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読書記録

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読んだ本の感想をまとめました。
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2023年12月の記事一覧

私にとっての「読むこと」

私にとっての「読むこと」

読書をして知識を深めたり、気づきを得たりすることで、自分が育っていく感じがします。

この1年はひたすら吉本ばななさんの小説やエッセイを読んでいます。
私は、本当はこのことに傷ついていたんだ。あのときこんな風に考えられていたら少しは楽になれたのかも。同じように弱っている人にはこうやって接したら良いのかな。これからはこの考えを軸に生きていこう。

気づいて、関連して考えて、自分の生き方に納得する。

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ユーモアと冷静さと、あふれる人間味が素敵-『そういうふうにできている』

ユーモアと冷静さと、あふれる人間味が素敵-『そういうふうにできている』

つわりで冴えない生活だけど、1年の最後の日は明るい気持ちで過ごしたいなと思い、さくらももこ先生の『そういうふうにできている』を読みました。
ももこ先生の妊娠から出産までのことが綴られたエッセイです。

便秘のエピソードがまるまる1章あったり、帝王切開+盲腸の手術の経過がこと細かに書かれていたり…そこまで公開しちゃって大丈夫なんですか!?とつっこみたくなるくらい刺激的でした(笑)

帝王切開への不安

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心を通わせることの幸せ/『木曜日にはココアを』を読んで

心を通わせることの幸せ/『木曜日にはココアを』を読んで

癒されたくて読み返しました。
明日への希望が持てる一冊。各章のテーマがBrown, Yellow, Pink…と色になっていておしゃれ!読み終わった後に明るい気持ちになるのは、活字でもカラフルなイメージが湧いてくるからかなぁ。田中達也さんのミニチュア作品が表紙なのも可愛いですよね…!
登場人物のそれぞれが優しい気持ちで周囲と関わっていて、交流関係が少しずつ混ざり合って…マーブルカフェから広がってい

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自分を大切にするために、まず自分を理解する―『満月珈琲店の星詠み』

自分を大切にするために、まず自分を理解する―『満月珈琲店の星詠み』

満月バターのホットケーキ、水星のクリームソーダ、星屑のアイスコーヒー・朝焼けのシロップ入り…

満天の星空を思わせるようなスイーツ、繊細で素敵なイラスト。本文を読み始める前に気持ちを高めてくれました。
読み終わった後、ハッピーエンドの映画を一本観たようなほっこりした気持ちに。

ホロスコープのひとつである出生図(その人が生まれた瞬間の天体の位置を表した図)を使い、人生に迷った人たちにヒントを出して

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自分を重ねる―『アムリタ』/吉本ばなな

自分を重ねる―『アムリタ』/吉本ばなな

吉本ばななさんの本が好きです。『アムリタ』は6回くらい読み返しました。
もう一度読んでみて、私は主人公の朔美がとても好きなんだということに気づきました。

朔美は頭を打って記憶を無くしてしまうのですが、その出来事さえも含め、現実をそのまま受け止めている様子で書かれています。動揺、悲しみ、苦しみ…をあえて細かく描写しない、ばななさんの書き方が好き。

記憶を無くしているからなのか、もともとの気質なの

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