政宗九セレクト 2022年上半期この10冊

早くも2022年の後半に入った。
最近は自分で読書記録をきちんと残さなくなってしまった(単にズボラだから、bookmeterとかもやってるのについスルーしてしまうのだ)ので、時々、自分の読書を振り返って、面白かったものをピックアップしておかなければと思う。

というわけで、2022年上半期に読んだ本から、ベスト10をランキング形式で挙げていこう。

第10位 真下みこと『茜さす日に嘘を隠して』青羽悠『青く滲んだ月の行方』講談社

2冊セットで第10位。同じ小説世界を女性の視点と男性の視点で描くことで、多角的に深みが出ている作品。なぜか女性視点の『茜さす日に嘘を隠して』の方がより共感した。
自分からは明らかに世代が違うので、考え方などで違いを感じるが、いや同じじゃん、って思うところもあって面白かった。

第9位 岩井圭也『生者のポエトリー』集英社

「詩」の力で人が殻を破り、詩が人を繋げていく。詩が持つパワーを感じる作品集。ラストの展開も憎いくらい上手い。

第8位 大木亜希子『シナプス』講談社

理性と本能の間で揺れ動く女性心理を描いた作品集。こういう小説はあまり読まないが、これは本当に上手いと感じた。

第7位 逸木裕『五つの季節に探偵は』KADOKAWA

ミステリとしての完成度の高さと、女性探偵の成長を見届けていく物語の素晴らしさ。

第6位 結城真一郎『#真相をお話しします』新潮社

「王様のブランチ」効果で、いま市場在庫がないのでは? と思われる作品(随時重版中とのこと)。これもミステリの切れ味が鋭く、現代的ネタを使ってここまで驚かせるアイデアが見事。

第5位 葉真中顕『ロング・アフタヌーン』中央公論新社

作家志望の女性が書く小説を通じて、編集者と作家志望者の二人の女性が通じ合う話。作中作がめちゃくちゃ傑作!

第4位 早見和真『八月の母』KADOKAWA

後半、どんどんドツボに嵌っていくのに抜け出せない不思議な感覚。絶対に結末が最悪になるのに、どうなるのか気になって読み進めてしまい、最後にグッタリする。小説のものすごい力を感じる作品。

第3位 阿津川辰海『入れ子細工の夜』光文社

ミステリを知り尽くした作家が、ミステリという枠からはみ出さないながらも、変化球を繰り出しまくったような作品集。知識に裏打ちされた安心感と、その完成度。

第2位 アンディ・ウィアー『プロジェクト・ヘイル・メアリー』早川書房(リンクは上巻)

内容については全く言えないけど、とにかく面白いから読んで、と言いたくなる作品。後半の展開とか、読んだ人同士で語り合いたくなる。

第1位 加納朋子『空をこえて七星のかなた』集英社

素晴らしい。傑作。どんなに言っても言い足りないくらい。
全ての人にお勧めできる点でも最高にいい。読み終えたら、明日からも頑張ろう、みたいな感情が押し寄せてくる。


この10作品のほかにも素晴らしい作品がたくさんあるのだが、泣く泣く絞った結果である。
なおこれは、7/5(火)の夜に本間悠さんとやった
「今年上半期の本を語り合うスペース」で紹介した作品である。
本間さんのセレクトもnoteに公開されるかも知れない。

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