一旦立ち止まって、もう一度見直す勇気
私は現在、次のキャリアアップを目指してパリで転職活動をしている。
2000年の秋から海外生活を始めて、20年目の冬である。
今まで、過去にももう何度も退社、そして転職を繰り返してきた。その度にきちんとキャリアアップしてきた。いつか住んでみたかったニューヨークでもキャリアをしっかり積んで、そして希望通りパリに戻ってきた。
でも今回の転職がいつものように上手くいくなんて保証は全く無い。
本来だったら次の転職先が決まってから前職を退職するのが絶対にスマートで、リスクが少ない方法であって、履歴書的にも圧倒的に見栄えが良い。
だから私のようにまず会社を退社してから半年間充電してそして転職活動を始めるなどというやり方はあまりオススメしない。
だいたい海外で、支えてくれる家族も現地におらず、万が一仕事が見つからなかったら一体これからどうするのだろう。
その危険性も十分理解した上での退社、充電である。
仕事がうまくいっていても、一旦立ち止まって自分の目標にきちんと向かっているかもう一度見直す。
正直、前職は上手くいっていたので、ニューヨークでその仕事を続けることも可能ではあった。もしかしたら続けていた方が経済的にも安定するし、そのほうがよかったのかもしれない。
ただ、自分の中ではこの会社は入社した時から長くても3年半と決めていて、それでも退社する1年位前から「本当にこの会社を辞めた方が良いのか」自問自答を繰り返した結果、将来のことも考えてやはり辞めてパリに戻って来た方が良いと判断したので退社した。
退社する1年半位前から、ヨーロッパ各地のファッションデザインに特化したヘッドハンター達にコンタクトを取り、パリで転職先を探している旨を伝えた。彼らのことはもうパリ時代からよく知っているのでコンタクトを取るのは特に難しくはないが、ニューヨークとヨーロッパという距離がなかなかコミュニケーションを難しくさせた。
仕事もめちゃくちゃ忙しかった。年4回のコレクションはノンストップだし、デザイン画を描く時間を確保しながらの、一日に何度もある会議やミーティング、年2回の香港、中国出張は結構な負担だった。
出張中は現地の縫製工場数社とやり取りするのはもちろん、本社にいる自分のチーム9人も遠隔でまとめなければならないし、NYオフィスにある自社のアトリエにもFaceTimeやWhatsAppを駆使しながら形出しや縫製上の指示を出さなければいけない。
上司がヨーロッパや日本に出張する時には彼とも連絡を取り合わなくてはいけない。時差も考えてタイミングよく連絡を取らないと一日無駄になってしまうこともある。
チームのメンバーが退社したり産休の際には臨時のフリーランサーを雇いながら同時に、フルタイムの新メンバーの採用を人事と協力しながらしていかなければならない。
出来れば在職中に次の仕事を見つけたかったが、それは残念ながら叶わなかった。
全てが自分の計画通り、理想通りに進んだら人生どんなに楽なことか!
パリに戻ってまず充電、そして転職活動へ
約6ヶ月の充電期間の後、転職活動を再開した。今回はヘッドハンター達のオフィスに直接行って話しが出来るのでかなりスムーズにコミュニケーションが取れている。ただ、自分にマッチしたポジションがなかなか見つからない。今回はいつになく長期戦になりそうだ。
この長期戦をどう乗り越えるか、乗り越えられるか、かなりの不安があるが、それでも前職を退職したことには後悔は全くない。
今の自分には、一度きちんと立ち止まって、これから先のことについて真剣に考えなければならない時間が必要だったからだ。
幼い頃からなぜそれをする事が大切なのか、目的は何なのか、自分が納得していなければ次に動けない子供だった。
あまり要領の良い生き方ではないかもしれないが、これからも悔いのないような人生を焦らずに、時々立ち止まって自分が納得した道を選びながら歩んでいきたいと思う。
最後まで読んでいただきありがとうございます。 よかったらまた遊びに来てくださいね。 スキやフォローしていただけたらとても嬉しいです。 いただいたサポートでアロマキャンドルを購入させていただきます。(noteを書く際に精神集中のためになくてはならないものなのです!)