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#kusabueさん

コラボ140字小説 晩秋

コラボ140字小説 晩秋

柿噛んで大のおとこになりゆくか【晩秋】

柿の一本木。屋根によじ登り、ひとつもいでは恨めしく、無理を言っていたのは幾つの時か。 
人生の坂を下り始めたこの歳になれば、叶う事叶わぬ事に相槌をうつ分別もつく。
決して翌年も甘くはならない渋柿の木よ。
干して甘くなるとは、なる程と我が身を振り返える。

今年も秋が深まってゆく。
早いものだ。

柿噛んで大のおとこになりゆくか
kusabueさんのこちら

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七夕〜付け句遊び〜

七夕〜付け句遊び〜

七夕にちなんで、悠凜さん草笛さんと付け句で遊んでみました。

付け句は五七五からなる長句に七七の短句を付けるものですが、短歌とは少々違うようです。

短歌は上下、三十一文字全体でひとつの歌。
付け句はあくまで「長句」と「短句」であり、付かず離れず。あるいは共鳴によって長句の後の広がりや展開を楽しむようです。
ですので、長句も短句もそれ自体で成立する句が良いとされています。

そもそも付け句とは連歌

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歌仙 富士の巻

歌仙 富士の巻

平安時代の和歌の名手三十六人の総称である三十六歌仙。これにちなんだ三十六句からなる連句歌仙を、コメント欄を使い現代語にて巻き上げました。

実際大変でした。
前句に寄せながらも場面を転じながら進めていく連句は、粘りと我慢←が肝要と知りました。顔突き合わせた連句会だと、不穏な空気が流れて誰かがキレることもあるとか無いとか。。。

コメント欄で巻くならば、自分の前句が完成した事に気付かない「フリ」がで

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長歌にさせていただきました。

長歌にさせていただきました。

船がゆきそれにおくれて河がゆき
へいわな世とはうららかなこと

草笛さんの短歌を長歌の反歌とし、詠ませていただきました。
こちらの短歌は、いちごつみ短歌の中で草笛さんが詠まれた一首です。

【長歌】

悠々と
黙して語らず流れ着く 
水面に光る一筋に
親を見送り子も巣立ち
ここまで来たか
我が旅の
仰ぐ空には春の日差しよ

船がゆきそれにおくれて河がゆき
へいわな世とはうららかなこと

草笛さ

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ふるさとーいちごつみ俳句

ふるさとーいちごつみ俳句

「ふるさと」
その思い出は、理屈抜きで「暮らし」の中にこそあるもの。そしてその背景には、厳しく美しい四季が黙って静かに寄り添っているものではないでしょうか。
 

今回「ふるさと」をお題に、草笛さん悠凜さんと三人で現代語俳句による「いちごつみ」(一語摘み)を詠みあげました。全九句と全六句です。

いちごつみ
前の人が詠んだ句の中から一語をいただいて詠んでいきます。noteのコラボは極力noteの中

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いちご摘み短歌『ひとりひとり』

いちご摘み短歌『ひとりひとり』

今度は短歌のいちご摘みです。歌会が終わりましたので 笑 まとめさせていただきました。

前の句から一語だけをいただいて詠む自由律俳句を何度かやりましたが、今回はその短歌編です。

ルールは自由律よりも緩くしました。一度摘まれた語は、その後は摘む摘まないに関係無く、使用禁止。これだけです。

どの語を摘むかで、後で自分の首を絞めてしまう事もあり、それがいちご摘みの面白いところかも知れませんね|( ̄3

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現代語俳句 半歌仙

現代語俳句 半歌仙

kusabueさんにご指導いただきながら、現代語俳句の連句、半歌仙を巻き上げました。
歌仙は36句、その半分なので18句です。オモテの六句とウラの十二句です。

連句にはとても細かい式目(ルール、心得)があります。
切れ字を使う場所、月を使う場所。大きく場面展開をする場所も決まっています。

前に一度出てきた語句(名詞、形容詞、動詞等)は使用できません。
また直接的に関連が深そうな語句も使えません

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トリコロール桜を思い出して

トリコロール桜を思い出して

桜、開花のニュースが聞こえてきました🌸

一昨年から昨年まで、一年をかけたトリコロールコラボより、「桜」をポストカード型に仕上げてみました。ネットプリントです🌸

俳句kusabueさん、140字小説悠凜さん、画像吉田 翠です。
ネットプリント番号
3Z752XTQ

俳句kusabueさん、140字小説吉田 翠、画像悠凜さんです。
ネットプリント番号
NNPMK3MC

140字小説ですが、

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コラボ作品集《端午の節句》 2

コラボ作品集《端午の節句》 2

 
 
 
『父』 
 楽な儲け話に失敗し、ふらりと家に帰った俺に

「酒はやらねぇぞ、ケツが青いうちはちまきでも食ってろ」

 親父はそう言った。
 季節は五月。見慣れた古い鎧兜が、その時もまだ飾られていた。

 あれから15年。ちまきを頬張る息子を膝に乗せ、俺は仏壇の中の親父と静かに酒を酌み交わす。

 心配かけたな、親父。
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
☆俳句

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コラボ作品集 《雪》9

コラボ作品集 《雪》9

 
 
 
『偲ぶ』
 
 シミだらけの古い写真を引っ張り出してきた。
「戦後の食いもんもろくにねぇ時代だったなぁ。大雪が降って近所の悪ガキと雪合戦だ。仇取るみてぇによ、ほらこいつらだ」
 窓の外は雪。
「みぃんな先に逝っちまいやがってよ……」
 顔を上げ、ゴツゴツした手をさすりながら老人は目を細めて、降る雪を眺めた。
 
 
 

 
 
 
☆俳句     kusabue
☆140字小説 

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三作品へのオマージュとして

三作品へのオマージュとして

緋は沈まずー旅立ちー

日曜作曲において花介さんが発表された『緋は沈まず』
実はこの曲を聴いて、とにかく感動したのは昨年の11月のことです。

今わたしはkusabueさん、悠凜さんとご一緒させていただき、俳句と140字小説とイメージ画像からなるコラボ作品集(マガジン・トリコロールコラボ)に参加させていただいてます。
今回ご一緒させていただいた《桜》で悠凜さんから俳句と小説をいただいた時、わ~これ

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