妹尾 みえ

日本のフォーク&ロック、バンド・シーンに育てられてここまで。「くらしの中で音楽を」が信…

妹尾 みえ

日本のフォーク&ロック、バンド・シーンに育てられてここまで。「くらしの中で音楽を」が信条です。おそらく日本で唯一の女性ブルース・ライター。雑誌『ブルース&ソウル・レコーズ』等で執筆。『音楽ライターになろう!』(青弓社)『ハーモニカの本』(斉藤寿孝氏との共著/春秋社)

マガジン

  • ダイヤモンドよりブルースな日々

    音楽は、暮らしとともに。日本で唯一の女性ブルースライターが日々のよしなしごとを綴ります。

  • 暮らしとわたしと音楽と。フロントポーチ通信

  • AIのべりすと文学賞NEWS

    • 5本

    「AI のべりすと alpha2.0 」を使った文学賞を準備中です。 賞に関するさまざまな情報や、皆様のご意見などを報告していきます。 「AI のべりすと alpha2.0 」 https://ai-novel.com/

  • Got The Blues~ブルースマンがやってきた

  • 学校に行かないで大きくなった

    息子やっくんは、小学校1年の秋から全く学校に行かず(行くことができなくなり)、中学校は入学式だけ出席。高校は通信制を4年かけて卒業しました。 将来が案じられましたが、今はクリエイターとして活躍しています。当時は今ほど発達障害が知られていませんでしたが、明らかに生きづらさと並走しながら成長してきました。 このマガジンでは、おっさんになりつつある、そんな息子と暮らす母が、日々をふりかえります。悩みの渦中にいる親御さんたちにも、届けばうれしいです。

最近の記事

日暮泰文さんに送る言葉

Pヴァインの創業者である日暮泰文さんが2024年5月30日に逝去されました。これは告別式での弔辞の原文です。 ------------------------- 日暮泰文さんの訃報を受けて以来、日暮さんのような文章が書きたいと背中を追ってきた私は、大黒柱が失われたような心細い気持ちで過ごしています。 特に今年は雑誌ブルース&ソウルレコーズ30周年の記念すべき年でもあり、日暮さんがいらっしゃらないことがどんなに頼りないことでしょうか。 体調がすぐれないことは耳にしておりまし

    • 全身全霊で音楽に向き合った。ミネアポリスの情熱『プリンス ビューティフル・ストレンジ』

      音楽が好き。それならプリンスを知らなくても見てほしい 6月7日は、2016年4月21日に57歳で急逝した プリンスの誕生日だ。 この日に 『プリンス ビューティフル・ストレンジ』 が公開される。 https://www.youtube.com/watch?v=goDXyy73cwU 「パープル・レイン」発表から約40年、この時代を決定づけた物語が舞台化される。家族や、チャックD、チャカ・カーンといったミュージシャンなど縁の深かった人たちの証言を交え、シャイで、ストイック

      • 木村充揮 レッツゴー古希♪『One and Only ~僕は死ぬまで歌い続けるぞ!!!いいだろ?~』

        3月24日(日)大阪フェスティバルホールの木村充揮 レッツゴー古希♪『One and Only ~僕は死ぬまで歌い続けるぞ!!!いいだろ?~』へ。 この日がちょうど誕生日、昨年から続く古稀祝いシリーズのファイナル・イベントだ。  ロビーからあったかいムード 噂には聞いていたが、座席数2700席。 赤じゅうたんのロビーを通り、3階席まである立派なホールを見上げる。 フェスティバルホールといえば、オーケストラからロック、ジャズ、演歌まで多くの伝説を生み出してきた場所。「天から

        • 知っているようで知らないボブ・マーリーと2024/5/17公開・映画『ONE LOVE』

          神ではなく人間としてのボブ・マーリーを描く一大ミュージック・ビデオ ボブ・マーリーの伝記映画『ONE LOVE』がまもなく日本でも公開される。 ドキュメンタリーではないが、妻でシンガーのリタ・マーリー、息子のジギー・マーリーはじめマーリー・ファミリーがプロデューサーとして参加。 またザ・ウェイラーズを実の息子たちが演じるなど、関係のあるミュージシャンや二世が多数出演しており、半ドキュメンタリーのようなリアルさがある。 ボブ・マーリーを演じたのはキングズリー・ベン=アディル

