる。山本から反原発のみならず放射線への考えかたや、いかに行動すべきか影響を受けたというのである。

 しかし具体的にどのような言動に影響を受けたかを聞くと、答えに詰まる人が多かったものの、山本によって「やったら、や

もっとみる
鼻血デマから考える情報災害を拡大した報道災害/首都圏からの自主避難者研究

鼻血デマから考える情報災害を拡大した報道災害/首都圏からの自主避難者研究

いまだにALPS処理水を汚染水と呼ぶなど、虚像をもとにした情報操作が行われているため風評被害が長期化しています。マスメディアや活動家が生み出した虚像は風評加害そのものです。目に見えない放射線の、存在しない被害を、虚像で可視化したはじまりは「鼻血」報道でした。この問題はマスメディアが社会的にも、政治的にも異論の者を沈黙させ、一地域を抑圧できる権力であることと、報道やコンテンツが暴力そのものであること

もっとみる
なぜ首都圏は恐れいつ忘れたのか 放射線デマと風評加害発生の構図

なぜ首都圏は恐れいつ忘れたのか 放射線デマと風評加害発生の構図

被曝を恐れて首都圏から自主避難した女性たちがいます。東京都、埼玉県、神奈川県で過剰反応が生じ、デマが生産され消費されていた様子が国内の興味や関心の度合いを示すデータに表れています。なぜ首都圏で被曝を恐れる人々が多数登場して、いかにして首都圏で福島産の品々は忌避されるに至ったのでしょうか。悪しき風評が生まれ、拡大され、その風評が信じられた背景を整理します。

構成・タイトル写真
加藤文

はじめに 

もっとみる