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2023-01-01 アクティブシニア

小学校からの友人の年賀状に
「アクティブシニアになりました」
とあり、あちこちに旅行した写真が貼ってあった。
いい笑顔だ。
でも、不意打ちをくらった気分だ。

アクティブシニアという言葉は、私の腹の辞書になかった。
めざしたこともない。
月に何本もライブに足を運ぶのは、アクティブシニアだろうか。きっとその部類にちがいない。

年賀状の彼女とは小中高と、一緒にライブに行った仲間。
時間があれば音楽の話ばかりしていた。
3時間でも4時間でも角に立ってしゃべっていたから
八百屋のおじさんにからかわれたものだ。
学校では別のクラスだったのに
2人は同じクラスだと勘違いしていた人もいたぐらいだ。
一緒にバンドもどきも組んだこともある。
ハックルバックのコンサートについてきてくれたのは彼女のお父さんだったし、お母さんは私の意気地のない家庭科の浴衣を縫いなおしてくれた。

そんなつき合いだったが
今はもう彼女はライブには行かない。
田舎に家を建てて住んでいる。
おそらくブルースはおろかロック、フォークソングだって聴いていないだろう。有山じゅんじや、加川良、石田長生が大好きだったのは彼女の方だったのだが。

おばあちゃんと呼ばれてもおかしくない年齢になると
今年こその思いにも、切実さが増す。
ヘタなことは言えないぞと変なプライドが邪魔をするも
もうやっておかないと、見ておかないとと
焦りの方が大きい。

じたばたと生きて
それで結果的にアクティブシニアと呼ばれるのだとしたら
なんだかすみません、という気持ちである。

とにもかくにも、あけましておめでとうございます。
今年はカタチになるものを。

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