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暮らしとわたしと音楽と。フロントポーチ通信

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[書評]「それで君の声はどこにあるんだ? 黒人神学から学んだこと」(榎本空 岩波書店)

[書評]「それで君の声はどこにあるんだ? 黒人神学から学んだこと」(榎本空 岩波書店)

◆答はいずこ。どうしてブラック・ミュージックなの?

これからはブルースと共に生きていく!と熱にうなされてから、もう半世紀が経とうとしている。
今はもう、ややお熱がありますね程度ではあるけれど
「どうしてブルースが好きなんだろう」
「どうしてブラック・ミュージックに惹かれるんだろう」
疑問はいまだに胸の中にある。
そして、これという答をつかみかけては手から離れを繰り返し、言葉にする日を待っている。

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完成!コージー大内のドキュメンタリー「ブルースんどれい」

完成!コージー大内のドキュメンタリー「ブルースんどれい」

◆革命だった コージーの弁ブルース

コージー大内は不思議なシンガーである。
多作でもない。
全国ツアーするわけでもない
人を押しのけてでも売れてやろうとする欲が見えない。

でも一度歌い出せば、その歌声は人のこころに足跡を残す。

その足跡を記録した
コージー大内のドキュメンタリー映画『ブルースんどれい』が完成した。

2016年から2020年にかけておよそ5年間にわたる撮影を
2時間近くにまと

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今年は全国6会場をオンラインで結ぶ!福島クダラナ庄助祭り

今年は全国6会場をオンラインで結ぶ!福島クダラナ庄助祭り

2012年に始まった「福島クダラナ庄助祭り」が、11月23日に、今年は大阪、東京の会場も結んで開催されるとのこと。Facebookでこまめに情報が発信されていますが、まとめてみました。(写真はフェスティバルFUKUSHIMA!と同時開催された2016年のときの盆踊り会場)

11月23日(祝月)
時間:14:00open 14:30start
料金:チケット 2,100円
※チケットは12月16日

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未来へと。リクオ・デビュー30周年記念!磔磔で4日間ライブ

未来へと。リクオ・デビュー30周年記念!磔磔で4日間ライブ

リクオ(vo/p)によるデビュー30周年記念が、11月20日(金)~23日(月祝)の4日間、観客限定&オンライン配信により、京都・磔磔で開催される。

配信は、一乗寺フェス配信チームが担当。今のように配信が定着する以前からタッグを組んできた面々だ。先日の京都・東京を結ぶオンラインの一乗寺フェスで、そのクオリティと思いを実感した人も多いだろう。

また磔磔はリクオがアルバイトをしていたころからの縁の

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自由って、ひとりじゃなれないんだな。Netflix『多数から一つへ:私が米国に来た理由』

自由って、ひとりじゃなれないんだな。Netflix『多数から一つへ:私が米国に来た理由』

先日他界したルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBG)氏のサムネールに引き寄せられ、興味深いドキュメンタリーを観た。Netflixの『多数から一つへ:私が米国に来た理由』。

さまざまな理由で移民としてアメリカにたどり着いた人たちが、米国市民権取得試験に向けて準備する姿を通じ、これまでの道のりや夢を語る。

ベネゼエラ、コロンビア、メキシコ、中国・・・。

政治の亡命者もいれば、恋人と暮らして長い人

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なつかしい×あたらしい なにわブルースフェスティバル2020“配信”観戦記 その1

なつかしい×あたらしい なにわブルースフェスティバル2020“配信”観戦記 その1

9月12日(土)13日(日)。なんばHatch。

今年は現地に行けなかったため、2日間を配信で楽しんだ。

なにわブルースフェスティバルは、2016年に当時の浪速区長、玉置賢司氏の発案で始まったイベントで、現在はNPO法人なにわブルージーが主催。有山じゅんじ、清水興の両氏がプロデュースを務めている。
大阪ならではのブッキングはもとより、「あたらしい×なつかしい」のキャッチコピーらしく、様々な世代

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あたらしい×なつかしい なにわブルースフェスティバル2020“配信”観戦記 その2

あたらしい×なつかしい なにわブルースフェスティバル2020“配信”観戦記 その2

9月13日(日)

https://livelovers.jp/list/lltv/1529/

有山じゅんじ | 上田正樹 R&B BAND(有山じゅんじ、樋沢達彦、Kenny Mosley、堺敦生、Yoshie.N) | 大上留利子&ジェニファー’s Band(スガタアヤコ、前田邦衛、三夜陽一郎、仲豊夫、井上尚大、Shirayuries<片山ミキ、Angieチョチョ、荒木千枝⼦、Kitty吉べ

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橘川さんの新刊『参加型社会宣言』~~音楽がなければ生きているとは言えない。

橘川さんの新刊『参加型社会宣言』~~音楽がなければ生きているとは言えない。

◆ともに時代を疾走するひとへ。

橘川幸夫さんの最新刊『参加型社会宣言 21世紀のためのコンセプトノート』(発行メタブレーン)が届いた。

橘川さんは、渋谷陽一さんたちと『ロッキング・オン』を立ち上げた
創刊メンバーのひとり。
その後、投稿型雑誌『ポンプ』を発行するなど
常に参加型社会、参加型メディアを追いかけてきた人である。

デジタルメディア研究所の“所長”だし
本もたくさん書いている。イベン

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ブルース&ソウル・レコーズ「ニッポンノ」その1

もう何年になるだろう。

隔月刊の雑誌「ブルース&ソウル・レコーズ」で、「ニッポンノ」というコーナーを担当している。
タイトルは編集長の濱田さんが提案してくれた。

6月25日号が出たばかり。

いま8月25日号に掲載するアルバム、7inch、ダウンロード等々を募集している。雑誌そのものがあまりに濃厚なので
「ブルースではないんですが・・・」
と申し訳なさそうに問い合わせてくれる方も少なくないのだ

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リモートワークだと、ライブに来れない?!

ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた
「ワーケーション」という言葉があるらしい。

部署ごとバケーションにでかけ
旅先で仕事するというパターンも提案されているようだ。

いやぁ、大変な時代になったもんだ。

友だちみたいな仲良しオフィスならそれも楽しいだろうが
ランチぐらい1人で食べたいなぁ、と思っている人にとっては
苦痛ではないだろうか。
林間学校や塾の合宿のためライブに行けず地団

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誰かと観ている。それがライブ。

配信花盛りである。
プロの手を借りている所もあるだろうが
多くは、全く思いがけないところからのスタートであっただろう。
にもかかわらず、どんどんスキルを上げているお店もあり、すごいなぁと
感心するばかりだ。

マイクだ、三脚だ、オーディオインターフェースだ。
回線はどうする、カメラはどうした。と右往左往したものの、
結局スマホ一台で、配信を続けるお店もある。

お客さんの目も肥えてきたので
固定画

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わたしは生きているか――自由と死。人生は二択。人間「ハリエット」

わたしは生きているか――自由と死。人生は二択。人間「ハリエット」

◆「ハリエット」とは

映画「ハリエット」を渋谷シネクイントで観る。

19世紀末、南北戦争以前のアメリカ。
奴隷解放や、黒人の生活向上のために
尽くした実在の女性、ハリエット・タブマンの物語である。

劇場で購入したパンフレットによれば
2008年の全国アンケートで「アメリカ史で最も有名な人物10人」
にランクインしている。
オバマ大統領の時代に、
次の20ドル札の紙幣に採用されることが決まった

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