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"エゴサ"は宝の山!先に繋がるエゴサーチのやり方 後編

ええんやで、ニックリ、#こてつおいしい、#甲子園の味、牛野郎、#こてつかわいい、#こて活…

突然だが、いきなり僕が呪文のように羅列したこのワード。
何のことだかお分かりだろうか?

実はこれ、僕が担当だったときによく使っていたフレーズだ。
なぜこんなものを使っていたかというと、キャラ付けもあったのだが、もう一つ大きな目的があった。

これもエゴサし続けることで、
購入のきっかけを作る。

ということだ。
前編の際にも書いた

単語のツイートをする

僕がエゴサして拾う

買ってみる(リピートする)

僕がそれをエゴサする

のループを再現しようとしたのだ。
今回はその中でも僕が特に重視した、

ニックリ & #甲子園の味

を用いて説明する。

さて皆さんこの2つにはある共通した項目があるのだがお気付きだろうか?
それは、

ブランド名もしくは社名と
一切関連しない単語

ということだ。
このことがどういうことを意味するかというと、

という図式になる。
第3のアプローチにより、前回の相関図から不足分を補完したのだ。
(と言いつつも、 #甲子園の味 については近似ワードに近い)

しかしだ、それ以前にこれを読まれてる方は疑問に感じてることが1つあると思う。

ニックリと甲子園の味ってなんやねん?
( `・д・)っ))ナンヤネンッ

てなわけでここで「ニックリ」「#甲子園の味」について簡単な説明をする。

まず「ニックリ」だが、これは僕が元々語尾に「ニッコリ」という表現を好んで使っていたのが事の始まりだ。
ただこれは所謂 "ネットスラング" 的な表現技法で別段オリジナリティもない。
しかしとある #肉の日 に僕は思いついた。

「肉の日やし、ニッコリをニックリにしたらいいんじゃね?肉アカウントやからニックリ🍖にしたろ‼️」

そんなわけでニックリ🍖を使い始め、意外に収まりがいいもんだから日々使い続けることで周囲に浸透していき、気付いたらバリエーションも増え、他の方も真似し始め、いつの間にか僕の代名詞となった。
そうしていくと、こんなツイートだけでなかなかの反響をいただき、

先日も空間管理が得意な公式と一緒に東京でとあるイベントを実施した。
(ちなみに後編の執筆が遅れているのはそのためである汗)

ただこれだけだと内輪ネタだ。
一般のフォロワーさんにどう影響したかというと、

このツイートはブランド名も社名も一切入っていない。
しかし間違いなく購入したと分かるツイートなのだ。
つまり、

僕が何気なく作ったフレーズが、アカウントの代名詞となり購入にも繋がったのだ❗

きっかけなんて実に他愛もないもんである笑

このケースのポイントは、既存のものとは全くの別のフレーズを作りそれを浸透させたことによる、新たな購入動機を生み出したという点だ。

個人的にこれに近い事例だと思うのが、とある家電量販店とある電話会社による #ビッカメ娘 プロジェクトだ。

元々「ビッカメ」という言葉自体はビックカメラの略称ではある。
が、そのフレーズを用いての擬人化プロジェクトを実施したことで言葉に意味を持たせた上で、各店舗のキャラクターに「○○たん」というニックネームが自然発生している。
そうすることで、新たな顧客流入のきっかけを作っているし、結果的にTwitter以外でも他社との差別化を図れている。

新たに作ったフレーズに意味を持たせることに成功しているのだ。

次に #甲子園の味 についてだが、実はこれ僕が作った造語ではなく、れっきとした商標だ。
僕の担当していたブランドのオールドファンの方ならご存知だと思うが、#甲子園の味 は約40年前に販売開始されたのだが、当然ながら当初はブランドの知名度は低く、浸透するまでに同じ西宮の「甲子園」というネームバリューを頼ってキャッチフレーズとして活用していた。
だが僕が在籍していた頃は、それに頼らずとも日本でも最高クラスの知名度のブランドとなっていたためすっかり過去の遺物になっていた。
しかしある時僕は気づいた。

「これってめっちゃ使えるワードじゃね?」

「甲子園」ってワードは単なる地名としての枠を遥かに超えた非常にポジティブな意味のキーワードだ。
尚かつ #甲子園の味 は自社商標なので、(社内を除けば)誰からも文句を言われる筋合いもない。
それとブランドの持つ知名度を組み合わせたら最強の組み合わせになるに違いない❗

僕の目論見は見事に成功した。
特に効力を発揮したのは高校野球シーズンだった。

高校野球というのは甲子園球場で期間中は毎日日中に開かれる。
そして毎日、"高校野球"と一緒に"甲子園"がトレンドワードにもなるのだ。
そう、期間中は勤務時間中に #甲子園の味 が喧伝できるまたとない機会だったのだ❗

加えてスポーツというのはことTwitterと相性が良い。
それを実証したのが昨年行われたラグビーワールドカップだ。
第二回でも触れたが、Twitterアカウントというのは拡声器だ。
その拡声器を自前のものはいかに高性能にしつつも、いかに他の拡声器でも伝えていただく(拡散する)のが企業公式Twitterアカウントが成功する鍵だ。

僕がマーケターとしてTwitterに新たな可能性を感じたのがこのラグビーワールドカップだった。
テレビでリアルタイムで流れていたものを、同じくリアルタイムでSNSで言語化して投稿していくという、

