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ハノーファーの3人のナナたち~映画撮影ノオト


ニキ・ド・サンファルの女性像の総称「ナナ」。ドイツ、ハノーファーのライネ河岸に立つ、カラフルな3体の像は「ハノーファーの3人のナナたち」と呼ばれている。彼女たちは初めて美術館から街に飛び出したナナだ。逆立ちし、踊り、どっしりと構える3人は、かつてのハノーファー王国の王妃や歴史上の人物にちなんで「カロリーネ」「シャルロッテ」「ゾフィー」と名づけられている。
 
1974年に設置された当時、胸と尻を強調した色鮮やかな作品を、スキャンダラスとする反対派と、おおらかな女性像だとする賛成派が激しく対立し、意見を闘わせた。ニキアート財団の記述によると、両者の勝敗は綱引きで決まったのだという。
 
当時の社会的状況からすると、ナナたちの弾けたさまは、長い間理想とされてきた女性像への反撃ともいえるものだった。その存続の是非を綱引きで決めたという話は、少なからず感動的なことに思える。

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