マガジンのカバー画像

ダイヤモンドよりブルースな日々

22
音楽は、暮らしとともに。日本で唯一の女性ブルースライターが日々のよしなしごとを綴ります。
運営しているクリエイター

記事一覧

その日こそ自由になるんだ~男らしいってわかるかい

その日こそ自由になるんだ~男らしいってわかるかい

◆背伸びしたシンガーだったあのころ

中学生のころは、毎日、ギターを弾いて歌っていた。
最初はケメとか、かぐや姫だったが、聴く世界が拡がるにつれ、流行りのフォークソングではない曲を歌うようになった。

南正人さんの「海と男と女のブルース」なんかを、おかっぱ頭の中学生が、したり顔で歌っていたんだ。スライド・バーなんかすべらせながら。棄てても棄てられても恨みっこなし、なんて。

そんな中の1曲に、ディ

もっとみる
私は南部の女~Queer Eye第6シーズン

私は南部の女~Queer Eye第6シーズン

◆自分らしくあれ。背中を押すFab5

Netflixで待ちに待った「Queer Eye」の第6シーズンが始まった。
このシリーズある限り、Netflixに加入してもいいと思うくらい
私はこのゲイ&ノンバイナリーの5人組「Fab5」によるリアリティ番組のファンである。

https://www.youtube.com/watch?v=3Yo2ohiqF4o

ご存知ない方に説明すると、5人はそれぞ

もっとみる
完成!コージー大内のドキュメンタリー「ブルースんどれい」

完成!コージー大内のドキュメンタリー「ブルースんどれい」

◆革命だった コージーの弁ブルース

コージー大内は不思議なシンガーである。
多作でもない。
全国ツアーするわけでもない
人を押しのけてでも売れてやろうとする欲が見えない。

でも一度歌い出せば、その歌声は人のこころに足跡を残す。

その足跡を記録した
コージー大内のドキュメンタリー映画『ブルースんどれい』が完成した。

2016年から2020年にかけておよそ5年間にわたる撮影を
2時間近くにまと

もっとみる
Be Lady,Be Independent ギンズバーグ判事から学ぶこと。

Be Lady,Be Independent ギンズバーグ判事から学ぶこと。

ワシントン暴動と呼んでも差し支えないだろう。
アメリカの議事堂混乱は衝撃だったが、ペンス副大統領が粛々と事を進め、無事に大統領が認定されたことに安堵した。

何よりペンス大統領のこの言葉だ。

“You did not win. Violence never wins. Freedom wins,”

まだ棄てたもんじゃないぞ、アメリカ。
もっとも彼は職務を真っ当しただけであろう。
しかし、民主主

もっとみる
未来へと。リクオ・デビュー30周年記念!磔磔で4日間ライブ

未来へと。リクオ・デビュー30周年記念!磔磔で4日間ライブ

リクオ(vo/p)によるデビュー30周年記念が、11月20日(金)~23日(月祝)の4日間、観客限定&オンライン配信により、京都・磔磔で開催される。

配信は、一乗寺フェス配信チームが担当。今のように配信が定着する以前からタッグを組んできた面々だ。先日の京都・東京を結ぶオンラインの一乗寺フェスで、そのクオリティと思いを実感した人も多いだろう。

また磔磔はリクオがアルバイトをしていたころからの縁の

もっとみる
なつかしい×あたらしい なにわブルースフェスティバル2020“配信”観戦記 その1

なつかしい×あたらしい なにわブルースフェスティバル2020“配信”観戦記 その1

9月12日(土)13日(日)。なんばHatch。

今年は現地に行けなかったため、2日間を配信で楽しんだ。

なにわブルースフェスティバルは、2016年に当時の浪速区長、玉置賢司氏の発案で始まったイベントで、現在はNPO法人なにわブルージーが主催。有山じゅんじ、清水興の両氏がプロデュースを務めている。
大阪ならではのブッキングはもとより、「あたらしい×なつかしい」のキャッチコピーらしく、様々な世代

もっとみる
あたらしい×なつかしい なにわブルースフェスティバル2020“配信”観戦記 その2

あたらしい×なつかしい なにわブルースフェスティバル2020“配信”観戦記 その2

9月13日(日)

https://livelovers.jp/list/lltv/1529/

有山じゅんじ | 上田正樹 R&B BAND(有山じゅんじ、樋沢達彦、Kenny Mosley、堺敦生、Yoshie.N) | 大上留利子&ジェニファー’s Band(スガタアヤコ、前田邦衛、三夜陽一郎、仲豊夫、井上尚大、Shirayuries<片山ミキ、Angieチョチョ、荒木千枝⼦、Kitty吉べ

