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一番いい日がいっぱいあればいい

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一番いい日がいっぱいあればいい

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一人が好きとはっきり言えない

好きなカフェは特にないけれど、通りに面した透明なガラスの前の席が好き。 前を通っていく、いろんな人を見ていたい。 おかしいことに、孤独を感じる時ほど人との関わり…

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1年前

だいじょうぶ

自分が誰なのか、何者になるべきなのか、迷って悩んで苦しくて、私は昔から私を誰よりも可愛がってくれたおじいちゃんに、会いに行った。 私は世界の脇役で、決して主人公…

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1年前

足並み(短編小説)

 夏の終わりの、犬も食わないっていう話  寝る前の3分をちょっと無駄にしてもよかったらぜひ読んでってください (文字数・2162字)  街角を探せば大体見つけられるよ…

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1年前

GWに幸せなことだけしてみたら

今年のGWは楽しんだ! 10連休、ただただ自分に幸せなことだけしてた。 前半は、大好きな家族7人と2匹(🐈🐈)と過ごして、 真ん中は、大学の友達に会ったり、お気に入り…

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2年前
1

一日のはじまり

目を覚ますと、空が沈んでいた。 ゆっくり体を起こしてまばたきをする。 星が瞬くのより早く、涙がこぼれないようにぱちぱちまばたき。 ごくりと朝の水を飲めば、月の光…

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2年前
1

大人のマナー

真っ直ぐ、強い人になりたいと思う。 だけど、 お味噌汁はお椀から飲んで、 コーンスープにはスプーンを使う。 おそばとかおうどんにはお箸だけど、 パスタにはフォーク…

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2年前
1

逃避のやすらぎ

週末、少し遠出をした。 見慣れない景色 初めての空気 だけど、ドキドキわくわくするのは、冒険心じゃない 毎日続く「私」に嫌気が差して逃げ出したいから。 この高鳴…

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2年前
2

自己紹介の代わりに

小さいころは、好きなだけ本を読んで、好きなだけ想像の世界に浸れました。 でも、大学生になって就活して、就職して自立していくうちに、「別の世界」に浸れる時間なんて…

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2年前
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一人が好きとはっきり言えない

一人が好きとはっきり言えない

好きなカフェは特にないけれど、通りに面した透明なガラスの前の席が好き。
前を通っていく、いろんな人を見ていたい。

おかしいことに、孤独を感じる時ほど人との関わりが多い時で、この孤独の解消法として一番効果的なのが、一人でいることな気がする。
人に会いすぎて、しかもどの人も本当に心を許している人ではなく、会社の人だったり、友達の友達だったり、病院や美容室の人だったりで、仕事時間以外にも人に気を遣いす

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だいじょうぶ

だいじょうぶ

自分が誰なのか、何者になるべきなのか、迷って悩んで苦しくて、私は昔から私を誰よりも可愛がってくれたおじいちゃんに、会いに行った。

私は世界の脇役で、決して主人公にはなれないのだとおじいちゃんに気持ちを吐露した時、おじいちゃんは静かに語り始めた。

僕は、もう足腰が弱くなった。
ここからそこのテーブルに置いてある本を取るのにさえ、ゆっくり、ゆっくり体を動かす必要がある。若い人が見たら、きっといらだ

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足並み(短編小説)

足並み(短編小説)

 夏の終わりの、犬も食わないっていう話
 寝る前の3分をちょっと無駄にしてもよかったらぜひ読んでってください
(文字数・2162字)

 街角を探せば大体見つけられるような、フランチャイズのコーヒーショップ。
 2人で来るのは初めてのこの店舗を選んだことも、君の配慮なのだろう。
 こんなコーヒーショップでも、君は僕がおごることをやんわり断った。
 カップを持って、僕の前の席に座る君。
「ホットコー

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GWに幸せなことだけしてみたら

GWに幸せなことだけしてみたら

今年のGWは楽しんだ!
10連休、ただただ自分に幸せなことだけしてた。

前半は、大好きな家族7人と2匹(🐈🐈)と過ごして、
真ん中は、大学の友達に会ったり、お気に入りのイタリアンに行ったり、
後半は、大好きな恋人と大阪旅行して。

仕事での嫌なことを忘れて本当の自分を養生してたような10日間だった。
だめだめな自分を受け入れてくれる周りの温かさで、穏やかに満たされていくような。

最近抱えて

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一日のはじまり

一日のはじまり

目を覚ますと、空が沈んでいた。

ゆっくり体を起こしてまばたきをする。

星が瞬くのより早く、涙がこぼれないようにぱちぱちまばたき。

ごくりと朝の水を飲めば、月の光のように静かな音が聞こえて、
まだ夢の中にいたと気づく。

夢を切り離す朝は いつも悲しい。

枕元のイスにかけておいたカーディガンに袖を通せば、
冬のしんとする寒さにやっと目が覚めて
うるさいほど白い陽の光が胸に届いた。

また、今

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大人のマナー

大人のマナー

真っ直ぐ、強い人になりたいと思う。

だけど、
お味噌汁はお椀から飲んで、
コーンスープにはスプーンを使う。

おそばとかおうどんにはお箸だけど、
パスタにはフォーク。

それと同じで、その時向き合ってる人に合わせて
表情も声も答えても変えなくちゃいけないし、
だから、真っ正直ではいられない。

真っ正直でいることは、
おそばをフォークで食べること。

逃避のやすらぎ

逃避のやすらぎ

週末、少し遠出をした。

見慣れない景色 初めての空気
だけど、ドキドキわくわくするのは、冒険心じゃない

毎日続く「私」に嫌気が差して逃げ出したいから。

この高鳴りのわけは、逃避の途中のやすらぎ。

この時間が過ぎれば、私はまた、ただの私。
この時間が過ぎれば、毎日はまた、
愛想良く、優しく、振る舞いの正解を探す毎日。

そんな毎日から抜け出す勇気もないから
そんな私から離れる自信もないから

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自己紹介の代わりに

自己紹介の代わりに

小さいころは、好きなだけ本を読んで、好きなだけ想像の世界に浸れました。
でも、大学生になって就活して、就職して自立していくうちに、「別の世界」に浸れる時間なんて、いつの間にかなくなっていってしまいました。

毎日、現実と向き合うので精一杯。

結局、自分が幸せなのか分かりません。
これがやりたいことだったのかな、なんて、今のこの生活を手にするために頑張ってきたはずなのに悩んでしまう。貧しい。心が貧

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