        日暮泰文さんに送る言葉

        • 全身全霊で音楽に向き合った。ミネアポリスの情熱『プリンス ビューティフル・ストレンジ』

        • 木村充揮 レッツゴー古希♪『One and Only ~僕は死ぬまで歌い続けるぞ!!!いいだろ?~』

        • 知っているようで知らないボブ・マーリーと2024/5/17公開・映画『ONE LOVE』

        マガジン

        • ダイヤモンドよりブルースな日々
          22本
        • 暮らしとわたしと音楽と。フロントポーチ通信
          12本
        • AIのべりすと文学賞NEWS
          5本
        • Got The Blues~ブルースマンがやってきた
          1本
        • 学校に行かないで大きくなった
          4本

        記事

          松井文のうた と 私の窓

          折坂悠太、夜久一との「のろしレコード」でも知られるシンガーソングライターの松井文の新作『窓から』を聴いた。 今回はギターでの弾き語り。ライブで歌ってきたうた、バンドで録音したうた、高田渡も歌っていたうた、そして新しいうた。 シンプルなだけに聞きなれた歌も輪郭が露わになって、新しい景色を見せてくれる。 彼女は数年前から、バンド「松井文と他人」を始動させている。私はバンドで歌う松井文が好きだ。技術的な面はもちろんおおらかな演奏をするメンバーに恵まれ、その世界ばかりか表情まで鮮

          松井文のうた と 私の窓

          今年は若手も熱かった!第16回福生ブルースフェスティバル

          11月5日、日曜日。電車を乗り継ぎ、2006年に開催されて以来、今年で16回目となる「福生ブルースフェスティバル」へ。日比谷野音でのブルース・カーニバルが終わってしまった今、東京エリアではブルースを冠にした唯一の野外フェスだ。 今年はとにかく暑い! 11月とは思えぬ太陽が照りつけるフェス日和である。 福生と聞いて基地関係かと想像する人もいるかもしれないが、会場は八高線・東福生駅前、スーパーマルフジの駐車場。ドラマーのチッコソウマさん(DORA PARA MUSIC)や、地

          今年は若手も熱かった!第16回福生ブルースフェスティバル

          転換期の夢と志の記録。ロックンロールのレジェンドを中心に観た『リバイバル69~伝説のロックフェス~』

          ウッドストックと同じ1969年、カナダで開かれたロックフェスを捉えたドキュメンタリー映画『リバイバル69 ~伝説のロックフェス~』(原題:Revival69:The Concert that Rocked the World』)がが、10月6日(金)よりよりヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ有楽町ほかで全国公開される。 チャック・ベリーやリトル・リチャードといった50年代のスターと共に、彼らに憧れたR&Rの申し子ジョン・レノン、そしてドアーズ、アリス・クーパーらが同じ

          転換期の夢と志の記録。ロックンロールのレジェンドを中心に観た『リバイバル69~伝説のロックフェス~』

          風を切って走れ、走れ!the TIGER

          新世代ディーヴァ「りん」 2023/11/5 @下北沢Three レコーディングも終えて、周囲で何かと噂のthe Tiger。 彼らによる自主企画ということで、<TORAVEL spot:1 「ツーマンライブ!”T×Y”編」the Tiger×YAPOOL>へ足を運んだ。 the Tigerは、りん(vo/g) たいが(g) ゆーすけ(b) あつし(dr)による4人組。数年前、名古屋から東京に拠点を移し がんばっている。 特にヴォーカルのりんちゃんは、ロック、ソウル

          風を切って走れ、走れ!the TIGER

          日本の弾き語りブルースバラエティCountry Blues Heaven Vol.6

          2023.07.22. Country Blues Heaven Vol.6 横浜Thumbs Up 気がつけば、あちこちでブルース・イベントが開催される昨今だが、意外にギター1本で勝負する人たちばかり出演する企画は少ない。 そのレアな企画の代表「Country Blues Heaven」は、東京・練馬のバー「江古田倶楽部」により2009年に第1回が開かれ、以後、2011年、2014年、2016年。そして2017年の豊橋大会を含めると、今回が6回目となる。 残念ながら「江

          日本の弾き語りブルースバラエティCountry Blues Heaven Vol.6

          Happy Houseを聴きながらロックンローラーと独り向き合う。映画『シーナ&ロケッツ 鮎川誠~ロックと家族の絆』8月ロードショー

          独り シナロケと向き合う。 誰ひとり同じ人間などいない。けれど、鮎川誠とシーナに代わるロック・ミュージシャンは本当にどこにもいない。 映画を観ながら、どうしようもない喪失感とともにその想いを新たにする。 『シーナ&ロケッツ 鮎川誠と家族が見た夢』(監督・寺井到-RKB毎日放送)は、鮎川誠とシーナ夫妻、そしてその家族を追ったドキュメンタリー。23年2月にTBSで放映された内容に没後の家族・関係者コメント等も加えた再編集版となる。 1本でも多くステージに立ち続けたいと願い、

