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ごはんぐるり

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ごはんにまつわるエッセイです。
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竹富のジーマミー豆腐

竹富のジーマミー豆腐

ちょうど一年前の今頃。
わたしたちは、新婚旅行で竹富島を訪れた。

「一週間もいて、何するの!?」

旅行で竹富島に一週間行くと話すと、大抵の人にはそう驚かれた。

竹富島は、石垣島からフェリーで10分のところにある小さな島。
半日あれば十分に観光ができるような場所だ。

これといった観光する場所もない島での一週間。

島を自転車でまわったり、八重島そばを散々食べたり、石垣島まで足を延ばしてマング

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春を迎える準備

春を迎える準備

毎日のように通っているスーパーに、少しずつイチゴの占める面積が増え始めると、春が来るんだなあと思う。

少し前に、お買い得になっていたイチゴを買って食後に食べたら、酸っぱいイチゴだった。

最近は甘〜いイチゴばかりになったけど、子供の頃は、かなりの確率で酸っぱいイチゴが食卓に出てきた気がする。

酸っぱいイチゴがあると、必ず”いちごみるく”にして食べる習慣があった。

“いちごみるく”と言っても、

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おばあちゃんのナポリタン

お腹が空いて冷蔵庫を開けると、余った焼きそばと、ピーマンと玉ねぎとベーコン。

焼きそばに付いているソースの味付けは、大抵どんな具材でもおいしくしてくれると信じているので、「ナポリタンみたいだな」と思いながらも、パスタではなく焼きそばを作ることにした。

中途半端に野菜を残したくなくて、残っていた玉ねぎ半分と、ピーマン2つを全部切った。けれども、その量がひとり分でないことは明白だった。

ひとり暮

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大好きな"おいしい映画"

大好きな"おいしい映画"

映画を集中して見るのが苦手です。

話題作を見に行っても途中でウトウトしてしまって友人に怒られたり、映画好きの人に紹介してもらった映画を見ても、ちっとも良さがわからなかったりする。

そんなわたしでも、何度も何度も繰り返し見る映画がある。そう、それは、おいしそうなご飯が出てくる”おいしい映画”である。
”おいしい映画”は、漏れなくおもしろい。これは映画に限らず、ドラマや本も然り。

わたし

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カリッカリッのトースト

カリッカリッのトースト

朝はとにかく時間がない。

特に冬の朝は、布団から出るのがすごくムズカシイ。遠くで鳴るスヌーズを何度も何度も聴きながら、低血圧のせいにして、ギリギリまで布団の中にいる。

寝ぼけまなこで起きたら、着替えて、顔を洗って、洗濯物をまわして、お弁当の準備、朝ごはんの準備…次から次へとやらなければいけないことがある。

朝ごはんは基本的に、前日のお味噌汁の残りと、6枚切りの食パンのトースト。(なんともいえ

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お正月とサンドイッチ

お正月とサンドイッチ

実家から戻るバスの中、母が作ってくれたサンドイッチを食べた。
ハムとタマゴとレタスが入った、なんてことない普通のサンドイッチ。
それがなぜだか、お正月に食べたどのご馳走よりおいしく感じた。

大好きなお寿司、カニ、ピザ、すきやき、しゃぶしゃぶ…お正月のご馳走攻めに疲れてしまったのだろうか。実家から帰るというノスタルジーな状況のせいだろうか。母の顔が浮かぶからだろうか。テレビも話す相手もいないバスの

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マカロニ

マカロニ

夫が忘年会でいない。
夫の夕飯を作らなくていい。自分の好きなものを食べられる!(歓喜)

そんな日にパッと思い浮かぶのが、「マカロニサラダ」や「ポテトサラダ」。

夫は、マヨネーズで和えた物と、きゅうりが嫌いだから、普段は「ポテトサラダ」や「マカロニサラダ」を出すことができない。

そういえば、友人でも、マヨネーズが嫌いな子がいて、その子の実家はマヨネーズで和えたポテトサラダと、ケチャップで和えた

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ロイヤル白ごはん

ロイヤル白ごはん

むかし、ごはんを釜のまま、何もかけずに3合一気食いしたという友人の話を聞いて、かなり驚いた記憶がある。

おかずやふりかけ無しに、ごはんをそのまま食べることができなかったわたしは、そんな自分が子供っぽく、なさけなく感じた。素材をそのまま味わうことができる友人に、尊敬の念すら覚えた。

そんなわたしが、最近になってやっと、白いごはんのおいしさをわかるようになってきた。といっても、その“白いごはん”

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毎日のお弁当作り

毎日のお弁当作り

お弁当が好き。
食べるのも、作るのも、こっそり人のお弁当を覗くのも好き。
節約になるし、健康にも良いし、何よりおいしい。

むかし、「その時に食べたいものを決めたいから、お弁当が嫌いだ」と言っている友人がいた。なるほど、と思ったが、わたしは、お弁当のおかずを楽しみに仕事を頑張れるタイプだ。

独身時代は、残業もあって、なかなか料理する機会もなかったが、二人暮らしを始めてから、ほぼ毎日、夫と自分用の

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