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#俳句

コラボ作品集 梅雨1

コラボ作品集 梅雨1

140字小説 悠凜さん作

『雨音に問いかけて』

そぼ降る雨の夕刻。

「ホタル来ないかなぁ…」

 傘を差し、息子と並んで水辺に立つ。

「どうかな」

 私が子供の頃、夏の宵は螢が作る幻想世界だったが、今、餌になるカワニナの数を見る限り望めない。

「見たいなぁ…」

 しょんぼりする息子と小さな傘、はね返る雨音。
 あの光景を息子にも見せてやれるだろうか。

短歌 吉田翠作

雨音に引かれ

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半歌仙 さざ波の巻

半歌仙 さざ波の巻

連句半歌仙をKusanueさんと巻きました。
今回は、発句が秋の構成です。
全て現代語で詠んでいます。

ご覧いただけましたら幸いです。

表ではあまり世俗の強い句は詠めません。裏では一転します。
連句は一歩一歩前に進んでいくもの。時間が後ろに戻る事を嫌います。

因みにこの連句の最初、発句がやがて「俳句」となりました。
ですので発句にのみ切れ字を使うようです。
それ以外を平句といい、ここから滑稽

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歌仙 富士の巻

歌仙 富士の巻

平安時代の和歌の名手三十六人の総称である三十六歌仙。これにちなんだ三十六句からなる連句歌仙を、コメント欄を使い現代語にて巻き上げました。

実際大変でした。
前句に寄せながらも場面を転じながら進めていく連句は、粘りと我慢←が肝要と知りました。顔突き合わせた連句会だと、不穏な空気が流れて誰かがキレることもあるとか無いとか。。。

コメント欄で巻くならば、自分の前句が完成した事に気付かない「フリ」がで

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ふるさとーいちごつみ俳句

ふるさとーいちごつみ俳句

「ふるさと」
その思い出は、理屈抜きで「暮らし」の中にこそあるもの。そしてその背景には、厳しく美しい四季が黙って静かに寄り添っているものではないでしょうか。
 

今回「ふるさと」をお題に、草笛さん悠凜さんと三人で現代語俳句による「いちごつみ」(一語摘み)を詠みあげました。全九句と全六句です。

いちごつみ
前の人が詠んだ句の中から一語をいただいて詠んでいきます。noteのコラボは極力noteの中

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現代語俳句 半歌仙

現代語俳句 半歌仙

kusabueさんにご指導いただきながら、現代語俳句の連句、半歌仙を巻き上げました。
歌仙は36句、その半分なので18句です。オモテの六句とウラの十二句です。

連句にはとても細かい式目(ルール、心得)があります。
切れ字を使う場所、月を使う場所。大きく場面展開をする場所も決まっています。

前に一度出てきた語句(名詞、形容詞、動詞等)は使用できません。
また直接的に関連が深そうな語句も使えません

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おもてろっく

おもてろっく

昨年教えていただきながら、すっかり遠ざかっていた表六句を、麦笛さんにお手合わせ願いました( ◠‿◠ )

表六句

発句
テーマになる句で、切れ字を使った五七五。


発句に寄せた同じ季節の季語が入る七七。

第三
脇句から転じた五七五で最後留め字を使う。季節によって、季語を用いたり無季であったりする。


第三に寄せてリズムを付ける、無季の七七。

五・月
月の句を五七五で詠む。発句が夏、冬

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平成最後の桜🌸ファイアーワークス

平成最後の桜🌸ファイアーワークス

平成の桜もこの度限り。(勿論地域によって違い、年号が変わる場所もあるかと思います)
平成最後の桜と言うお題で、140字小説を書いたので、ファイアーワークスのマガジンに収めるべく、まとめました🌸🌸

それぞれの平成ふぶく花見かな

悠凜さん作

翠作

麦笛さん作

冒頭の句は麦笛さんの俳句です。

こういうのは、ノリですからね🤨
誰かが言い出すと、走り始める 笑

書いたら出すぞ
ファイアー

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炒り玉子サンドは思い出の味

炒り玉子サンドは思い出の味

最近料理を頑張っていらっしゃる麦笛さんが、炒り卵サンドを作って写真をアップされていました。
チーズ入りですよ、美味しそう

この炒り卵サンドに思い出のあるちびまゆさんが、そのことをコメント欄に書かれた。思わず懐かしくなってね。

すると麦笛さん、その思い出話にヒントを得て、別の自由律俳句の投稿で140字小説を発表されたんです。ええ、コメント欄で……

その流れでこの小さなフィクションの、何とな

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麦笛さんコラボ作品とコラボしてみました(?)

麦笛さんコラボ作品とコラボしてみました(?)

麦笛さんが、ご自身の俳句に悠凜さんの140字小説を合わせて投稿されました。その中で、わたしの絵を使ってくださいました。

そこでこのコラボ作品をシェアさせていただくにあたって…
ちょっとわたしも140字小説を書かせていただきます。『コラボに乗せコラボ』です(なんだそれは!)
違う情景を描いたため、蛍からは離れます。

何となく「あれ?これって?」と感じる方がいるやも知れぬ内容となりましたが、こ

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コラボ作品集《端午の節句》 2

コラボ作品集《端午の節句》 2

 
 
 
『父』 
 楽な儲け話に失敗し、ふらりと家に帰った俺に

「酒はやらねぇぞ、ケツが青いうちはちまきでも食ってろ」

 親父はそう言った。
 季節は五月。見慣れた古い鎧兜が、その時もまだ飾られていた。

 あれから15年。ちまきを頬張る息子を膝に乗せ、俺は仏壇の中の親父と静かに酒を酌み交わす。

 心配かけたな、親父。
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
☆俳句

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コラボ作品集《端午の節句》1

コラボ作品集《端午の節句》1

『継ぐ波に乗せ』
 
 
「ほら、しっかり持て!」
「持ってるよ!」
 
 息子の為に親父と幟を持って奮闘する。
 
(うわ…)
 
 重さに焦り、しなる幟を立てた時には汗だくだった。
 
 「フ〜」
 「何だ、若いもんが」
 
 笑う親父に、ふと思い出す。
 
(親父は昔、一人でやってくれてたんだな)
 
 はためく親子鯉を見上げれば、抜けるような青空だった。

俳句 kusabue

140字

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