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めんま、
2019年2月8日 19:21
踵を潰した。枯れてゆく花を数えて、公園の砂場に落ちた寂しいスコップを見つめる。そんな人生を送っているのが主人公の僕である。泣き腫らした目と赤い鼻、下を向いたまま声を殺していた彼女を思い出すたびに心がずきずきと痛む。それでも尚、飄々としながら息をしていた。なかなか かさぶたにならないこの傷は、一生治らないんだろうなと、どこかで諦めがついていたのだ。 アイスを買いにコンビニへ
2019年2月9日 23:46
2019年2月22日 01:49
懐かしい匂いを辿った、なんの匂いだったかなんて思い出せないまま、虚しさだけが心に残る金曜日。ベランダにはカビの生えたサンダルが腰を曲げて佇んでいた。「あんたもあたしと一緒ね」独り言がこぼれ落ち、それと同時にヤカンがうるさくあたしを呼ぶ。急いで台所に向かい、ガスを止めた。気取った生活が息苦しそうに喉元を押さえていた。味もわからないコーヒーを入れながら、少し焦げたトーストにバ
2019年2月25日 17:31
彼がお風呂場にもトイレにも携帯を持っていくようになったのが、去年の冬ごろだった。気にしないようにしようと思っていたけど気になるし、そんなちいさなことを気にしている自分が嫌いだった。煙草の銘柄もあれだけ変えなかったくせに、ころっと変わった。それも同じ頃だった。その時、彼になんとなく聞いたことがある。「どうして変えたの?」彼は無愛想な声で答えた。「飽きたからだよ」その時、悟