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こころの痛みと向き合うために読んでよかった本5冊

最近、過去に向き合わねばと思う出来事がありました。

悪夢を見たんです。その日から、私にとっての苦手な存在が夢に、出てくることがふえました。

私が親から精神的な虐待とネグレクトを受けていたと知ったのは、じつは30歳をすぎてから。

変わった母親を持っているくらいの認識だったのですが、養育についての資格取得のため幼児教育を勉強している際に、「あれ?これうちやん」としっかり虐待の定義に入っている行為が見られたのです。

そんな母親が夢に出てくることがふえました。

例えばレストランでご飯を食べている時に、お店のドアが開いてそこから苦手な人が入ってくるとか、どこかに入ったら中にいるといったシチュエーション。

夢の中で話してみると、相変わらず会話が上手くいかず目が覚める。100%悪夢です。目が覚めた後も寝付けずにいるということが頻繁に起きて、これは無意識で悩んでいるなと。

なかったことにすればなかったと思って普段生きていても、心はトラウマを抱えているのを認め、無意識やトラウマとの向き合い方に関する本を読み漁りました。

親に傷つけられたすべての元こどものみなさんへ「毒親の棄て方」

スーザン・フォワードの「毒親の棄て方 娘のための自信回復マニュアル」。

「みなみやんは親のことと向き合わずして前には進めなさそうよね」と元看護師の友人に薦められて手に取りました。

毒親って最近のワードかと思ったのですが、2001年の「毒になる親」という本が出た頃からあったのですね。

これは本当に読んでよかった!
すべての傷ついた元こどもの皆さんにすすめたい名著です。 

子どもを持った時に親と同じようになったらどうしようという不安だったり。

「なかったことにしておけば、 なかったのでは?」と思うけれど、最近無意識のことを学ぶたびに結局じぶんと向き合わないといけないなと思い読みました。

おなじような体験をした人が他にいるのも救いでしたし、家庭環境や自分のこれまでの人生を客観的にみる訓練に良い本でした。

母親あるいは父親から受けたトラウマを切り離すための実践的なワークもあったので、長期休みの際にチャレンジしてみたいと思います。

毒になる親の分析を読んでみて改めて感じたのは、お母さんがご機嫌なことってなにより尊いということ。これが本当に大事。

子どもの世話をして守り、愛情を伝える努力を絶やさないこと。鼻歌を歌いながら過ごしていること。そういった愛おしい日常がどれだけ大切か改めて感じました。 

わたしの周りのママさんたちは本当に素晴らしい方々が多く、周りのママたちから母親としての愛情の持ち方を学ばせてもらっています。

いい母親というのは子どもだけでなく、周りにもいい影響を与えるチカラがあるなと。母親に限らずそういう人間でありたいですね。

ただ人に見えるところだけ子煩悩にしている親では判断できないんですよね。人の目が届かない閉じた家庭という空間が少しでも豊かになりますように。どこかの誰かの家庭で、安全に思える日常がずっと続くことを祈っています。

ティモシー・ウィルソン「適応的無意識の心理学」

「自分を知り、自分を変える―適応的無意識の心理学」は心理学の本です。適応的無意識についての話なのだけれど、最近「じぶんの機嫌がよければそれだけでしあわせだな〜」と思うようになって、自分の機嫌はどこからくるのか知りたくて心理学の本を読みあさっています。

無意識は無意識だからまず認知が難しい。

ものを取る時自然と重心移動するところの話から、割引原理と割増原理で無意識の差別が生まれたりする話まで。結構幅広く説明してくれます。

読んでいて好きだったのは、内観(内省)はナラティブな行為であって解決法ではないということ。

例えばアルコール依存症の克服は、行動があって感情がついてくるから成功している。行動をして物語を書き換えていくことで克服ができるそう。

ということは「ご機嫌」も行動がまず先にあって感情がついてくればOKなのでは?
たとえば鼻歌を歌うとご機嫌がやってくるといった仕組みです。

めちゃくちゃ落ち込んでいる時はどうしようもないけれど「行動が先、感情は後からついてくる」を信じたい今日この頃です。


子どもの教育や部下の育成に関わる人へ「才能の正体」

ティモシー・ウィルソンの本は学術的で難しいので、ビリギャルの著者・坪田信貴さんの「才能の正体」が噛み砕いて説明してくれていておすすめです。3時間くらいで読めますよ。