"マスとデジタルの融合"

先日のお笑い芸人とコーンフレークの事例のように、リアルタイムで起こる化学反応はまだまだ予測不能な面はあるものの、間違いなくこれからのSNS運用で新たなポジティブな一面を生み出すことだろう。
僕もとあるテレビアニメとのコラボを放映中から仕掛けてやったが、その時の反響は凄まじいものだった。

ただし、スポーツで難しいのはプロスポーツと今年東京でやるアレに関することだ。
前者はスポンサードな関係性を持っていない場合は個人の嗜好に関わってくるので、注意という名の敬意を払った方が良い。
後者は言わずもがなだ。
僕の場合は #甲子園の味 で尚かつ甲子園球場内に商品を卸していたので、西宮のプロ野球チームを取り上げるのは恐らく問題は無かったのだが、それでもかなり慎重に対応した。
と言いつつも、僕の場合はその場の流れで同じ西宮のプロバスケットボールチーム山形のとあるプロサッカークラブと交流してたりするので、その辺は臨機応変にした方が良い。
現にとある飴アカウント大分のプロサッカークラブはTwitterがきっかけで交流が生まれたという事例もあるのだし、がんじがらめにしてもSNS特有のケミストリーは生まれない。

というより、ルールでガチガチに固めないとSNS運用が出来ない企業は、はっきり言ってSNSなんてやらない方が良い。
何度でも言うが、SNSマーケティングやブランディングはあくまで手段の1つであり、他にも有効な手立てはある。
(資金的に厳しい中小企業はそうとも言えないが…)

僕みたいなパーソナルな運用が難しくても、カジュアルに運用するだけで無限の可能性があるのだ。

と、少し話が逸れてしまったが、そんな高校野球に特に上手く乗っかることが出来たツイートがこれだ。

ぶっちゃけてしまうと、このツイート自体は大して中身はない。
ただポイントだったのはこのツイートをしたタイミングだ。
この時、ちょうど甲子園中止Twitterのトレンドに入っていたのだ。

Twitterというのは毎日トレンドと呼ばれるワードがタイムリーに流れる。
人気公式アカウントになるためには、まずここを上手く乗っかかることがポイントだ。
これはとある関西の某私鉄アカウントの方に教えていただいたのだが、

Twitterとは大喜利である。

だということを認識しながらぜひ運用してみてほしい。
僕もそれを念頭に置きながら日々運用しつつ、時には1000を超えるいいねやRTをいただくこともあったり、トレンドの1位になったこともあった。
その辺の詳しい話はまた別の機会に話したいと思うが、要はタイミングなのだ。

昨日も個人アカウントで上手くトレンドに乗っかったら、40万を超えるインプレッションをゲットしていた。
5万超だったアカウントでなく、若干400の個人のアカウントでだ。
(余談だが、僕が現役時代の時でもインプレッションが40万超えのツイートが出来たのはそんなにない笑)

というわけで、こちらもツイートしていくうちに最終的にはこのような反応をいただくようになった。

誤解を恐れずに言うと、僕が担っていたブランドは過去の栄光に頼っていると言わざるを得ない。
しかしだ、それなら存分に活用すればいいのだ。

オールドファンの方には、懐かしい記憶が掘り起こされて新しい購入機会が生まれるし、新規の方にも共通単語から交流のきっかけが生まれるチャンスだ。

こちらのケースは特に歴史あるブランドを持つ企業公式担当はぜひやってみてほしい。

#人をダメにするソファ や、 #お菓子のホームラン王 などは最高のリブランディングになるだろう。

ということで、後編は「キャッチフレーズ」の重要性について説明した。

ちなみになぜニックリ甲子園の味を取り上げたかというと、

新しい何かを生み出すことの大切さ

過去の遺産を再活用することの大切さ

という相反する2つの事例だったからだ。

僕もそうだが、ブランディング戦略を組むときまずは新しいことに目が行きがちだ。
それ自体はとても大切なことだが、しかし一方で今までに築き上げたものでもちょっと見方を変えるだけで大きく様変わりすることも得てしてある。

ことエゴサーチにしても、やり方次第で非常に効果的なブランディングに繋がるのだ。
そしてそんなエゴサはどの企業公式でも無料で行えるので題材とした。

余談だが、僕が担当していた頃に運用でもっとも時間を割いたのがエゴサだった。
と言っても始めた当初はフォロワーも770人。
前編でも書いたが、最初は1日1件でもツイートされるとガッツポーズするくらいだった笑
それをコツコツと試行錯誤して、気付けば55,000人にもフォロワーが増え、毎日どこかしらからツイートしてもらう日常は、当然ながら業務に割く時間は激増して負担になってはいたが、それを差し引いても利益にも貢献しているので、充実した楽しいひとときだった。

取材を受けたり、イベントに出るだけでちょっと注目される存在になったことも確かに良い経験だったが、やはり日々の取り組みが目に見える形で花を開いてくれたことが何よりも嬉しかった。

マーケティングって仕事と一緒でTwitter運用も日々の積み重ねなのだ。

そんな思いを少しでも皆さんにお伝えできれば幸いです。

おっと、1つ大事なことを言い忘れてました。

(「ニックリ」はフリー素材やから、僕のことなんて気にせずにみなさんが好きに使ってくれたら)

ええんやでニックリ🍖

【エゴサ編おしまい】

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