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信号 灯 水槽

夜のロードサイドにぼんやり光るそこにはあたたかみがある。
けれどどこかしんとした怖さや寒さのようなものも感じるのはわたしだけかな。
人が思い思いの買い物目的で寄る場所、人工的な灯りと機械的な雰囲気、
でも人が居る24時間ずっとあいているその場所に。
 
しばらく臥せっている間に、
以前書いた改装中にもロゴが光っていてたコンビニが再開していた。
日曜の夜、すこし歩いて行くと青白い灯りに吸い寄せられるように人が入っていくのが見えた。
 
水槽みたい。
 
と、ぼんやり思ったのは赤と緑でもなく緑と青でもなく青と白のライトだからかも。
 
リニューアル後の店内は陳列棚の様子が随分と変わっていた。
品数は少なくなったもののごちゃごちゃ感がなくなっていて、
これまで以上に清潔感も感じられて、明るい。
 
でも店内では年寄りが戸惑っていた。
戸惑って戸惑って体に悪そうな缶チューハイ1本だけとか煙草1箱だけとか買って行ったりしてた。
 
正直あまり治安がいい地域ではない。
というと語弊を招いてしまうか。
大阪梅田に近いにしてはあまり豊かというかお金持ちな家は少ない地で
ってこれも語弊を招きかねない書き方だな。
年配の人やお年寄りがとても多く、
駅前のスーパーはセルフレジ化されしばらく経つのだがいまだに慣れず戸惑っている人も多い。
何度か知らない人に手助けを求められたりした。
年寄りは変化を好まないというかなかなか適応できないことが多いのかなかもなと思った。
それはそれが駄目だとか劣っているとかじゃない、
出来ない(ことが多い)という事実だけ、ズンッと来たというだけ。
 
そりゃそうやんね。戸惑うよねえ。
 
灯。だけど。水槽。
 
きれいになってうれしい。
でもきれいにしすぎた水槽の中では泳げない魚も居るし、
息苦しくなる人や生きていきにくいひとも居る。
なんて、青白い光から出たあとで思った。
コンビニは皆のもの、誰も除け者にはしない場所、
一日中休みなくあいていて、あけてくれていて、せやから物騒もあるかもしれないけれど、でも、皆の場所、誰でも入れ誰でも買い物できる場所。
 
前がよかったむかしがよかったと言いたいのではない言うのではない。
今の方がいい。見やすいし買いやすいし清潔だし安心安全だ。コンビニは、便利だ。てか、不可欠だ。不可欠のうらには24時間あけるために働く人もいる、24時間あいていて行けても生きていきにくい人もいる。
 
そうやんな。そうやんね。とかね。
 
灯という言葉を例えとして使うときや使いたがる人って、
なんか酔ってることも多いように思う。
「灯を消さない」とか「灯を消さないために」とか。
いや酔ってはないだろう。
けれどなんかそう言っている自分に何パーセントか酔ってるように見えたり聞こえたりする、のは、こちらのほうが性格曲がっているというかヒネクレてるかな。
わざわざそのなんだか大仰(?)な言葉をチョイスするあたりに感じる何か何かしらへの違和感とか何かかな。
大事で深い言葉だと思うから余計にかな。かもな。
 
水槽を出たら躑躅が咲いてた。ツツジ。その赤、赤紫色が、目にぱぁっと。
 
ふと思った。
 
黄色もあったらええね。
 
そういうこととちゃうか(笑)
 
 
 

この続き(続きじゃないけど続き。笑)でしたとさ。


昨今のいろんな問題や現象など目に付くことを重ねて、というか、考えて考えてもう~んみたいなことを考えてたら、なんかこんなん出ました笑

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【略歴や自己紹介など】

構成作家/ライター/エッセイスト、
Momoこと中村桃子(桃花舞台)と申します。

旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。

普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。

劇場が好き。人間に興味が尽きません。

舞台鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)と、
学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)、
本を読むことと書くことで生きてきました。

某劇団の音楽監督、
亡き関西の喜劇作家、
大阪を愛するエッセイストに師事し、
大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリー。
lifeworkたる原稿企画(書籍化)2本を進め中。
その顔見世と筋トレを兼ねての1日1色々note「桃花舞台」を更新中。
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