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#10 動く葉もなくておそろし夏木立 蕪村
鬱蒼とした夏木立の道を行く。
行く手も、振り返っても、森はまったくの無風で、葉っぱ一枚動いてない。
静まりかえっている、不気味、おそろしい。
そんな感じだろうか。
関東平野の水田地帯に生まれたので、身近には小さな雑木林はあったものの森林とまでいえるような場所は無かった。
何度も書いてきたが、武蔵丘陵森林公園は自分にとって心身のリフレッシュの場であるのだが、平日の人気のない林間の道
#8 死なうかと囁かれしは蛍の夜 真砂女
六月一日のことであるからもう二週間程前のことになるが、市内某地区の「蛍まつり」にでかけた。その地区を流れる用水路で蛍が飛ぶのを見ることができるのだ。祭りはたった一晩のイベントであるが、蛍はその前後の十日間ほどは見ることができる。しかし、そこはお祭りゆえに、気分が浮き立つものだ。
「蛍まつり」であるから真っ昼間から始まるはずはなく、午後6時よりということで、それでも二〇分前には到着せんと車を走ら
#4 考える人は考え昭和の日 谷山花猿
さて、「不適切にもほどがある」というテレビドラマは、大いに話題になりました。自分も楽しみにしてみていました。
題名の「不適切」というのは、昭和の時代の価値観や生活習慣は、令和の現在から見ると、不適切としかいえないことが、沢山ありましたねえという意味の不適切でありました。
そうではありますか、他方で昭和レトロなどといわれて、様々なことがとりあげられ、若者の間にも昭和風のデザインや町並みのファン
#2 晩春の肉は舌よりはじまるか 三橋敏夫
三橋敏夫「真神」(昭和48)所収の句。そうはいっても、この句集を読んいるわけではなくて、孫引きであります、すみません。
先に謝っておきたいと思います。ここにあげたのは、小生の助平こころのせいかもしれません。お恥ずかしいです。
昔、新興俳句運動という伝統重視の俳句にして若干ラジカルそうなムーブメントあったらしいとは、俳句作り初心者の自分も知っています。作者はその集団で最年少であった方だそうで