          Happy Houseを聴きながらロックンローラーと独り向き合う。映画『シーナ&ロケッツ 鮎川誠~ロックと家族の絆』8月ロードショー

          ブルースはリアリティよりリアル 映画『THE FOOLS 愚か者たちの歌』

          普段は映画を観ながら、こんな風に、あんな感じで感想を書こうと思いめぐらす。 だけどこの映画を観てる間じゅう、探しても、探しても、ぴたりと来る言葉が思い浮かばなかった。 『THE FOOLS 愚か者たちの歌』 http://thefoolsfilm2022.jp/ 奇しくも甲本ヒロトは言った。 リアリティじゃなくてリアルだと。 リアルの前に、批評家の言葉は無力だ。 それでも、のたうち回ってでも、何か言わずに書かずにいられない映画だった。 そこにあるライブは、 お客さん

          ブルースはリアリティよりリアル 映画『THE FOOLS 愚か者たちの歌』

          Lonely Manよ、安らかに。追悼・スペンサー・ウィギンス

          Spencer Wigginsが亡くなった。 遠い日本まで来てくれてありがとうございました。 日本人にとって特別な思いのあるソウル・シンガーだった。 70年代にゴールドワックス作品を集めてVIVIDからリリースされたレコードは、世界初。 2017年。私は来日公演のあの夜、集まった人たちが皆、あのゴールドワックス盤(録音)に何かしら特別な思いを持っているのだと想像するだけで、胸がいっぱいになっていた。 1曲目は「Lonely Man」だった。 呼び込まれる前、ステー

          Lonely Manよ、安らかに。追悼・スペンサー・ウィギンス

          追悼・鮎川誠さん 好きを胸に生きぬいた永遠のロックンローラー

          鮎川誠『’60sロック自伝』のイントロダクション「ロックン・ロールとの遭遇」の書き出しだ。 この文章を、そっくりそのまま他界された鮎川さんに贈りたい。 たちまちロックンロールが美しく目の前に拡がっていく。 俺はロックンロールだぜ、なんてダサいことは決して言わない。そこが嘘いつわりなくて、かっこよかった。 自伝といえば、どこそこに生まれて、どんな子ども時代を過ごして・・・というのが定番だが、この本は違う。250ページあまり、音楽の話しかしていない。 初めて聴いた洋楽がレイ・

          追悼・鮎川誠さん 好きを胸に生きぬいた永遠のロックンローラー

          2022-01-02 でたらめにも歴史あり。山田五郎 オトナの教養講座から学ぶ音楽紹介

          ◆人がいるからアートが生まれる でかけける前、支度をしながら <【年末イッキ見】五郎さんの珠玉の回答まとめ!【山田五郎 公認切り抜き】>を観た。 更新を楽しみにしているYouTubeの一つが「山田五郎 オトナの教養講座」。 コラムニストなのか、他に何の肩書きでお呼びすればいいのか、とにかく山田五郎さんが持ち前の知識を縦横無尽に発揮し、美術を主なテーマに解説している。 山田五郎さんといえば私にとってはホットドックプレスの編集長としての印象が強く、あぁ編集長はこんなときこんな

          2022-01-02 でたらめにも歴史あり。山田五郎 オトナの教養講座から学ぶ音楽紹介

          2023-01-01 アクティブシニア

          小学校からの友人の年賀状に 「アクティブシニアになりました」 とあり、あちこちに旅行した写真が貼ってあった。 いい笑顔だ。 でも、不意打ちをくらった気分だ。 アクティブシニアという言葉は、私の腹の辞書になかった。 めざしたこともない。 月に何本もライブに足を運ぶのは、アクティブシニアだろうか。きっとその部類にちがいない。 年賀状の彼女とは小中高と、一緒にライブに行った仲間。 時間があれば音楽の話ばかりしていた。 3時間でも4時間でも角に立ってしゃべっていたから 八百屋のお

          2023-01-01 アクティブシニア

          その日こそ自由になるんだ~男らしいってわかるかい

          ◆背伸びしたシンガーだったあのころ 中学生のころは、毎日、ギターを弾いて歌っていた。 最初はケメとか、かぐや姫だったが、聴く世界が拡がるにつれ、流行りのフォークソングではない曲を歌うようになった。 南正人さんの「海と男と女のブルース」なんかを、おかっぱ頭の中学生が、したり顔で歌っていたんだ。スライド・バーなんかすべらせながら。棄てても棄てられても恨みっこなし、なんて。 そんな中の1曲に、ディランIIの「男らしいってわかるかい」があった。 ボブ・ディラン“I Shall

          その日こそ自由になるんだ~男らしいってわかるかい