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[OldCityBoy的「映画」考察] 宮本武蔵(1954) ➡漫画"バガボンド"を映像化したような映画(当然、順序は逆ですが)

1954年のアカデミー賞(名誉賞)を受賞したとのことで、見てみました。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00ZZ0OBKA/ref=atv_hm_hom_c_TEdR0r_2_2

あの"バガボンド"を映像化したような映画でしたが、当然順序は逆で、この映画を井上雄彦さんが漫画化した、と言う方が正しい表現です。

漫画を映画化する(そしてがっかり)、
はよくありますが、
映画を漫画化する、
は自身は聞いたことがなく、そんな意味で興味深い作品でした。

映画の感想としては、
"バガボンド"そのままで、この漫画をとても良く実写化できている!
になるのですが、繰り返しになりますが、当然順序は逆で、当時この映画を見られた方は、我々が初めて"バガボンド"を読んだような気分になったのかな~("面白い!"という意味)、と推測しています。

"バガボンド"との違いを敢えて言うと、"悪鬼な武蔵"の表現でしょうか。映画では、三船敏郎演じる主人公の武蔵は"暴れん坊"と説明されてますが、今風でいうとADHD(全くじっとしていられない人)で、人から疎まれる感じを非常にうまく表現しています。一方、漫画"バガボンド"の若い武蔵は、男前すぎて上記な感じは個人的にはそれほど受けませでしたが、比較されるとさらにこの映画が面白がれると思います。

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以下、項目が散らかって、読みにくい考察になります。うまく1つのストーリーにできませんでした、ごめんなさい。
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■ADHDな若者を表現した映画と時代背景
ほぼ同じ時期の名作である"エデンの東"も、ジェームス・ディーンがADHDな若者を演じてます。調べてみると、アメリカも日本も好景気で、どうも映画を作る大人が自分たち以外にも目を向けれる余裕ができたのか、大人でも子供でもない若者、いわゆる“ティーンエイジャー”がクローズアップされたようで、この時期はそんな表現が世界的に流行ったみたいです。

自身は、グレーな若者の苦悩を、直接的に、そして暖かい目で描いた映画を観たことなかったので、とても新鮮でした。(妻曰く、自身もグレーが入っているそうです….)

■"漫画の始まり"は実は…
実は漫画の始まりは"映画"を絵に興す、から来ています。最近は完全に順番が逆転してしまって、漫画→実写化、な流れに慣れ切ってますが、実は逆です。そんな意味でも、漫画家志望の方はこの映画をご自身で漫画にしてみて、それを"バガボンド"と比べると、大変良い勉強になると思います。

■井上雄彦さんが"バガボンド"をアニメ映画化することを妄想してみる
"スラムダンク"のアニメ映画化は皆さんご存知の通りですが、"バガボンド"がもしアニメ映画化したとしたならば、
実写映画→漫画化→アニメ映画化
という、いままでにない全く新しい流れになるな~、な妄想だけでニヤニヤできるのは自分だけですかね…。


■なぜこの映画がアカデミー賞(名誉賞)を取れたのか?
この映画が公開された1954年までのハリウッド映画で、
剣や木刀で直接殺し合う、
という日本人には当たり前な直接的残虐表現をしている映画は、実はないような気がします。
西洋映画での殺し合いは、やはり銃を使うものがほとんどで、なんだかんだで、人と人が顔を見合わせて本気で殺し合う、な表現を無意識に避けているような気がしており、宗教観によるものかな?、と思ってしまうのですが、そんな意味でも海外の人からはこの映画は新鮮に映ったのかな?、と勘ぐっています。

と、語ることが多い映画でした!



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