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[理系による「映画」考察] 風と共に去りぬ(1939) ➡この世のものを超越した人間描写を成功させた意味で拍手を送る

もはや、人間描写を超越しており、妖怪夫婦大戦争映画です。

3時間半の巨編を見終わったとき、えー!なんじゃそりゃ!ありえへん!!!、と思わず声をあげてしまいました…。というのも、ラストはもはやなんの論理性も無く、その非論理性は"黒蘭の女"を超越しており、"風と共に去りぬ"に比べれば"黒蘭の女"は全然論理的でした…

さらに、すごいのは、情念系女の極みを描いた"黒蘭の女"をさらに超える女(もはや妖怪)が出てきたことと、さらにさらに、その女妖怪と対等に戦える男(これも妖怪)を描けているところで、この2妖怪を戦わせる演出にて妖怪夫婦大戦争を描き、ゴリゴリ理系の自身に、ラストはどっちが勝つんだ!?、と手に汗握らせた事実です。

この映画を時系列に説明すると、まず前半ですが、"黒蘭の女"を陰とするならば、"風と共に去りぬ"は画をロココ風にして陽に見せてはいますが、ゴリゴリ理系からすると、あぁ、黒蘭の女とかぶってるな~、の印象でした。

が、後半から人間の営みを超えた妖怪界の話になってきます。まあ、自身の美貌を利用し、妹の恋人を取り、夫とすることで資金を調達し、ビジネスを始めること、自体はまだ人間の営みの範疇ですが、その夫が自身のために亡くなったあたりから妖怪っぷりが出てきます。

実はその前から男妖怪であるバトラー(クラーク・ゲーブル)から、あなたは妖怪なのだからこちら側に来なさい、とちょいちょい誘われているのですが、バトラーといよいよ結婚することで晴れて妖怪界に入ります。

そっからはもう妖怪夫婦大戦争漫才です。で、結局最後は女妖怪の勝利に終わるのですが、この妖怪に敵う者などもはやいないのでは…。

そういう意味でも、この女妖怪と対等に戦えた男"バトラー"には拍手を送りたいし、それを演じれる唯一の人間であるクラーク・ゲーブルにも拍手を送りたいし、無敵な女妖怪を演じれるヴィヴィアン・リーにも拍手を送りたいし、そんな演出ができた映画自体に拍手を送りたい次第であります!

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