みんな痛みを無意識で避ける。あなたの痛みはどこから?「ザ・メンタルモデル」

無意識と愛着スタイルについて興味があるという話を読書家の友人にしたところ、「ザ・メンタルモデル」という本を教えてくれました。

人間の行動や発言は、無意識で痛みを避けて選択されているという仮定を前提に書かれた由佐美加子さんの本。

下記どれかの痛みを必ず抱えているという前提のもと話が進んでいきます。

メンタルモデル4つの分類
・価値なし
・愛なし
・ひとりぼっち
・欠陥損失

ここでは説明を省くけれど、どのメンタルモデルかは相手の発言とか口ぐせからだいたい見当がつくのがいいなと思いました。

各メンタルモデルである程度人生の失敗は想定できて、私はひとりぼっちモデルだなと。

両親が離婚したことや頼れる人がいないことで「どうせいつかみんないなくなる」と思ってしまうんです。いなくなる前提で行動している。

実際のセッションの会話劇がメインの本なので「あるある」な話が多く、「こういう人いるよな〜」と思いながら読んでいました。

例えばひとりぼっちモデルの人は、愛なしモデルの人(尽くしたり愛してるって言ってくる人)に対して「お願いしてないからしなくていい」と思っていたり「愛してるアピール」に冷めたりするとか。でも愛なしモデルの人を引き寄せやすいから、そういうタイプの人と浮気しやすい(しかもいつかは離れると思ってるから、次から次にくる)みたいな赤裸々な体験談も。

お互いを自由にできるひとりぼっちモデルのカップルはお互い楽だけど、どこか寂しいから同じ空間や体験を感じる仕組みがだいじなんだなみたいな改善案も見えてきます。

結局のところ自分と向き合わないと何の話にもならないので、本を読んだり反省したところで解決などなく、日々の生活を少しでも機嫌よく過ごせたら百点満点です。

痛みは身体が生き延びようとした結果「ポリヴェーガル理論」

適応的無意識の次に読んでよかった本。ステファン・W・ポージェスの『ポリヴェーガル理論入門 心身に変革をおこす「安全」と「絆」』

トレーナーや理学療法士の人が読むような業界本らしいです(笑)。これ読んでいるのをSNSにあげたらトレーナーから「同じ業界の人かと思いました」と連絡が来ました。

「ポリヴェーガル理論 」は痛みやトラウマについての本。
勉強したかった「愛着スタイル」についても学べました。

おもしろいなと思ったのが、人間は哺乳類に進化する過程で新しい神経回路を獲得したが、痛みや恐怖には古い爬虫類時代の神経回路が働いてしまうから失神や気絶、徐脈、無呼吸が起きる。でもこれだと哺乳類は死んでしまう。だから安全を感じることが治療の第一歩だそうです。

安全を感じることが前提で、そのために中耳や姿勢・呼吸でケアする方法があるそうなので早速LOOPという耳栓をポチりました。

なぜ歌うこと聴くことで落ち着くのかという章もよかったですよ。深く息を吐くことがいいから歌を歌うことがいいそう。ストレス発散にカラオケは正解なようです。

特に救いだったのが、痛みや病気に対する捉え方。

身体がなんとか生き残れるように働いてくれたことは、すばらしいことなのだとクライアントに話すように勧めています。
クライアントは、 生き残ることが大事だったと理解する必要があります。
クライアントは世にも恐ろしい体験を耐え抜いたのです。
ですから自分自身を勇者として扱う必要があるのです。

ポリヴェーガル理論 心身に変革をおこす「安全」と「絆」

痛みや病気は悪いことじゃなくて身体が生き延びようとしているんだね〜えらいね〜。痛み止め飲まずにちゃんと休んであげよう。そう思いました。

「ポリヴェーガル理論」は、PTSDや自閉症の人をケアする方が読むような本だとは思うのだけれど、純粋に面白かったです


結局ご機嫌で過ごせたらそれだけで幸せよな

初の書評エッセイなのですが、じつは子どもの頃から活字中毒。特に辞典と海外児童文学がすきな本の虫でした。

大人になっても定期的に活字中毒の発作に見舞われ、毎朝決まった時間に決まったひとりがけのソファに座り読書をしていたら結構読めました。

また定期的にnoteでもよかった本を紹介していきたいと思います。

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