政宗九
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最近の中公文庫の「渋いミステリセレクション」が素晴らしい
ども。政宗九です。
今日は軽いネタで、皆さんのご機嫌をうかがいます。
書店で仕事していると、日々の新刊が連日たくさん入ってくるので、すぐにはい次、ってな感じになって流れ作業になりがちなんですが、
時々立ち止まって吟味することも大事かな、と最近思っています。
特に文庫は、どこの出版社も毎月のようにたくさん出されることが多いので、一カ月経つともう次の新刊が出て流れていくものですが、ふと立ち止まって、
話題の時代小説、白蔵盈太『実は、拙者は。』をミステリ的な視点で読んでみた
ご無沙汰しております。
このnoteを「本のネタ」を書くところだと自分でハードルを上げていたためなかなか書けなかったのですが、単純に本の感想でもいいかな、と思い始めたので、これからそういった記事も書いていきますね。
今売れている話題の時代小説文庫がありまして、
白蔵盈太さんの『実は、拙者は。』(双葉文庫)です。
2024年5月の新刊ですが、重版に重版を重ねているらしくて、確かによく売れてます。
小川哲『君のクイズ』きっかけで振り返る、私のTVクイズ視聴歴(なお出演経験はない)
小川哲さん『君のクイズ』(朝日新聞出版)を読んだ。
傑作である。
クイズ番組「Q-1グランプリ」の決勝、これで一千万円の行方が決まる、という最後の問題で、「問題ーー」と言った瞬間、ライバルの本庄絆が解答ボタンを押した。
「ママ. クリーニング小野寺よ」
で正解、本庄が優勝する。
前代未聞、驚異の「ゼロ文字解答」だ。
三島玲央は、この番組をVTRで振り返り、この問題がヤラセだったのか、本庄の実
ミステリマニアにこそお薦めしたいQuizKnock動画7選(2022年8月現在)
2021年に突然、QuizKnock動画にハマって、およそ1年。今では毎日、何度でも繰り返し観ているチャンネルのひとつだ。
QuizKnockそのものは、かなり以前から知っていたのだが、それは「東大クイズ王・伊沢拓司さんがやっているクイズ専門のチャンネル」くらいの知識しかなかった。他のメンバーのことはもちろん、どういう動画をアップされているのか、全く知らなかった。
2020年の年末に、角川文庫
政宗九セレクト「西村京太郎トラベルミステリーベスト5」
2022年3月に91歳で亡くなられた西村京太郎さん。
列車を舞台にした「トラベルミステリー」を中心に多くの読者に親しまれたことは有名です。
また、ミステリファンにとっても、特にトラベルミステリー発表前に発表された作品に名作が多いことでも知られています。
西村京太郎さんの作品世界をまとめたムック『西村京太郎の推理世界』が文藝春秋から発売されており、西村さんの作品についてや、貴重な記事がたくさん収録
狭くて深かった読書範囲を広げてくれた「本屋大賞」という存在について
(2022年註:これは私が2012年にfacebookで投稿していた文章を転載したものだ。転載にあたり、一部構成を改め、不自然な箇所を修正した。また、新たに註を追加している。
ちょうど十年前の今日投稿されていたため「思い出」として流れたものだが、今読んでも全く考えに変わりないと思ったので、転載する次第である)
自分は昔も今もミステリマニアだが、ほんの10年ほど前までは、「ミステリしか読まないマニ
【再録】中川右介『国家と音楽家』レビュー
中川右介さんの『国家と音楽家』が集英社から文庫版で出た。
中川右介『国家と音楽家』(集英社文庫)※HonyaClub商品ページ
親本は2013年に七ツ森書館から出た作品だが、親本発売当時に、私は本書のレビューを「図書新聞」に寄稿していた。
ここでは、そのレビューを再録する。
これがきっかけで、『国家と音楽家』に興味を持っていただけると、とても嬉しい。
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