日本に生まれて良かったと心から思う時〜「練り切り」という職人芸との一期一会

もうすぐ、おひな祭りですね。

和菓子はお好きですか？

私は、「練り切り」という和菓子が大好きです。

何ともいえない上品な甘さと、ねっとりした舌触りが、あとを引く美味しさです。

ねっとりした食感は、山の芋。

四季折々の風物詩を型取り、細かい手作業が生み出す職人芸です。

小さいお菓子なのに、大きな存在感。

味わい深く、味覚も心も満たされます。

ひと目で季節を連想させる美の世界です。

京都で初めて、目の前で職人の方が作る工程を見た時は感動でした。

緻密に作り上げる、繊細で美しい作業です。

思わず見とれてしまいます。

程よい緊張感とともに、和菓子の出来上がり。

見惚れて、食べてしまうのが惜しい…と思いつつも、欲求を満たす方が勝ち…。

おいしい！

一瞬のうちに美しい作品ができあがり、一瞬で形が消えていく、その儚さ。

その儚さゆえに、ひとつひとつ丁寧に作られる過程への愛おしさを感じます。

その余韻を含んでいただくお抹茶は、格別でした。

お茶の楽しみは、和菓子との一期一会。

お茶のお稽古は、その出会いに釣られて通っていたようなもの。

日本の伝統美は、厳格で繊細な中で、美しさが際立ちます。

日本の四季折々の情緒を表現する和菓子。

その中でも、繊細で上品な美しさを代表する「練り切り」は、まったりと緩やかに和ませてくれます。

先人の美意識に脱帽です。

おひな祭りは、和菓子と共に、日本の美を再発見する時でもありますね。

そして、継承する伝統があることに、心より感謝します。

素敵な「おひな祭り」をお迎えください。

今年は、どんな和菓子と出会えるでしょう。楽しみですね。