記事一覧
こんにちは! 松本路子マガジンです
マガジン始めました月間4〜7回の新作記事を目指しています。現在制作中のニキ・ド・サンファルの映画のこと、世界各地のアーティストたちとの出会いの物語を中心に、折々の写真やエッセイを掲載していきたいと思っています。内容はいろいろですが、まずは以下の興味ある8本の幹から枝葉を伸ばします。ご購読いただけたら嬉しいです!
Contents 記事の主な内容○ニキ・ド・サンファルとの出会いの物語&アート・フィ
ハノーファーの3人のナナたち~映画撮影ノオト
ニキ・ド・サンファルの女性像の総称「ナナ」。ドイツ、ハノーファーのライネ河岸に立つ、カラフルな3体の像は「ハノーファーの3人のナナたち」と呼ばれている。彼女たちは初めて美術館から街に飛び出したナナだ。逆立ちし、踊り、どっしりと構える3人は、かつてのハノーファー王国の王妃や歴史上の人物にちなんで「カロリーネ」「シャルロッテ」「ゾフィー」と名づけられている。
1974年に設置された当時、胸と尻を強
ニキ・ド・サンファルからの絵手紙
映画の編集もほぼ終了し、上映の日程を調整中。上映と同時期にシンポジウムを企画。ニキ財団の理事であり、ニキの孫のブルームさんにゲストスピーカーとして来日してもらうことになり、その調整で、予定より公開が少し先になりそうです。決まり次第ご報告させていただきます。
現在、ホームページの制作も進んでいて、そこに掲載する写真をあれこれ思案する中で、思い出したのがニキから届いた絵手紙。額装してしまい込んでいた
石岡瑛子さんの70年代を物語るポートレイト ~撮影ノオト
先週、あるテレビ番組の制作者から、番組内で石岡瑛子の写真を使用したいというオファーがあった。私が彼女を撮影したのは、1977年。パルコのポスターなどの、アート・ディレクションの仕事の最盛期ともいえる頃だ。
撮影場所は、石岡瑛子デザイン室と渋谷のパルコ館内で、ポスターやパネルと一緒に写真に収まっている。当時のポートレイトはあまり存在しないのか、以前にもNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」とい
映画のナレーションの収録、小泉今日子さんの声が素敵です。
ニキ・ド・サンファルのドキュメンタリー映画が少しずつ完成に近づいてきました。一時的にAIの声でナレーションを入れていたのですが、それに代え、スタジオ収録した声を映像と組み合わせたところです。
ナレーションを担当してくれたのは、小泉今日子さん。大人の女性の落ち着きと、弾んだトーンをあわせ持った素敵な声で、ニキと作品のことを語ってくれました。彼女のナレーションが加わったことで、今まで見ていた映像が立
ニキ・ド・サンファルの自宅を訪ねて~撮影ノオト
フランスの造形作家ニキ・ド・サンファル。私がパリ郊外のニキの自宅兼アトリエを訪ねたのは1981年6月だった。当時のパリ、ポンピドゥー・センター館長だったポンテュス・フルテン氏がニキに引き合わせてくれた。
ニキは1963年に、パートナーの彫刻家ジャン・ティンゲリーとともに、この家に移り住んでいる。それまで暮らしていたパリ市内のロンサン袋少路のアトリエが取り壊されることになったのがきっかけだという。
井津建郎写真展「祈りのかたち」から、オリジナルプリントの醍醐味。
先週の日曜日、ルーニィ247の井津建郎展「祈りのかたち」を拝見した。映画の編集がなんとか一段落し、編集室からの帰り道に立ち寄った、久しぶりの写真展。
ブータンのポートレイトは折につれ写真集『BHUTAN』を開いているが、超大型カメラで撮影されたプラチナプリントで見る作品は、また格別。そこに在る人々の透明なまなざし。長い時間、祈ることの気配が堆積した空間。人と空間のアウラがそのまま写し込められてい
写真をコレクションするということ
昨年10月から今年の2月にかけて、東京国立近代美術館のコレクション展で、松本路子の写真作品が展示されました。「Portraits 女性アーティストの肖像」シリーズの収蔵作品のうち、14点が一つの部屋にまとめて展示されるという、良い機会を得ることができました。
展示が終了して間もなく、スイス人のコレクターからメールが届きました。近代美術館の展示を見たが、作品を購入することは可能か、というお問い合
ユサユサ揺れるバナナの葉が心地良い朝!バルコニー便りです。
夏の日差しの中で、バナナの葉が風にユサユサと揺れている。ここは都心のマンションのバルコニー。4年前に園芸店のカタログで、アイスクリームバナナ(正式名はブルー・ジャヴァ・バナナ)という苗を見つけて、その美味しそうな名前につられて衝動買いをしてしまった木だ。
マンション住まいで、バナナの木を育てられるか考える前に、注文してしまうのが、いつもの私。6月に届いた苗は高さ40センチほどのか細いもので、やや
ニキ・ド・サンファルの「タロット・ガーデン」撮影ノオトから②
「皇帝」のカード
タロット・ガーデンの丘を登ると、「皇帝」のカードをモチーフにした建造物が現れる。ニキはこの場所を「城」と呼んでいた。中庭の回廊には、360度にわたり大アルカナのカードと同じ数、22本の円柱が並んでいる。
円柱にはニキが生涯にわたりモチーフにしてきた無数のオブジェが施され、壁面のレリーフとともに、壮大な宇宙を形成している。それらは人々に自由と幸福をもたらす、造形と色彩のカーニ