もっとみる

みんなで何かを創るすばらしさを伝える映画『メイキング・オブ・モータウン』

http://makingofmotown.com/

自粛が求められていた時期、フォートップスやテンプテーションズを聴くと、ぱっと気持ちが上向きになった。

言い方は悪いが、腐ってもモータウン。

たまに、モータウンなんて売らんがなの音楽だと良い顔をしない人もいる。確かにヒットを狙ってシステマチックに生み出された音楽であるかもしれない。でも何万人、何十万人の人のこころをつかみ聴き継がれる音楽は、

もっとみる
消費されるだけの本じゃない本がある。だから消費税総額表示問題

消費されるだけの本じゃない本がある。だから消費税総額表示問題

いま俄に話題になっている書籍の総額表示義務に関して晶文社の安藤聡さんが解説してくださっています。
https://www.youtube.com/watch?v=pp9oEIAtMuM&feature=youtu.be

来年4月1日から、本体価格+税 とか (税込)といつた表示をやめ総額表示にしようというもの。優遇措置を受けていた書籍もいよいよ・・・そうなるとカバーを刷り直すのか・・・書店から大

もっとみる
カメラの眼を楽しむ配信。わたしの目で観るライブ。

カメラの眼を楽しむ配信。わたしの目で観るライブ。

配信はライブの代わりにならない理由がわかった。
配信って、カメラの目を楽しむものなんだな。

手元を見せてくれたり、思わぬ角度から表情を伝えてくれたり。
それはそれでオトクな気分なんだけど
自分の眼で観たいところを観る。それがライブなのである。

先日のnoteのAZUMIさんのエピソードではないが
指先ばっかりみていたっていいし
ベーシストが好きだったら、メインアクトじゃないその人を
じっと観て

もっとみる
2020.9.13 AZUMI vs 本田珠也

2020.9.13 AZUMI vs 本田珠也

池袋バレルハウス25周年。

ブルースイタコとの異名を持つAZUMIさんと
ドラマーの本田珠也さん、初対面、初共演。

天界、地界と自在に思いを響き合わせるAZUMIさん。

ソロでも、気配とセッションできる珠也さん。

この2人がセッションするというんだから
見逃すわけにはいかない。

バレルハウスの美味しい燻製とぬか漬けをつまみながら、待つ。

1部は珠也さんのソロでスタート。6月の高円寺JI

もっとみる

異なる角度から見るロックンロールの歴史。映画『ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち』。

◆ブルースの水脈にはインディアンのビートが流れている

音楽長いことロックを聴いているような人なら
ロックンロールの歴史は、ひととおり理解していると思うかもしれない。

ブルースやジャズがロックのルーツで・・・なんていう話は耳タコだろう。

でもこの映画を観ると、あれあれ、と思わずにはいられない。インディアンの糸がこれほどまでに、ロックンロールの成り立ちを織りなしていたことに驚かされる。

これま

もっとみる
3か月と2週間ぶりにバンドを聴いた!

3か月と2週間ぶりにバンドを聴いた!

昨夜、3か月ぶりに高円寺のライブハウスJIROKICHIに行った。
正確には3か月と13日ぶり。
数々のライブハウスあれど
毎月行ってた、いや10代のときから行ってるわたしのホームだ。

少しだけライブも聴かせてもらった。
先日アコースティックなライブには参加したけど
バンドはこれまた3か月と13日ぶり。

いい!
いいぞ!バンド。
ドラムのカウント、ベースのビート。
ギターが歌い出し
キーボード

もっとみる
橘川さんの新刊『参加型社会宣言』~~音楽がなければ生きているとは言えない。

橘川さんの新刊『参加型社会宣言』~~音楽がなければ生きているとは言えない。

◆ともに時代を疾走するひとへ。

橘川幸夫さんの最新刊『参加型社会宣言 21世紀のためのコンセプトノート』(発行メタブレーン)が届いた。

橘川さんは、渋谷陽一さんたちと『ロッキング・オン』を立ち上げた
創刊メンバーのひとり。
その後、投稿型雑誌『ポンプ』を発行するなど
常に参加型社会、参加型メディアを追いかけてきた人である。

デジタルメディア研究所の“所長”だし
本もたくさん書いている。イベン

もっとみる